水資源・環境保全工学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 水資源・環境保全工学
科目番号 0570 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「環境衛生工学」 奥村充司・大久保孝樹 著 (コロナ社)
担当教員 大久保 孝樹

到達目標

1. 水資源の賦存量と水資源の現状と開発について説明できる。
2. 河川、湖沼、地下水の水質汚染について説明できる。
3. 富栄養化現象とノンポイント汚染について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水資源の賦存量について定量的に説明でき、水資源の現状と開発について詳しく説明できる。水資源の現状と開発について説明できる。水資源の現状と開発について、具体的に説明できない。
評価項目2水資源の水質汚染について数学モデルを用いて定量的に計算でき、モデルについても詳しく説明できる。水資源の水質汚染について数学モデルを用いて計算できる。水資源の水質汚染について数学モデルを用いて計算できず、意味も分からない。
評価項目3富栄養化現象とノンポイント汚染について説明でき、それらの関連性についても説明できる。富栄養化現象とノンポイント汚染について説明できる。富栄養化現象とノンポイント汚染の意味が分からず、これらについてについて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 D 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (D-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在、水資源は量的な面のほかに、質的な面に関して重要な問題を呈している。そのため、水資源環境の保全が重要視されている。本講義では、まず水循環も含めた一般的な水資源について学び、水資源環境を質的に汚濁している現象を数学モデル等で説明し、定性的のみならず定量的に水資源の汚濁現象を説明していく。これらの授業を通して、水資源と環境の保全について理解できることを目標とし、実社会で実際に行われている水資源環境保全に習った内容を適用できるようになることが到達レベルである。
授業の進め方・方法:
①定期試験は、記述式の試験であり、問題の題意に対して十分説明できるようにしておく必要がある。
②レポートは、中間に1回、期末に1回の計2回の課題を課す。記述式のレポート。
③その他は、演習問題(計算問題)を中間1回、期末1回の計2回出題する。
 レポートと演習問題(その他)それぞれ10%ずつで、計20%を占めるので、提出期限に遅れないよう必ず提出すること。提出期限に遅れた場合は、適宜減点するので、必ず提出期限を守ること。
④この講義は、水資源の現状と水に関する環境問題に焦点を当てている。現在、マスコミでは水の問題を水ビジネスととらえ、テレビなどの報道で取り上げられているので、このような情報についても興味を持って接するようにすること。
注意点:
授業中に注意:
◎携帯をいじっていたり、居眠りをしている者に対して、厳重に注意する。

JABEE教育到達目標評価:
  定期試験80%(B-2:50%,D-2:50%),レポート10%(B-2:50%,D-2:50%),その他10(B-2:50%,D-2:50%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 水資源環境保全工学のガイダンス(1h)
1.水資源(1h)
 1.1.水循環
水資源環境保全工学の内容をイメージできる。
水循環について定量的に説明でき、理解できる。
2週  1.2.降水量と賦存量(2h) 日本の降水量と水資源の賦存量について理解できる。
3週 2.水資源の現状と水資源開発
 2.1.河川水(1.5h)
 2.2.湖沼水(0.5h)
水資源の現状を理解できる。
河川水の水資源および開発について理解できる。
湖沼水の水資源および開発について理解できる。
4週  2.3.海水(1h)
 2.4.地下水(1h)
海水の水資源および開発について理解できる。
地下水の水資源および開発について理解できる。
5週 3.河川の汚濁
 3.2.Streeter-Phlepsの河川汚濁モデル(2h)

河川汚濁モデルであるStreeter-Phelpsの式を誘導でき、理解できる。
6週 3.河川の汚濁
 3.2.Streeter-Phlepsの河川汚濁モデル(2h)
河川汚濁モデルであるStreeter-Phelpsの式を理解でき、具体的現象についてモデル式を適用応用して計算でき、理解できる。
7週  3.3.有機物以外の微量汚染物質(2h) 微量汚染物質について特に汚染経路、対策に関して理解できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 答案返却・模範解答解説(1h)
4.湖沼の水質汚濁モデル(1h)
 (完全撹拌混合モデル)
試験問題の解説を通じて、理解不足の箇所を理解できる。
完全撹拌混合モデルを用いた湖沼の水質汚濁モデル式を誘導でき、理解できる。
10週 4.湖沼の水質汚濁モデル(2h)
 (完全撹拌混合モデル)
モデルに湖沼汚濁の具体的汚濁現象に応用し計算でき、理解できる。
11週 5.湖沼・海域の富栄養化(2h)
 5.1.湖沼の富栄養化
   ・アオコ(水の華)
   ・淡水赤潮
5.2海域の赤潮と青潮
湖沼の富栄養化現象であるアオコについて、詳しく説明でき、貧栄養湖(ダム湖)に発生する淡水赤潮についても詳しく説明でき、理解できる。
海域の赤潮と青潮について理解できる。
12週 6.陸域と水域(2h)
 6.1.ノンポイント汚染源
水域の汚染に最も関連している陸域からの汚濁物質流入の現象を理解でき、ノンポイント汚染について理解できる。
13週 7.土木工事による環境汚濁の処理(2h) 特に、濁水、中和処理について理解している。
14週 8.鉱山廃水汚濁と土木工事(2h) 鉱山廃水生成が微生物によってなされることを理解し、土木工事との関連性について理解している。
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801000010100
基礎的能力0000000
専門的能力7050001085
分野横断的能力105000015