構造設計製図Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 構造設計製図Ⅱ
科目番号 0728 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「橋梁工学」 林川俊郎著  (朝倉書店)
担当教員 平沢 秀之

到達目標

1. 自らの計画に基づいて継続的に実行できる(A-1)。
2. 合成桁橋の設計の概要、特徴、手順、主桁、継ぎ手の設計を理解し、それらを計算できる。要素技術に関する基礎知識を具体的な設計作業に応用できる(B-3)(F-1)。
3. 与えられた条件を基に設計計算ができ、設計した構造物をCADソフトで描くことができる(C-2)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1正確に設計計算と製図を実行でき、期限内に計算書と製図を提出できる。継続的に設計計算と製図を実行し、期限内に計算書と製図を提出することができる。期限内に計算書と製図を提出することができない。
評価項目2設計計算例を参照しながら条件を満たす計算を正しく実行することができる。修正個所を正しく修正し、条件を満たす設計を行うことができる。計算間違いが数多くあり、計算終了個所まで到達することができない。
評価項目3設計計算により得られた部材寸法を精確に図面上に表わすことができる。主桁、補剛材を図面上に表わすことができる。主桁、補剛材の図面が完成できない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 A 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 C 説明 閉じる
函館高専教育目標 F 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (A-1) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (C-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (F-1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 橋梁工学で学んだ「合成桁橋」を設計計算し、CADによる製図を行う。合成桁橋の設計条件として、支間長、床版厚、舗装厚等を設定する。設計計算では、各部材の応力を算定し、許容応力度以下であることを照査する。CAD製図では、橋梁一般図(ただし、主桁側面図・平面図、補剛材図のみ)を描く。科目のレベルは、所定の強度を有する橋梁を設計するために知識を応用でき、効果の検証(応力、たわみ照査)ができるレベルである。
授業の進め方・方法:
 前期から後期の第4週目までの間に、設計計算を行う。教科書の設計計算例を参照しながら各自に与えられた設計条件に従い、A4ノートに書き進める。計算の途中にチェック個所があり、計算が正しく行われているかを確かめる。すべてのチェック個所がクリヤできたら、ノートを計算書として提出する。
 計算書が完成した後、CAD製図に着手する。見本を参照しながら、各自の部材寸法で正確に描く。
 この科目と関連性のある科目は、「構造力学Ⅰ~Ⅲ」、「建設CAD・図学」、「橋梁工学」、「鋼構造学」、「構造設計製図Ⅰ」、「コンクリート構造学Ⅰ~Ⅱ」である。
注意点:
JABEE教育到達目標評価: 設計計算書60% (A-1:60%,B-3:20%,F-1:20%)、製図40%(C-2:100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 合成桁橋を設計するための全体の流れが理解できる。
2週 設計条件 各自の設計する橋梁の設計条件が理解できる。
3週 床版の設計(片持版) 片持版の設計曲げモーメントの計算ができる。
4週 床版の設計(連続版) 連続版の設計曲げモーメント、配筋の決定ができる。
5週 荷重の算定 設計荷重の計算ができる。
6週 曲げモーメント影響線 支間中央部と連結部の曲げモーメントを算出できる。
7週 せん断力影響線 支間中央部と連結部のせん断力を算出できる。
8週 主桁の断面計算 主桁の寸法を仮定し、断面2次モーメントの計算ができる。
2ndQ
9週 主桁断面の応力照査 主桁に生じる垂直応力とせん断応力の照査ができる。
10週 クリープの影響 主桁の合成作用によるクリープの計算ができる。
11週 温度応力の算定 主桁の温度応力の算定ができる。
12週 連結部の断面計算 連結部の断面寸法を仮定し、断面2次モーメントが算定できる。
13週 補剛材の配置と剛度 垂直補剛材と水平補剛材の剛度計算ができる。
14週 高力ボルト摩擦接合 フランジ、腹板の連結部におけるボルトの計算ができる。
15週 水平荷重の計算 風荷重、地震荷重の計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 端対傾構の設計 端対傾構に作用する軸力が算定できる。
2週 中間対傾構の設計 中間対傾構に作用する軸力が算定できる。
3週 たわみの計算 活荷重たわみの照査ができる。
4週 CAD製図の環境設定 CAD製図を実行するための各種環境設定ができる。
5週 上フランジの製図 上フランジの平面図を描くことができる。
6週 腹板の製図 腹板の側面図を描くことができる。
7週 垂直補剛材の製図 垂直補剛材(端部・中間部)を描くことができる。
8週 水平補剛材の製図 水平補剛材を描くことができる。
4thQ
9週 連結部の製図 高力ボルトの配置図を描くことができる。
10週 下フランジの製図 下フランジの平面図を描くことができる。
11週 溶接記号、注釈の製図 図面に溶接記号、注釈を書き込むことができる。
12週 垂直補剛材詳細図の製図 垂直補剛材の詳細図を描くことができる。
13週 水平補剛材詳細図の製図 水平補剛材の詳細図を描くことができる。
14週 ビューポート、図面挿入 ビューポートに図面を挿入し、縮尺を変更できる。
15週 表題の作図、印刷 表題、縮尺、氏名等を描き、印刷することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前8
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4前8
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4前6,前7
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4前6,前7
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4前1
製図図形要素の作成と修正について、説明できる。4後11,後13
画層の管理を説明できる。4後4
図の配置、尺度、表題欄、寸法と寸法線の規約について、説明できる。4後4
与えられた条件を基に設計計算ができる。4前2,後3
設計した物をCADソフトで描くことができる。4後15
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。4後3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。4前2

評価割合

設計計算書製図合計
総合評価割合6040100
専門的能力6040100