物質環境工学特別研究Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物質環境工学特別研究Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 物質環境工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 小原 寿幸,小林 淳哉,伊藤 穂高,宇月原 貴光,松永 智子,清野 晃之,寺門 修,藤本 寿々,水野 章敏,阿部 勝正

到達目標

 指導教員の指導のもとで高度な研究を行うことによって、専門的な知識を深め、創造力や問題解決能力を修得する。さらに、特別研究Ⅰ、Ⅱを通して指導教員との議論に加え、学内外での発表会で他者と討論し、研究成果を論文にまとめる。以下に具体的な目標を記す。
①自ら仕事を計画して継続的に実行し、まとめまとめ上げることができる(A-1)。
②専門分野(材料・物性、バイオ・環境、農学など)の基礎知識を持っている(B-2)。
③情報の収集や整理などに、コンピューターなどの情報技術を用いることができる(C-1)。
④データの分析や解析、グラフ化などにコンピューターを活用することができる(C-2)。
⑤技術的課題について自分の考えをまとめ、他者と討論できる(E-1)。
⑥技術的成果を正確な日本語を用いて論理的な文書にまとめることができる(E-2)。
⑦技術的成果を的確にプレゼンテーションすることができる(E-3)。
⑧問題解決のために複数の解決手法を考案し、その中から最適な解決策を提案できる(F-2)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1成果を的確にまとめ、論理的な考察や討論ができる。成果をまとめ、基本的な討論ができる。左記に達していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 A-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 C-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 C-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-3 説明 閉じる
学習・教育到達目標 F-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本科卒業までに修得した知識や技術を基礎として、研究課題を指導教員とともに計画し、自分自身の力で継続的に創意工夫を行いながら実行する。その過程で、専門分野の基礎技術を身につけてゆく。さらに、得られたデータについて情報技術を用いて整理したり、他者との討論から問題に際しての解決策を考える。また、その成果を正確な日本語を用いて論理的な文書にまとめ、特別研究Ⅰ発表会で的確にプレゼンテーションすることを目標とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
 特別研究は2年間で一つのテーマに取り組むことになる。長期間にわたるので、しっかりとした計画のもとに、指導教員とは密接にコンタクトをとり、自発的・積極的に行動することが必要である。所属、研究テーマは専門性を深めたい研究分野の教員と相談のうえ決定すること。
評価方法: 継続的な研究活動: 50%(A-1(40%),E-1(20%),F-2(40%))
         発表会        : 50%(B-2(20%),C-1(10%),C-2(10%),E-1(20%),E-2(10%),E-3(30%))

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 担当:小原 寿幸
微生物バイオテクノロジーによる水産系未利用資源の資源化に関する研究
 ホタテガイの食品加工時に派生する様々な非可食組織は、現在、水産系未利用資源として扱われており、その資源化・有効利用は北海道の水産業界において最重要課題である。これらタンパク質系の未利用資源から微生物や酵素を用いて、エキス性の物質の製造を目的とした水産系未利用資源の可溶化技術を開発することを目的とする。
2週 担当:松永智子
機能性生体分子に関する研究
生物がつくる機能性有機分子は多岐にわたり、その活性と構造の新規性から生命科学の発展に貢献してきた。本研究では、これらに続く新規生理活性物質を見出すことを目的に、バイオアッセイの開発、あるいは各種生物からの未知化合物の分離・精製・構造解析を行う。また、有機化学、生化学、分子生物学などの手法を用いて、得られた化合物とそれを含有する生物との関わりについても明らかにしていく。
3週 担当:伊藤穂高
機能性高分子材料の合成と特性評価
有機材料を構成する分子の機能特性を極限まで追及して、生活・資源・環境など、いわゆる先端産業分野のニーズに応える高度な機能・性能を有する新しい機能性有機材料の合成および評価を行なう。
4週 担当: 寺門修
リサイクル環境工学に関する研究
現在,品位の高い資源は次々と採掘されており,リサイクル容易な廃棄物についても,様々な再生利用がされている。今後は,リサイクル困難な廃棄物からの資源回収が重要になると考えられる.当研究室では化学工学,プロセス工学,材料工学などの手法により,レアメタルやプラスチックなどのリサイクル環境工学に関する研究を行う.
5週 担当:水野章敏
高融点機能性物質の創製と評価に関する研究
1500℃以上の高融点合金や高融点酸化物を主な対象とし,バルクアモルファスや高温半導体の新たな創製法の開発を目指す.特に,無容器浮遊法と呼ばれる手法を用いた研究を中心として進め,高温過冷却液体の凝固過程や凝固物質について,放射光実験などにより微視的構造の観点から評価を行う.
6週 担当:清野晃之
ニラの冷蔵保存による鮮度の評価について
最近,ニラの冷凍保存研究において,ニラ中のメチイン・アリインやにおい成分に変換する酵素活性を分析することで,細胞のダメージ度を間接的に評価できることを見出した。そこで,本研究ではニラの冷蔵保存による鮮度評価に本技術を適用し,各種保存方法による細胞のダメージ度を評価することを目的としている。
7週 担当:藤本寿々
水産生物の高付加価値化に向けた研究
函館の基幹産業である水産業活性化のため,1)バイオテクノロジーを用いて作出した新規サケ科品種の栄養学的分析と遺伝子資源保存技術の確立,2)生物学的・生化学的方法による水産系廃棄物や未利用資源の有効資源化に向けた利用法の開発など,水産生物の高付加価値化を目指した研究を行う。
8週 担当:宇月原貴光
グリーンケミストリーを指向した有機合成手法
環境に優しい触媒として生体触媒を用いた物質変換や、金属触媒や有機溶媒を使用しない有機合成法など、環境に配慮した新たな物質変換について検討を行う。
2ndQ
9週 担当:小林淳哉
無機機能性材料の調製および埋蔵文化財の新規化学分析法に関する研究
持続可能な循環型社会を築く上で重要なリサイクル技術・環境浄化技術に関連して、リサイクル材料開発、環境関連触媒開発を行う。また、埋蔵文化財に関する化学分析手法を開発する。
10週 担当:阿部勝正
微生物及び酵素を用いた物質変換に関する研究
微生物や酵素を用いた物質変換は常温、常圧でも行うことが可能なものが多く、一般的に"eco-friendly"とされている。本研究ではこれら微生物や酵素を用いた環境汚染物質の分解や、有用物質の生産について検討を行うとともに、それらが食品の味や性質に与える影響についても解析する。
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

継続的な研究活動発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力2525000050
専門的能力2525000050
分野横断的能力0000000
0000000