建設工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 建設工学実験Ⅱ
科目番号 0729 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 プリント
担当教員 宮武 誠,大久保 孝樹,平沢 秀之

到達目標

1.【構造実験】各種構造形式(金属、木材)による試験体を用いた載荷実験を行い、反力、ひずみ、変形の性状を力学的な視点で観察することができる。(E-2)。
2.【水理学・衛生工学実験】水の流れ実験によりレイノルズ数を算出し、三角せきによる流量測定を理解し、器具を使って実験ができ、常流・射流・跳水に関する実験について理解し、その実験ができる。ジャーテスト(上水道における凝集沈殿)(PHなども含む)とDOとCOD(BOD)の測定実験について理解し、その実験ができる。(E-2)。
3.【数値実験】建設工学における構造、水理衛生の分野において、現象を数値的に扱い、数値データ、数値解析結果を適切に処理する能力を養う。ほとんどの実験結果は数値的に処理されるため、数値を取り扱う知識・技術は工学を学ぶ学生には必須である。パソコンを使用して数値データ処理ができ、結果を適切に表現できるようになる(E-2)。
●【各実験共通】与えられたテーマの実験手順を自ら計画し実行する(A-1)。グループで実験を行うことで、チームの一員としての役割と責任を理解して自主的に行動する。構造工学、水理学、衛生工学で学んだ工業技術の基礎知識をもとに、この実験で専門分野の基礎技術を身につける(B-3)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1構造実験の内容を理解して実験を遂行し、レポートに適切な考察が書ける。構造実験を手順に従って遂行し、レポートに実験結果と考察を書くことができる。構造実験の手順が理解できない。チームの中で役割分担して実験ができない。
評価項目2水理学・衛生工学実験の内容を理解して実験を遂行し、レポートに適切な考察が書ける。水理学・衛生工学実験を手順に従って遂行し、レポートに実験結果と考察を書くことができる。水理学・衛生工学実験の手順が理解できない。チームの中で役割分担して実験ができない。
評価項目3数値実験の内容を理解して解析を行い、レポートに適切な考察が書ける。数値実験を手順に従って行い、レポートに実験結果と考察を書くことができる。数値実験の手順が理解できない。実験結果と考察が適切に書けない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 A 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 E 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (A-1) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (E-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 一クラスをA, Bの2つのグループに分け、2つの実験[構造実験]、[水理学・衛生工学実験]を前半8回で同時並行で行う。[数値実験]は後半4回で全員揃って行う。構造実験では梁に作用する外力と支点反力、内部応力との関係を調べる。水理学・衛生工学実験では、管水路、開水路における流れ実験、及びジャーテスト・DOとCOD(BOD)の測定実験を行う。数値実験では、構造実験・水理衛生実験等の分野で扱う現象を数値解析し、その結果を処理する。科目のレベルは、系統的に実験操作ができ、実験結果を考察できるレベルである。
授業の進め方・方法:
【構造実験】構造力学、構造工学など、これまでに学んで来た勉強内容は、実験を進める上で常に必要とされるので十分に理解しておき、積極的に実験に参加することを意識しておくように。
【水理学・衛生工学実験】事前にその実験の理論的背景を十分予習しておくこと。実験の前に実験の概要、実験後に理論・データ整理とまとめ方等を説明するので、それに基づいて速やかにレポートを作成し一週間以内に提出すること。
【数値実験】構造力学、水理学、環境衛生工学の基礎知識を習得していること。Excelの基本的な操作方法を理解しておくこと。
 3つの実験ともに、出題されたレポート課題を期限までに確実に提出することが重要である。
 この実験と関連する科目は、構造力学Ⅰ~Ⅲ、橋梁工学、水理学Ⅰ~Ⅲ、環境衛生工学である。
注意点:
JABEE教育到達目標評価: 成果品実技100% (A-1:33.3%,B-3:33.3%,E-2:33.3%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験概要、実施方法の説明。 3分野の実験概要、実施方法が理解できる。
2週 [構造実験]
1.H形鋼の載荷試験(1)
(実験供試体の準備)
ひずみゲージの添付、結線等の基本作業ができる。
測定値、解析値を得る方法が理解できる。
3週 2.H形鋼の載荷試験(2)
(載荷試験と応力の測定)
載荷方法、装置の設定方法、荷重条件、境界条件が理解できる。測定結果を整理し、考察を加えることができる。
4週 3.梁の支点反力影響線(1)
 (装置のセットと反力測定)
簡単な装置を使用して梁の反力を測定できることが理解できる。
5週 4.梁の支点反力影響線(2)
 (不静定梁の反力計算)
1次不静定梁の反力計算ができる。
6週 [水理学・衛生工学実験]
1. 層流・乱流及びオリフィスに関する実験
レイノルズ実施権装置による層流・乱流及びオリフィスからの流出流量測定を通じ,その理論を理解できる。
7週 2. 開水路と流量測定に関する実験 ・三角堰による流量測定とJIS公式の妥当性の検討を通じて、理論と実用公式の関係を理解できる。
・流速計によって開水路の流速分布を測定し理論値との比較検討を通じて開水路の理論を理解できる。
8週 3. ジャーテストによる凝集実験 当実験を通じて凝集を支配する因子を説明できる。
2ndQ
9週 4. 河川水質のDOとCOD(BOD)の測定実験 河川水質におけるDOとCODを測定して、河川の流下に伴う水質変化を把握するとともに、その測定手法が理解できる。
10週 [数値実験]
1. 有限要素法による不静定構造物の数値解析
必要な入力データについて説明でき、解析結果の妥当性が理解できる
11週 2. 直交選点法による微生物フロックの数値解析 微生物の働きが数値モデルで表されることが理解でき、計算することができる
12週 3. 不等流計算による水面形
13週 4. 材料強度データーの統計解析 与えられたデーターを処理してそのデーターが妥当かどうかの判断ができる
14週 レポート返却、解説、および追実験(1) 返却されたレポートの不完全部分を理解し修正できる。
15週 レポート返却、解説、および追実験(2) 返却されたレポートの不完全部分を理解し修正できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4前3,前5
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4前6
直角三角せきによる流量の測定(越流水深と流量) について理解し、器具を使って実験できる。4前6
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、その実験ができる。4前7
DO、BODに関する実験について理解し、その実験ができる。4前9
pHに関する実験について理解し、その実験ができる。4前8

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000