金属材料工学特講

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 金属材料工学特講
科目番号 0014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質環境工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント(英文資料および問題)
担当教員 水野 章敏

到達目標

1.金属の一般的性質,金属材料の強化方法を説明できる.
2.一般的な2成分合金系の平衡状態図とFe-C系の平衡状態図について説明できる.
3.鋼の熱処理による組織の変化に加え、合金材料や複合材料について各実用材料の特徴を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1一般的性質が自由電子にまた強化策が欠陥や転位に関連することを説明できる.金属の一般的性質や強化策を説明できる.左記に達していない.
評価項目2一般的に2成分合金系の状態図の見方を理解でき,Fe-C系平衡状態図の組織を説明できる.2成分系合金系平衡状態図の見方を理解できる左記に達していない.
評価項目3鋼の熱処理およびその効果,実用材料の種類およびその特徴ついて説明できる.熱処理の幾つか,実用材料の幾つかについて説明できる.左記に達していない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
金属材料の一般的な特性,合金の平衡状態図の見方など基礎的な知識を修得するとともに,特に鉄鋼材料について実際に材料を選定し,応用できる基礎的知識を学ぶ.
授業の進め方・方法:
・理論のみにとらわれず,材料の製法,利用面等,実際面の知識の養成に留意する.
・講義は英文資料の輪講とし,毎時間指定された箇所の要約を発表する形式とする.
・英文テキストの読解において専門用語が数多く出てくるため,本科で既習の内容については丹念に復習すること.
注意点:
本科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。
自学自習の成果は課題によって評価する。
「物質環境工学専攻」学習・教育到達目標の評価: 期末試験(B-2) (100%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
金属材料に関する一般的性質
金属材料の一般的性質について説明できる.
2週 金属結合
金属結合,イオン結合,共有結合,分子間力について違いを説明できる.
3週 金属と合金の構造
金属および合金の基本的な結晶構造等について説明できる.
4週 結晶構造におけるミラー指数と格子定数
金属の結晶構造についてミラー指数や格子定数を用いて表現できる.
5週 格子欠陥 線欠陥や転位などの結晶における格子欠陥について説明できる.
6週 結晶と非晶質 結晶,非晶質,ガラス,液体の構造の特徴のちがいを説明できる.
7週 結晶の構造解析 X線回折のデータから格子定数を決定することができる.
8週 非晶質の構造解析 動径分布関数と非晶質構造の関係を説明できる.
4thQ
9週 金属材料に関連した熱力学(ギブスの相律) ギブスの相律を化学ポテンシャルを用いて説明できる.
10週 金属材料に関連した熱力学(相平衡) 相平衡を化学ポテンシャルを用いて説明できる.
11週 合金の平衡状態図
平衡状態図をとおして金属および合金の変態を説明できる.
12週 鉄と炭素の合金状態図と組織 Fe-C系の合金状態図から各相変態および組織を読み取ることができる.
13週 基本的な熱処理工程(焼なまし,焼ならし,焼入れ,焼戻し)
基本的な熱処理工程の目的と方法を説明できる.

14週 エリンガム図 金属の酸化反応における標準Gibbs自由エネルギーの温度依存性について説明できる.
15週 表面エネルギー
金属液体の表面エネルギーおよび表面張力について説明できる.
16週 期末試験
金属材料に関する基礎および応用問題に回答できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。5
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。5
金属結合の形成について理解できる。5
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。5
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。5
物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。5
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。5
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。5
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。5
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。5
エンタルピーの温度依存性を計算できる。5

評価割合

試験課題発表態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力5010000060
専門的能力2010000030
分野横断的能力100000010