建設工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 建設工学実験Ⅱ
科目番号 0542 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 「土木材料実験指導書」 土木学会編集
担当教員 宮武 誠,大久保 孝樹,平沢 秀之

到達目標

1.【構造実験】各種構造形式(金属、木材)による試験体を用いた載荷実験を行い、反力、ひずみ、変形の性状を力学的な視点で観察することができる。(E-2)。
2.【水理学・衛生工学実験】水の流れ実験によりレイノルズ数を算出し、三角せきによる流量測定を理解し、器具を使って実験ができ、常流・射流・跳水に関する実験について理解し、その実験ができる。ジャーテスト(上水道における凝集沈殿)(PHなども含む)と活性汚泥の浄化反応に関するDOとCOD(BOD)の実験について理解し、その実験ができる。(E-2)。
3.【道路工学実験】4年次の道路工学で行った道路舗装に使われる瀝青材料のうち、特にアスファルトの性質を実験を通して理解するとともに混合物としての性質を理解すること。およびそれらの実験結果から考察できることをレポートにまとめて適切に表現できること(E-2)。
●【各実験共通】与えられたテーマの実験手順を自ら計画し実行する(A-1)。グループで実験を行うことで、チームの一員としての役割と責任を理解して自主的に行動する。構造工学、水理学、衛生工学、道路工学で学んだ工業技術の基礎知識をもとに、この実験で専門分野の基礎技術を身につける(B-3)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1構造実験の内容を理解して実験を遂行し、レポートに適切な考察が書ける。構造実験を手順に従って遂行し、レポートに実験結果と考察を書くことができる。構造実験の手順が理解できない。チームの中で役割分担して実験ができない。
評価項目2水理学・衛生工学実験の内容を理解して実験を遂行し、レポートに適切な考察が書ける。水理学・衛生工学実験を手順に従って遂行し、レポートに実験結果と考察を書くことができる。水理学・衛生工学実験の手順が理解できない。チームの中で役割分担して実験ができない。
評価項目3道路工学実験の内容を理解して実験を遂行し、レポートに適切な考察が書ける。道路工学実験を手順に従って遂行し、レポートに実験結果と考察を書くことができる。道路工学実験の手順が理解できない。チームの中で役割分担して実験ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE学習・教育到達目標 (A-1) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (E-2) 説明 閉じる
函館高専教育目標 A 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 E 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 一クラスをA, B, Cの3つのグループに分け、3つの実験[構造実験]、[水理学・衛生工学実験]、[道路工学実験]を同時並行で行う。それぞれの実験を4回(16時間)実施する。構造実験では梁に作用する外力と支点反力、内部応力との関係を調べる。水理学・衛生工学実験では、管水路、開水路における流れ実験、及びジャーテスト・下水の浄化試験を行う。道路工学実験では、アスファルトの性質について調べる。科目のレベルは、系統的に実験操作ができ、実験結果を考察できるレベルである。
授業の進め方・方法:
【構造実験】構造力学、構造工学など、これまでに学んで来た勉強内容は、実験を進める上で常に必要とされるので十分に理解しておき、積極的に実験に参加することを意識しておくように。

【水理学・衛生工学実験】事前にその実験の理論的背景を十分予習しておくこと。実験の前に実験の概要、実験後に理論・データ整理とまとめ方等を説明するので、それに基づいて速やかにレポートを作成し一週間以内に提出すること。

【道路工学実験】4年次の道路工学の教科書の該当部分をあらかじめ読んで予習しておくこと。また、実験時には高熱となるが目ではわかりにくい材料を扱うので、指導者の説明を十分に聞いて怪我等のないよう注意すること。

 3つの実験ともに、出題されたレポート課題を期限までに確実に提出することが重要である。
 この実験と関連する科目は、構造力学Ⅰ~Ⅲ、橋梁工学、水理学Ⅰ~Ⅲ、環境衛生工学、道路工学である。
注意点:
JABEE教育到達目標評価: 成果品実技100% (A-1:33.3%,B-3:33.3%,E-2:33.3%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験概要、実施方法の説明。 3分野の実験概要、実施方法が理解できる。
2週 [構造実験]
1.H形鋼の載荷試験(1)
(実験供試体の準備)
ひずみゲージの添付、結線等の基本作業ができる。
測定値、解析値を得る方法が理解できる。
3週 2.H形鋼の載荷試験(2)
(載荷試験と応力の測定)
載荷方法、装置の設定方法、荷重条件、境界条件が理解できる。測定結果を整理し、考察を加えることができる。
4週 3.梁の支点反力影響線(1)
 (装置のセットと反力測定)
簡単な装置を使用して梁の反力を測定できることが理解できる。
5週 4.梁の支点反力影響線(2)
 (不静定梁の反力計算)
1次不静定梁の反力計算ができる。
6週 [水理学・衛生工学実験]
1. 層流・乱流及びオリフィスに関する実験
レイノルズ実施権装置による層流・乱流及びオリフィスからの流出流量測定を通じ,その理論を理解できる。
7週 2. 開水路と流量測定に関する実験 ・三角堰による流量測定とJIS公式の妥当性の検討を通じて、理論と実用公式の関係を理解できる。
・流速計によって開水路の流速分布を測定し理論値との比較検討を通じて開水路の理論を理解できる。
8週 3. ジャーテストによる凝集実験 当実験を通じて凝集を支配する因子を説明できる。
2ndQ
9週 4. 活性汚泥による下水の浄化実験 CODによる試水の有機物濃度の測定を通じて活性汚泥による有機物除去特性を理解し説明できる。
10週 [道路工学実験]
1. アスファルトの物理試験
ストレートアスファルトの針入度、軟化点の試験を行い、温度に関連したその性質を理解する。
11週 2. アスファルト混合物の配合設計、引火点試験 目標とするアスファルト混合物を作成するため、細骨材・粗骨材の配合比を図解法を用いて行うがその方法が理解できること。また引火点について理解すること。
12週 3. マーシャル安定度試験用供試体の作成 目標とするアスファルト混合物を実際にアスファルト、骨材を混ぜて作成し、その方法を理解する。
13週 4. マーシャル安定度試験 設計アスファルト量を求めるためにマーシャル安定度試験を行い、その方法を理解する。
14週 レポート返却、解説、および追実験(1) 返却されたレポートの不完全部分を理解し修正できる。
15週 レポート返却、解説、および追実験(2) 返却されたレポートの不完全部分を理解し修正できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。4
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。4
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。2
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000