海岸波動論

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 海岸波動論
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 社会基盤工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 海岸工学 平山 秀夫 共著 コロナ社
担当教員 宮武 誠

到達目標

1.海岸工学に用いる流体力学の基礎的理論が説明できる.
2.微小振幅波理論が説明できる.
3.海岸波動論及びその解析に必要な数値流体力学を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1海岸工学に用いる流体力学の基礎的理論が説明できる.海岸工学に用いる流体力学の基礎的理論が理解できる.海岸工学に用いる流体力学の基礎的理論が説明できない.
評価項目2微小振幅波理論が説明できる.微小振幅波理論が理解できる.微小振幅波理論が理解できない.
評価項目3海岸波動論及びその解析に必要な数値流体力学を説明できる.海岸波動論及びその解析に必要な数値流体力学を理解できる.海岸波動論及びその解析に必要な数値流体力学を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
海岸・海洋工学ならびに港工学に不可欠な波動の水理及びそれに関連する流体力学の基礎理論を習得する.具体的に海の波の理論の誘導過程や適用範囲について理解し,それらの理論を実際の問題に応用できる力を身につける.また,現在の波動理論の課題について理解するとともに,今後の展開に対応できる素養を身につける.
授業の進め方・方法:
講義は主に配布するプリント及びスライドにより行うが,口頭で説明したことも十分注意してノートにとること.また,やや難しい数式の展開を行うので,事前に偏微分や重責分,ベクトル解析,内外積,複素数論などの数学の基礎知識を十分に復習しておくことが望ましい.加えて,課題ではフォートランプログラムによる数値解析を行うので,フォートラン言語も必須である.
注意点:
中試験(40%),期末試験 (40%),課題 (20%)で評価する.
但し,再試験は普段の当該科目に対する学習意欲や授業態度を総合的に判断し,教員が必要と認めた場合に実施するものとし,100点満点の上限を60点として各期の試験を評価する.また,レポートは計2~3回程度予定しているが,すべて提出され,完全解答の場合を満点とし,一つでも未提出の場合,評価を零点とするので注意が必要である.
「社会基盤工学専攻」学習・教育到達目標:
中試験(B-2)(40%),期末試験(B-2)(40%),レポート(B-2)(20%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ガイダンス・海岸波動論の概要
(1) ガイダンス
(2) 海岸波動論の概要
講義の意義付け,進め方や評価方法を理解する.
海の波を理論的に取り扱う波動論の概要が理解できる.
2週 2.流体力学の基本
(1) 流体粒子の運動
(2) 渦度と循環
流体粒子の追跡法,流体素分の変形・回転が理解できる.
渦度と循環の違いが理解できる.
3週 (3) 速度ポテンシャルと流れ関数
(4) 粘性流体
複素数論から速度ポテンシャルと流れ関数が計算できる.
Navier-Stokes方程式を運用できる.
4週 (4)乱流理論(1) 乱流理論及び乱流モデルを理解し,説明できる.
5週 (4)乱流理論(2) 乱流理論及び乱流モデルを理解し,説明できる.
6週 2.微小振幅波理論
(1) 基本方程式の誘導
基本方程式であるLaplace方程式が誘導できる.
7週 (2) 速度ポテンシャルと分散関係式
境界条件のもとLaplace方程式の厳密解を誘導できる.
8週 (3) 波速,圧力,水粒子速度及び軌道
3.有限振幅波理論の概要
(1) Stokes波
厳密解を他の物理量へ応用できる.
Stokes波の概要が理解できる.
2ndQ
9週 (2) Cnoid波
(3) 孤立波と段波
Cnoid波の概要が理解できる.
孤立波や段波の概要が理解できる.
10週 中試験
流体力学,微小振幅波理論,有限振幅波理論を説明できる.
11週 試験答案の返却と解答
4.海岸波動方程式
(1) 浅水分散長波モデル
試験問題を通じて間違った箇所を理解できる.
各種の海岸波動モデルに対する仮定条件を理解するとともに,適用範囲を理解できる.
12週 (1) 浅水分散長波モデル
(2) 非定常緩勾配モデル
各種の海岸波動モデルに対する仮定条件を理解するとともに,適用範囲を理解できる.
13週 5.数値流体力学
(1) 差分法の原理
(2) 色々な差分スキーム
差分法による基本的な計算手法から風上差分などの応用した差分スキームを理解し,実際に海岸波動の解析プログラムを利用して計算領域や境界条件を設定して計算できる.
14週 (3) 解析プログラムによる計算演習 (2) 色々な差分スキーム
(3) 解析プログラムによる計算演習
15週 (3) 解析プログラムによる計算演習 (2) 色々な差分スキーム
(3) 解析プログラムによる計算演習
16週 期末試験 種々の波動方程式及び差分法を説明できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理津波と高潮の特徴を説明できる。5
波の基本的性質を説明できる。5

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100