ワイヤレス伝送工学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ワイヤレス伝送工学
科目番号 0031 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 三瓶政一編著ワイヤレス通信工学(OHM社), 鹿子嶋憲一著電磁波工学(コロナ社)、篠原真毅著ワイヤレス給電技術、電界磁界結合型ワイヤレス給電技術(科学技術出版株式会社)
担当教員 丸山 珠美

到達目標

情報化社会において、LTEやWiFiなどの無線通信は広く使われており、今後の移動通信では5Gの導入が期待されている。これらの無線通信、および伝送はどのような技術が用いられているのか、そして将来無線はどのように用いられていくと予想されるのか。本講義では、社会に出ていく前に高専専攻科の技術者として身に着けてほしいワイヤレス伝送工学に関する理論と知識について学ぶことを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 アンテナ特性複雑なアンテナ特性の計算と設計ができる基本的なアンテナ特性の計算と設計ができるアンテナ特性の計算と設計ができない
評価項目2 伝搬特性複雑な伝搬特性を計算できる基本的な伝搬特性の計算ができる伝搬特性の計算ができない
評価項目3 通信方式回線設計、容量計算、ワイヤレス伝送の計算が自在にできる回線設計、容量計算、ワイヤレス伝送の基礎的な計算ができる回線設計、容量計算、ワイヤレス伝送の計算ができない
評価項目3 ワイヤレス電力伝送ワイヤレス給電に関する、電界結合方式、磁界結合方式、電磁誘導の違いを理解し説明できる。ワイヤレス給電に関する、電界結合方式、磁界結合方式、電磁誘導の違いを理解できる。ワイヤレス給電に関する、電界結合方式、磁界結合方式、電磁誘導の違いを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
スマートフォンなどの無線通信には、アンテナ、伝搬、高周波回路、無線方式、無線制御、無線伝送、変復調と広い範囲にわたる技術が用いられている。本講義では、本来一項目につきそれぞれの専門家が存在するような分野をワイヤレス伝送工学という科目として一つにまとめ概論として講義する。アンテナについては、ベクトル解析を用いたマックスウェル方程式の計算を行う。さらに近年、データだけでなくエネルギーも無線で伝送するワイヤレス電力伝送技術の基本について学ぶ.
この科目は、企業で、ディジタル準マイクロ高速大容量無線方式、3G,無線通信方式、さらにはLTEから5Gまでの無線通信方式、なかでもアンテナの研究開発に携わっていた教員が担当する。
授業の進め方・方法:
幅広い内容を理解するため、スライドを用いた授業を実施する。また、毎回簡単な計算問題を提示し、これを自分で計算することによって、抽象的で目に見えないワイヤレス伝送を具体的に理解できるようにする。
注意点:
無線通信は目でみることができないため、頭の中にイメージを作りながら興味をもって取り組んでほしい。講義では抽象的な内容をわかりやすくするため、例題や計算問題を提示するので、積極的に解いて、内容をつかむこと。
「生産システム工学専攻」学習・教育到達目標の評価:中間試験(B-2)(40%)、期末試験(B-2)(40%)、課題(B-2)(20%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスワイヤレス伝送とは。FDMA,TDMA、CDMA、LTEのしくみについて。広帯域ワイヤレス伝送を理解する 学習の意義、進め方、評価方法の周知。ワイヤレス伝送の概要(FDMA,TDMA、CDMA、LTE)を理解できる。「ワイヤレス通信工学」
2週 ベクトル解析の基礎(発散、回転)
電磁波の放射の基礎理論
ベクトル解析を用いて電磁波の放射の基本式を導く 
「電磁波工学」pp.122~130、pp.149-151
3週 電磁波の放射の基礎理論 ベクトル解析を用いて電磁波の放射の基本式を導く 
「電磁波工学」pp.122~130、pp.149-151
4週 電磁波の放射の基礎理論 ベクトル解析を用いて電磁波の放射の基本式を導く 
「電磁波工学」pp.122~130、pp.149-151
5週 アンテナの遠方界 アンテナの遠方界の式を導出できる。「電磁波工学」pp.130~134
6週 アンテナの利得 アンテナの利得の式を導出できる。「電磁波工学」pp.134~137
7週 アンテナの諸特性 アンテナの諸特性の式を導出できる。「電磁波工学」pp.137~146
8週 中間試験 中間試験問題が解ける
2ndQ
9週 ワイヤレス電力伝送系の基本理論 ワイヤレス電力伝送系の2ポートモデル、入出力同時共益整合、最大効率について理解する。「電界磁界結合型ワイヤレス給電技術」pp.187~195
10週 ワイヤレス電力伝送 電磁誘導方式 電磁誘導方式を用いたワイヤレス給電について理解する。電力伝送効率、Q値とワイヤレス電力伝送の関係を理解する。「ワイヤレス給電技術」pp.29-39
11週 ワイヤレス電力伝送 磁界結合方式 磁界結合方式を用いたワイヤレス給電について理解する、インピーダンス整合、励起コイル、送電用共振コイル、受電用共振コイル、ピックアップコイルについて理解する.「ワイヤレス給電技術」pp.39-49
12週 ワイヤレス電力伝送 アンテナ、マイクロ波応用 アンテナ、マイクロ波応用によるワイヤレス給電にについて理解する。アンテナの損失、利得とビーム効率、近傍界でのワイヤレス給電について理解する。「ワイヤレス給電技術」pp.53-73
13週 ワイヤレス電力伝送 電界結合方式 ワイヤレス電力伝送 電界結合方式 システムと等価回路
「電界磁界結合型ワイヤレス給電技術」pp.155~166
14週 伝搬 短区間変動と長区間変動の違いを説明できる。ドップラー周波数の計算ができる。伝搬損失の計算ができる。「ワイヤレス通信工学」
15週 回線設計と通信容量 回線設計ができる。通信容量計算ができる。「ワイヤレス通信工学」
16週 期末試験 期末試験の問題が解ける

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題質疑応答態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000