ワイヤレス伝送工学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 ワイヤレス伝送工学
科目番号 0060 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 篠原 真毅著 ワイヤレス給電技術 -電磁誘導・共鳴送電からマイクロ波送電まで - (設計技術シリーズ2),三瓶政一 編著 ワイヤレス通信工学(OHM社)
担当教員 丸山 珠美

到達目標

情報化社会において、LTEやWiFiなどの無線通信は広く使われており、今後の移動通信では5Gの導入が期待されている。これらの無線通信、および伝送はどのような技術が用いられているのか、そして将来無線はどのように用いられていくと予想されるのか。本講義では、社会に出ていく前に高専専攻科の技術者として身に着けてほしいワイヤレス伝送工学に関する理論と知識について学ぶことを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 電磁波工学とベクトル解析ワイヤレス給電の理解の基礎となる電磁波工学に必須のベクトル解析を用いて,発散,回転,線積分,面積分の計算ができる.ガウスの発散定理,ストークスの定理の証明を理解し,つかいこなせるワイヤレス給電の理解の基礎となる電磁波工学に必須のベクトル解析を用いて,発散,回転,線積分,面積分の計算ができる.ガウスの発散定理,ストークスの定理を理解し,つかえるワイヤレス給電の理解の基礎となる電磁波工学に必須のベクトル解析を用いて,発散,回転,線積分,面積分の計算ができんない.ガウスの発散定理,ストークスの定理をつかえない
評価項目2 電磁波工学と境界条件マックスウェル方程式から,ガウスの発散定理とストークスの定理を用いて境界条件を導けるマックスウェル方程式から,ガウスの発散定理とストークスの定理を用いて境界条件を導く方法を理解できるマックスウェル方程式から,ガウスの発散定理とストークスの定理を用いて境界条件を導く方法を理解できない
評価項目3 ワイヤレス電力伝送ワイヤレス給電に関する、電界結合方式、磁界結合方式、電磁誘導の違いを理解し説明できる。ワイヤレス給電に関する、電界結合方式、磁界結合方式、電磁誘導の違いを理解できる。ワイヤレス給電に関する、電界結合方式、磁界結合方式、電磁誘導の違いを理解できない。
評価項目4 通信方式移動通信無線方式TDMA,CDMA, FDMAを理解し説明できる.移動通信無線方式TDMA,CDMA, FDMAを理解できる.移動通信無線方式TDMA,CDMA, FDMAを理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
スマートフォンなどの無線通信には、アンテナ、伝搬、高周波回路、無線方式、無線制御、無線伝送、変復調と広い範囲にわたる技術が用いられている。本講義では、本来一項目につきそれぞれの専門家が存在するような分野をワイヤレス伝送工学という科目として一つにまとめ概論として講義する。なお,本授業の内容は公知の情報のみに限定されている.この科目は,企業で,無線通信および移動通信用アンテナの研究開発をしていた教員が,その経験を活かし,電磁波工学,ワイヤレス電力伝送,アンテナ、伝搬、高周波回路、無線方式、無線制御、無線伝送、変復調について講義するものである.
授業の進め方・方法:
幅広い内容を理解するため、スライドを用いた授業を実施する。また、毎回簡単な計算問題を提示し、これを自分で計算することによって、抽象的で目に見えないワイヤレス伝送を具体的に理解できるようにする。生産システム工学専攻の2年生は,本科生のときの,コースも,機械,電気,情報と3種類以上あり,留学生も含まれる.このため,難易度,重点を置く箇所については,本教科を選択した学生の理解度に合わせて調整する.
注意点:
無線通信は目でみることができないため、頭の中にイメージを作りながら興味をもって取り組んでほしい。講義では抽象的な内容をわかりやすくするため、例題や計算問題を提示するので、積極的に解いて、内容をつかむこと。
「生産システム工学専攻」学習・教育到達目標の評価:中間試験(B-2)(40%)、期末試験(B-2)(40%)、課題(B-2)(20%)
本科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。
自学自習の成果は レポートと定期試験 によって評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ワイヤレス伝送とは
学習の意義、進め方、評価方法の周知
ワイヤレス伝送の概要を理解できる。
2週 ベクトル解析の基礎 
内積,外積,発散,回転,勾配の計算方法
ベクトル解析の基礎 
内積,外積,発散,回転,勾配の計算ができる
3週 ベクトル解析の電磁波工学への応用 
内積,外積,発散,回転,勾配を使った,電磁波工学の計算
ベクトル解析の電磁波工学への応用 
内積,外積,発散,回転,勾配を使った,電磁波工学の計算ができる
4週 ベクトル解析の電磁波工学への応用 
線積分と面積分
ベクトル解析を電磁波工学へ応用し線積分と面積分ができる。
5週 ベクトル解析の電磁波工学への応用 
ガウスの発散定理とストークスの定理
ベクトル解析を電磁波工学へ応用し 
ガウスの発散定理とストークスの定理を理解し計算できる
6週 マックスウェル方程式からストークスの定理を用いて境界条件を導出する マックスウェル方程式からストークスの定理を用いて境界条件を導出する.線積分をつかいこなせる
7週 マックスウェル方程式からガウスの発散定理を用いて境界条件を導出する マックスウェル方程式からガウスの発散定理を用いて境界条件を導出する.面積分をつかいこなせる
8週 中間試験 中間試験問題が解ける
2ndQ
9週 マックスウェル方程式から波動方程式を導く マックスウェル方程式から波動方程式を導ける
10週 波動方程式の解を求められる 波動方程式の解を求められる
11週 ワイヤレス電力伝送技術 磁界結合と電界結合 ワイヤレス電力伝送技術 磁界結合と電界結合について理解する.
12週 ワイヤレス電力伝送技術 マイクロ波応用 ワイヤレス電力伝送技術 マイクロ波応用について理解する
13週 散乱行列,インピーダンス,ワイヤレス電力伝送効率 散乱行列,インピーダンス,ワイヤレス電力伝送効率の計算ができる
14週 無線通信方式 TDMA,CDMA,FDMA 無線通信方式 TDMA,CDMA,FDMAについて理解する
15週 無線伝搬 瞬時変動,短区間変動,長区間変動,マルチパス 無線伝搬 瞬時変動,短区間変動,長区間変動,マルチパスについて理解する
16週 期末試験 期末試験が解ける

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題質疑応答態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000