応用計測システム

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用計測システム
科目番号 0029 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜資料配付/Elementary linear circuit analysis Leonard S. Borow著 (Chapter3),解析ノイズメカニズム 岡村迪夫著 CQ出版
担当教員 森谷 健二

到達目標

学習到達目標:
・計測システムについて以下の目標を掲げる。
1) システムに混入するノイズについて説明できる(B-2)
2) 微小信号計測システムに使用する増幅器とフィルタの特徴を説明できる(B-2)
3) 任意の研究に関する計測システムを設定し、機材選定の理由を中心に実験設備仕様書を作成して、システムを構成する要素技術についてまとめることができる(B-2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電気的ノイズとその対策ノイズ結合について説明でき,その対策についても説明できる.ノイズ結合について説明でき,具体的な弊害について説明できる.ノイズ結合について説明できない.
応用オペアンプ回路計装用オペアンプの利点や目的について説明でき,出力電圧を導くことができる.計装用オペアンプの利点や目的について説明できる.計装用オペアンプの利点や目的について説明できない.
アクティブフィルタアクティブフィルタを使用する利点や目的について説明でき,それぞれの特性タイプの違いや利点等についてまで説明できる.アクティブフィルタを使用する利点や目的について説明できる.アクティブフィルタを使用する利点や目的について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまで学習してきた電気電子計測に関する知識を実践的に実社会に適用するためには本講義で扱うフィルタリングを含めたノイズ対策,理想回路と現実の違いを理解する必要がある.また,現実の計測システムを想定して,限られた予算の中でどのような理由でどのような機器を必要とするのかを設計する能力も求められるであろう. これまでの電気電子計測に関する知識を実践的に適用できることが到達目標であり,自ら疑問に思い,調べ,設計を試みる開発業務の基礎となることが到達レベルである.講義内容も課題も実践的内容を想定している.
授業の進め方・方法:
本科目は講義内容,課題すべてを電気電子工学における実践力に位置づける.すなわち,実際にはどうなるだろうか?現実にはどうなるだろうか?と言う事を常に念頭に置くことになる.そのためにはこれまでに基礎が重要になるので電気電子工学基礎実験I,IIや電子回路をしっかり学んで欲しい.成績はすべて課題で評価するが,課題の回数も多く,実践的なレベルで難易度も高い.
講義をしっかり復習して自学自習をしっかり行わなければおそらく課題をすべてこなすことはできないと思われるので留意して欲しい.電気回路,電子回路,および電気電子計測を良く復習しておくこと.
◎最後の計測システム構築に関する課題を「その他」として評価する.
◎期末に実施する計測システムの設計・製作課題を「その他」とし、それ以外の課題はすべて「レポート」として評価する.
注意点:
「生産システム工学専攻」学習・教育到達目標の評価:
①課題(各30点の課題の平均)(B-2)(30%)、
②確認試験(100点満点換算)(B-2)(40%)
③実験設備仕様書(100点満点) (B-2)(30%)  より
 総合評価=①+②*0.4+③*0.3 として100点満点で評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(0.5h)
1. 計測とノイズ(7.5h)
二つの独立回路が「結合」してしまう事例について,いくつかの原因とその対策を理解し,説明できる

・日常のノイズの具体例を挙げることができる
2週  ・ノイズが原因と考えられる問題の報告
・調査してきた事例を的確に報告することができる
・どうすれば回避できたかについて、考察できる
3週  ・静電結合
・回路図にないコンデンサによる結合が存在することを説明できる
4週  ・電磁結合 
・回路図にないコイルによる電磁誘導結合が存在することを説明できる
5週  ・インピーダンス結合とさまざまなノイズの実例
・回路図にないインピーダンスによる結合が存在することを説明できる
・ノイズに困った実例を通してその対策を理解できる
6週 2.実用オペアンプ回路
 ・オペアンプ回路の基礎
・オペアンプの理想条件を理解できる
7週 ・ヒステリシス付きコンパレータ
・差動増幅回路

・ヒステリシスつきコンパレータの必要性を説明できる
・差動増幅回路の出力電圧を求めることが出来る
8週 ・計装用オペアンプ

・計装用オペアンプの利点を説明できる
2ndQ
9週 ・シミュレーション課題
・シミュレーションソフトにより,これまで習った回路の動作を確認できる
10週 3.フィルタ回路
 ・アクティブフィルタの基礎
・アクティブフィルタとは何か,説明できる

11週  ・フィルタの特性
 ・LPF,HPF等用途による分類
 ・バタワース,ベッセルなどの特性による分類
・用途に応じて適切な特性を持つフィルタを選択することができる
12週
4.計測システムの構築
研究等で用いる「計測システム」に必要な機材の選定等を限られた予算なの中で行う(自身の特別研究に関係することが望ましいが,その限りではない.機器選定の理由を明確にできることが重要となる)
実際,あるいは架空想定の計測システムに必要な特性を明確にできる
13週 同上
同上
14週 同上 同上
15週 同上
同上
16週
期末試験
試験は実施しない.課題提出とそれに関する口頭試問の時間とする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価レポートポートフォリオその他合計
総合評価割合40006000100
基礎的能力0000000
専門的能力40006000100
分野横断的能力0000000