グローバル・ケーススタディ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 グローバル・ケーススタディ
科目番号 0026 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 社会基盤工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ハワード・ガードナー,ミハイ・チクセントミハイ.ウィリアム・デイモン著『グッドワークとフロー体験 最高の仕事で社会に貢献する方法』世界思想社
担当教員 下郡 啓夫

到達目標

1996年に心理学者のウィリアム・デーモン、ハワード・ガードナー、故ミハイ・チクセントミハイによって設立されたグッド・プロジェクトは,20年にわたる質的調査から,グッド・ワークの意味,効果的なコラボレーション,デジタル・シチズンシップ,市民参加などのトピックに重点を置いた実践的な教材開発を行ってきた。本講座では,その教材を用いながら,若者がグローバルな視点で他者・社会・環境との相互関係を捉え,そこから新たな価値社会を創造できる,グローバル・シチズンシップ育成を目標とする(D-1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1イノベーションの概念を理解し、多国間にまたがる課題解決方法を提案できる。イノベーションの概念から、多国間で起こっている問題を理解することができるイノベーションの概念から、多国間で起こっている課題を理解できない。
評価項目2GoodWorkとその構成概念の3Esを理解し,自身の生き方にフィードバックできる。GoodWorkとその構成概念の3Esを理解することができる。GoodWorkとその構成概念の3Esを理解できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (D-1) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (D-1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では、非連続的で画期的な革新と連続的で斬新的な改善が組み合わさることで、社会に新たな価値をもたらす革新,すなわちイノベーションの概念とその実現過程を理解する。
後半では、社会全体の広い範囲に便益をもたらすような優れた質を備えた仕事、すなわちGoodWorkとそれを構成する3Es(Excellent,Ethics,Engagement)を理解する。
この講義全体を通して,各個人の幸福感やQOLと,社会全体の持続性の担保の両立をどう図るか,といったWell-beingと自身の仕事との関係を考える契機とする。
授業の進め方・方法:
本講義では、グループに分けて、その集団内の互恵的な相互依存関係を基に、協同的な学習活動を生起させていくことを基本とする。
注意点:
本講義ではコミュニティへ意見を述べたり、解決策の創造と実践を促すために関係者の要求を受け入れたりします。また、自分の専門性を生かした環境や状況において最もうまく機能するテクニックを選ぶことも学びます。そのため自らの自主性とともに、いかに協働して行うのか、他者理解などしっかりと意識しながら学習してください。
「全専攻」学習・教育到達目標の評価:
 中試験        :30%(D-1:100%)
 期末試験       :30%(D-1:100%)
 コミュニケーション活動:20%(D-1:100%)
 ポートフォリオ    :20%(D-1:100%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 本講座に関するガイダンス
イノベーションの歴史について
・学習の意義、進め方、評価方法を理解する。
・イノベーションが生まれ,それが社会経済に変革をもたらしてきた歴史を振り返る。
・産業革命以降から現在までの歴史をたどり,われわれの経済社会が今日のような姿にいたる過程でイノベーションがいかに大きな役割を担ってきたのかを確認し,イノベーションの基本的な有様を概観することができる。
2週 イノベーションが企業に与える影響について ・イノベーションが企業の盛衰にどのような影響を及ぼし得るのかを整理することができる
・イノベーションに端を発する企業の市場地位のもたらす背後のメカニズムを検討することができる。
3週 産業とイノベーションについて ・産業レベルの諸要因がイノベーションの創出にどのような影響を与えているのかを検討することができる。
・産業ごとに研究開発の水準が異なることを示し,イノベーションの源泉を理解するための基本的概念を説明することができる。
・イノベーションに影響する産業レベルの要因を整理することができる
4週 イノベーションの測定方法 ・イノベーションの成果を把握する方法を理解することができる
・(イノベーションの多様性ゆえ,測定方法を一義的に決めることができないが)いくつかのイノベーションの測定方法を整理することができる
5週 多重知能理論と個性について ・Haword Gardnerの提唱する多重知能理論について理解し、自己特性を認識できる
6週 組織エンゲージメントについて ・組織エンゲージメントの概念およびその構成要素について理解することができる
7週 個と場の共創的Well-beingについて ・次期教育振興基本計画で提唱されている「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」について、その骨格となる個と場の共創的Well-beingの概念について理解することができる
8週 中テスト
4thQ
9週 The Good ProjectのLesson Planについて ・The Good ProjectのLesson Planの目的を理解し,思考ルーチンを通して自己を省察する基本的方法を実践することができる。
10週 GoodWorkerについて ・Good Workerだと考える人物を想起,その人物について話し合い,その人物の資質に共通の特徴がないかを探しながら,Good Workerについての自身の考えを深めることができる。
11週 3Esについて ・Good Workのフレームワークの3つの要素3Es(Excellent, Ethics, ・Engagement)について,グループで定義することができる。
12週 GoodWorkを構成する価値について ・GoodWorkを構成する価値観を検討の上,自身にとって最も重要な価値観を特定し,明確に示すことができる。
13週 地域におけるGoodWorkの3Esについて ・学校や地域社会が,3Esについてどのように定義しているかを理解する。
・地域社会の定義や価値観を自分自身の価値観と関連付け、それを評価することができる。
14週 プレゼンテーション(イノベーションとGoodWorkについて)① ・新たな価値と革新を起こすこととその中で起こるジレンマ,障害などを考えながら,自身の考えるGoodWorkをどのように実現していけるのか,考えることができる
15週 プレゼンテーション(イノベーションとGoodWorkについて)② ・新たな価値と革新を起こすこととその中で起こるジレンマ,障害などを考えながら,自身の考えるGoodWorkをどのように実現していけるのか,全体にプレゼンすることができる
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中テスト期末試験コミュニケーション活動ポートフォリオ合計
総合評価割合30302020100
基礎的能力15150030
専門的能力15150030
分野横断的能力00202040