建設工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 建設工学実験Ⅰ
科目番号 0596 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 「土木材料実験指導書」(土木学会) 「土質試験・基本と手引き」(地盤工学会)
担当教員 澤村 秀治

到達目標

1.コンクリート材料に関する試験を行い,データを評価し,その結果を報告書にまとめることができる.
2.コンクリート構造に関する試験を行い,データを評価し,その結果を報告書にまとめることができる.
3.地盤材料に関する試験を行い,データを評価し,その結果を報告書にまとめることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1試験手法を習得し,期限までに報告書を提出する.試験方法に関する知識を持ち,試験報告書を作成できる.試験について理解しておらず,報告書を作成できない.
評価項目2試験手法を習得し,期限までに報告書を提出する.試験方法に関する知識を持ち,試験報告書を作成できる.試験について理解しておらず,報告書を作成できない.
評価項目3試験手法を習得し,期限までに報告書を提出する.試験方法に関する知識を持ち,試験報告書を作成できる.試験について理解しておらず,報告書を作成できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 A 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 E 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (A-1) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (E-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンクリート工学,コンクリート構造学および土質工学の基礎的な実験・試験法を実習し,各々の専門分野について学んだ知識をベースに,それらの技術的意味を理解する.実験の遂行,データ解析,結果のとりまとめ,報告書の作成には自ら計画し,継続的に実行し,またチームの一員としての役割を認識し自主的に行動することが求められる.最終的には,実験・実習の成果を論理的な文章にまとめ,報告書を作成する.これらを総合してコンクリート試験,土質試験に関する基本技術を実務において適用できることを到達レベルとする.
授業の進め方・方法:
学習上の留意点:第2学年のコンクリート工学,第2・3学年のコンクリート構造学,第3学年の土質工学の授業内容についてよく復習しておくこと.また,各実験の前には実験方法について十分に予習し,当日の作業をスムースに進めることがきるように準備すること.実験にあたっては,重量物を取り扱う場合があるのでくれぐれも注意し,実験室に入室する際には必ず作業服,作業に適した靴を着用すること.実験の都度提出する実験報告書は,提出期限を必ず守ること.
評価方法:提出された各実験テーマのレポートをそれぞれ100点満点で評定し,それらの平均点を本科目の成績とする.レポートの評価基準は,①(A-1)実験を計画的・継続的に遂行し定められた期限までにレポートを提出する(30%),②(B-2)実験の基礎となる理論の・原理の記述(20%),③(B-2)(B-3)データから結果を導く課程の記述(20%),④(B-3)(E-2)実験結果に対する考察の記述と理解度(20%),⑤(E-2)レポート全体の体裁や完成度(10%),とする.ただし,1件でも未提出のレポートがある場合は合格点を付与しない.
必要とされる予備知識:コンクリート分野では,コンクリート用骨材の要求品質と品質管理試験法,配合設計理論,鉄筋コンクリート部材の曲げ・せん断による終局状態の挙動,および限界状態設計法に関する知識が不可欠である.土質工学分野では,含水比や間隙比などの基本的性質,粒度やコンシステンシー限界を用いた土の分類,締固め特性,強度定数などの基本的なせん断特性に関する知識が不可欠である.
関連する科目:コンクリート工学,コンクリート構造学ⅠⅡⅢ,構造設計製図Ⅰ,土質工学,地盤工学
注意点:
JABEE教育到達目標評価:レポート100%(A-1:30%,B-2:30%,B-3:20%,E-2:20%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本授業の進め方,評価方法,学習到達目標などを理解できる.
各種の実験・試験法を実習し,その知識や技術を習得することに加えて,それぞれについて以下のことが求められる.
2週 コンクリート材料
①細骨材の密度・吸水率試験
細骨材の密度・吸水率を測定し,その結果を基に骨材の品質を評価できる.
3週 ②粗骨材の密度・吸水率試験 粗骨材の密度・吸水率を測定し,その結果を基に骨材の品質を評価できる.
4週 ③細骨材の表面水率試験 細骨材の表面水率を測定し,配合における水量補正を行うことができる.
5週 地盤材料
④液性・塑性限界試験
塑性指数を計算し,塑性図を用いた分類を行なうことができる.
6週 ⑤締固め試験 締固め曲線を作成し,最適含水比と最大乾燥密度を求めることができる.
7週 ⑥土粒子密度・含水比試験 測定した土粒子密度と含水比から間隙比等の諸量を計算することができる.
8週 追実験・レポート指導 返却されたレポートから減点された箇所を理解し適切な訂正ができる.
2ndQ
9週 コンクリート構造
⑦練混ぜ・圧縮試験用供試体作成,はり試験体作成
コンクリートの配合設計を行うことができる.スランプ・空気量試験を行いフレッシュコンクリートの性質を理解し説明できる.
10週 ⑧鉄筋の引張試験 鋼材の応力-ひずみ関係を理解し説明できる.
11週 ⑨圧縮強度試験・RCはりの載荷試験 RCはりが終局状態に至る過程を観察し,データの分析により破壊のメカニズムおよび設計手法との関連について説明することができる.
12週 地盤材料
⑩粒度試験
沈降分析法を実習し,粒径加積曲線の作成,粒度による分類ができる.
13週 ⑪透水試験 定水位透水試験を実施し、試料の透水係数を求めることができる.
14週 ⑫一軸圧縮試験 実験結果から強度定数cu・変形係数E50を求めることができる.
15週 追実験・レポート指導 返却されたレポートから減点された箇所を理解し適切な訂正ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。4前2,前3
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。4前9
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。4前9
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前11
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4前11
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前7
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4前5
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前12
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4前13
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4前6
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4前14

評価割合

レポート合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力700000070
専門的能力300000030
分野横断的能力0000000