到達目標
① マスコンクリートの温度応力発生のメカニズムについて説明し計算することができる.
② コンクリート構造物の劣化原因,劣化のメカニズムについて説明できる.
③ コンクリート構造物の維持管理を理解するうえで必要な専門知識を有する.
④ コンクリートの高性能化のメカニズムについて説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標① | マスコンクリートの温度応力発生のメカニズムを説明でき,一軸モデルを用いてクリープを考慮した温度応力解析ができる. | マスコンクリートの温度応力に関する知識を有する. | マスコンクリートの温度応力に関する知識を持たない. |
到達目標② | 塩害,中性化,アルカリ骨材反応,凍害など,コンクリート構造物の劣化メカニズムを説明できる. | コンクリート構造物の劣化メカニズムに関する一般的な知識を有する. | コンクリート構造物の劣化メカニズムに関する知識を持たない. |
到達目標③ | コンクリート構造物の劣化診断,劣化予測に関して理解し,補修・補強方法について説明できる. | コンクリート構造物の維持管理に関する一般的な知識を有する. | コンクリート構造物の維持管理に関する知識を持たない. |
到達目標④ | コンクリートの構成要素の特徴について理解し,高性能化のコンセプトについて説明できる. | コンリートの高性能化の手法についての知識を有する. | コンリートの構成要素,高性能化のについての知識を持たない. |
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学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達目標 (B-2)
説明
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JABEE学習・教育到達目標 (B-2)
説明
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教育方法等
概要:
近年,強度・耐久性診断,補修・補強などの新たな技術によって,社会資本である既存の構造物を維持していくことが大きなテーマとなっている.またコンクリートおよびコンクリート構造物の高性能化,高機能化,高耐久化をねらって,さまざまな技術開発の試みがなされている.このような社会的要請に鑑みながらコンクリート工学特論の授業では,これら維持管理あるいは新技術に関する基礎知識を体系的に習得し,応用能力を身に付ける.
授業の進め方・方法:
授業の進め方:
・授業は基本的に講義形式,一部を演習形式で行う.
・中間試験,期末試験を実施する.
学習上の留意点:
授業の内容は広範囲かつ多岐にわたるので,テーマごとに要点を整理し取りまとめておくこと.また,テーマに応じた演習を実施するので,これらに対して精力的に取り組み,定められた期限までにレポートを提出しなければならない.試験は主として記述形式で出題するので,授業で学んだ事項に自己の知見・見解を加えて論ずることができるようにしておくとよい.
注意点:
「社会基盤工学専攻」学習・教育到達目標の評価:
中テスト(B-2)(50%)
期末試験(B-2)(50%)
評価方法:中テストと期末試験の平均点を100%として評価する.
自学自習は中テストと期末試験により評価する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス・コンクリート技術の現状 |
ガイダンスおよびコンクリート工学の分野が置かれている現状,および将来の展望について把握する.
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2週 |
コンクリートに発生するひび割れ
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コンクリート構造物に発生するひび割れに関する知識を習得し,実構造物におけるひび割れ発生要因を推理できる.
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3週 |
マスコンクリートの温度ひび割れ制御
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マスコンクリート構造物における温度応力の発生メカニズムを理解し,ひび割れ制御技術について論ずることができる.
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4週 |
コンクリートの診断技術
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コンクリート構造物の耐久性診断法の基礎と応用について,基本的な知識を習得し,それらの概要を説明できる.
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5週 |
コンクリート構造物の補修・補強
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耐震補強に代表されるコンクリート構造物の補強,耐久性維持のためのリハビリテーションの実際を理解し,概要を説明できる.
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6週 |
コンクリート構造物の維持管理に関する演習1 |
コンクリート構造物の維持管理に関する演習を行い,基礎知識を踏まえた応用能力を養う。
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7週 |
コンクリート構造物の維持管理に関する演習2 |
コンクリート構造物の維持管理に関する演習を行い,基礎知識を踏まえた応用能力を養う。
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8週 |
中テスト |
1週から7週の内容の理解度,達成度を試験によって確認する.
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4thQ |
9週 |
中テスト返却 |
中テストを返却し,内容について確認する.
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10週 |
高性能化のメカニズムと混和材料 |
コンクリートの高性能化の考え方とそのメカニズム,混和材料の種類とそれらの働きを説明することができる.
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11週 |
コンクリートの高強度化 |
高強度コンクリートの使用材料の選定,および配合設計のコンセプトを理解し説明することができる.
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12週 |
コンクリートの高耐久化-1 |
コンクリートの塩害,中性化のメカニズムを理解し,これらに関わる高耐久化の手法について説明することができる.
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13週 |
コンクリートの高耐久化-2 |
コンクリートの透気性,アルカリ骨材反応のメカニズムを理解し,これらに関わる高耐久化の手法について説明できる.
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14週 |
コンクリートの高性能化に関する演習1 |
コンクリートの高性能化に関する演習を行い,基礎知識を踏まえた応用能力を養う。
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15週 |
コンクリートの高性能化に関する演習2 |
コンクリートの高性能化に関する演習を行い,基礎知識を踏まえた応用能力を養う。
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16週 |
期末試験返却 |
9週から15週の内容の理解度,達成度を試験によって確認する.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | 混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。 | 5 | |
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。 | 5 | |
非破壊試験の基礎を説明できる。 | 5 | |
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。 | 5 | |
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。 | 5 | |
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。 | 5 | |
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。 | 5 | |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 20 |
専門的能力 | 80 | 80 |