技術者倫理

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0696 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜配布する.
担当教員 佐々木 恵一

到達目標

1. 技術者倫理問題の背景を理解し,倫理規範が形成された経緯を説明できる.
2. 技術者の倫理規定を説明できる.
3. 実際の問題に対して自分の意見を持ち,技術者倫理を実践できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術者倫理問題の背景を理解し,倫理規範を説明できる.技術者倫理問題の背景を説明できる.技術者倫理問題の背景を説明できない.
評価項目2技術者の倫理規定を理解し,技術者の行動規範を説明できる.技術者の倫理規定を説明できる.技術者の倫理規定を説明できない.
評価項目3倫理問題について他者と討論できる.倫理問題について自分の意見をまとめる事ができる.倫理問題について自分の意見をまとめる事ができない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 D 説明 閉じる
函館高専教育目標 E 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (D-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (D-3) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (E-1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
倫理の問題とは,人間の行為の善悪,正・不正を問うものであるので,人間に不可能な行為は倫理の考察の対象にならない.しかしながら,現代の科学技術は人間の行為を飛躍的に拡大し,それを担う科学技術者には,科学技術によって新たに可能になった行為について倫理的考察が必要である.この授業では,科学技術が人間や社会,自然環境におよび未来の世代に与える影響を理解し,事例研究を通じ技術者として自己の技術に関する説明責任を果たす能力を養う.また,これらについて自分の考えをまとめ,他者との討論の中から技術者の役割と責任を理解きることを学習目標とする.これらを総合して,社会において技術者倫理を実践できることを到達レベルとする.
授業の進め方・方法:
学習上の留意点:授業の内容は広範囲かつ多岐にわたるので,テーマごとに要点を整理し取りまとめておくこと.また,事例研究ではグループワークを実施するので,これらに対して精力的に取り組み,報告書を定められた期限までに提出しなければならない.
評価方法:前期中間・期末試験(D-2)の成績を50%,レポート(D-3)を50%として成績を評価する.
注意点:
必要とされる予備知識:特に必要な予備知識は求められないが,各自の専門分野に関わる学会,学術団体,専門家集団における技術者の倫理規定について事前に調査し,その内容について理解しておくこと.

JABEE教育到達目標評価: 試験50% (D-2: 100%),レポート50% (D-3: 100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 技術者倫理問題の背景 技術者倫理の問題の特殊性や時代の背景,技術者倫理教育の必要性について理解し説明することができる.
2週 技術者教育・技術者資格・倫理規定 現在の技術者教育,技術者資格制度に求められる事項,および技術者倫理規定が示す中心的テーマを説明することができる.
3週 技術者はいかに行動すべきか 価値の相反,ジレンマ問題,倫理的行動の促進要因・阻害要因に関する基礎知識を持ち,自らの倫理的行為設計を行うことができる.
4週 技術者のアイデンティティー 科学者,技術者,技能者のそれぞれに対する期待の違いを理解し,プロフェッショナルとしての技術者が果たすべき役割を説明できる.
5週 技術者の説明責任 インフォームドコンセントやパターナリズムについて正しい認識を持ち,技術者の説明責任について論ずることができる.
6週 事例研究① 過去の事例を題材としたケーススタディーを行い,内在する倫理的問題,技術者の行為設計について検討する.
7週 事例研究② 過去の事例を題材としたケーススタディーを行い,内在する倫理的問題,技術者の行為設計について検討する.
8週 中間試験
2ndQ
9週 内部告発 内部告発の是非について正しい認識を持ち,内部告発の形態や内部告発が正当化される条件について論ずることができる.
10週 法と技術者倫理 PL法,独占禁止法について正しい知識を持ち,法と倫理の補完関係について説明することができる.
11週 技術者倫理と地球環境 現在の地球が直面している環境問題について正しい認識を持ち,環境や未来の世代に果たすべき技術者の使命を説明できる.
12週 技術者倫理と倫理的行動① 倫理問題解決手法について理解できる.
13週 技術者倫理と倫理的行動② ケーススタディーを用いて,問題の背景,内在する倫理的問題を明確にし,それらの内容について他のグループと議論することができる.
14週 技術者倫理と倫理的行動③ ケーススタディーを用いて,技術者の行為設計について検討し,技術者としての倫理的行動をまとめることができる.
15週 期末試験
16週 答案返却 試験問題の解説から自分の間違った箇所を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理技術者倫理説明責任、内部告発、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。3前5,前10
技術者を目指す者として、環境問題について配慮することができる。3前11
技術者を目指す者として、社会と地域について配慮することができる。3前11
技術者を目指す者として、知的財産を意識した創造性を発揮できる。3前2,前10
技術者を目指す者として各国・各地域での活動において、各国・各地域の文化、慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令などを守ることができる。3前11
技術者を目指す者として持続可能な開発を通じて全ての人々が安心して暮らせる未来を実現するために配慮することができる。3前11
技術者を目指す者として、さまざまな課題に力を合わせて取り組んでいくことができる。3前11
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力現実を踏まえ、公衆の健康・安全への配慮、文化的・社会的・環境的な観点に配慮をしつつ、既存の枠にとらわれずに、複合的な工学的課題や、需要に適合したシステム・構成要素・工程を設計することができる。3前11

評価割合

試験グループディスカッション相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力250000025
専門的能力0000000
分野横断的能力2500005075