寒冷地防災地質学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 寒冷地防災地質学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 社会基盤工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 小玉 齊明

到達目標

1. 地球の活動が地表にもたらす地殻変動と地形の形成について説明できる。
2. 地質の成因ごとの特徴を理解し、それぞれにみられる風化の特徴を説明できる。
3. 斜面災害の実例を通じて、諸現象の原因を理解し、対策方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1地殻変動等による地形形成の機構を理解し、これらを説明できる。地殻変動等によってどのような地形が形成されるかを知っている。地殻変動に関する知識が無く、地形との関連も理解できない。
評価項目2地層にどのようなものがあるかを理解し、それぞれがどのように風化するかを知っている。地層や風化現象にどのようなものがあるかを知っている。地層や風化に関する知識がない。
評価項目3諸々の斜面災害の原因を理解し、対策方法を説明できる。斜面災害の要因や対策方法を大まかに知っている。斜面災害の原因や対策方法が分からない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
地盤災害を理解しその対策方法を考えるためには、土質工学・地盤工学に加えて、岩盤工学や地質学の知識が必要となる。ここでは斜面災害を主なテーマとして、地盤の性状に大きく影響する地質や地形に関する基礎知識、これまでに受けた地殻変動(地震や火山による地盤の変形・破壊)の履歴を知る方法、力学的あるいは化学的風化に伴う地盤の劣化などについて学ぶ。この教科では、これらを主とする自然科学の基礎知識を修得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
本科で学習した地球科学、土質工学・地盤工学の知識に加え、新たに学習する地質学の知識を交えて、斜面災害などの地盤災害の原因や防止策を学ぶ。与えられた式を使った計算だけではなく、プレートテクトニクス理論に基づいた地球の活動、特に地表付近における地殻変動の履歴など地形や地質の影響を理解することが必要となる。そのために身近な都市域のみならず、山間部の地形・地質にも興味を向け、過去の災害事例等を通じて理解を深める必要がある。
注意点:
「社会基盤工学専攻」学習・教育到達目標の評価:
中試験(B-2) (40%),期末試験(B-2) (40%),課題(B-2) (20%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
自然災害のあらまし
地盤災害の種類と特徴
学習到達目標、留意点、評価方法等を理解できる。
自然災害の概要と地盤災害の種類が理解できる。
2週 土と岩石の性状 様々な地盤材料の特徴を理解できる。
3週 土と岩石の物理的性質 地盤材料の物理的性質を評価する方法が理解できる。
4週 土と岩石の力学的性質 地盤材料の力学的特徴を理解する。
岩石の力学試験、岩盤評価の方法を理解できる。
5週 風化Ⅰ 風化による粘土鉱物の生成過程を理解できる。
6週 風化Ⅱ 物理的風化と化学的風化の種類を理解できる。
断層・褶曲・不整合などの地質構造と、その影響を受けた地形の成り立ちを理解できる。
7週 地殻変動と地形 地殻変動の形態を知り、これに伴う地形の変化を理解する。
災害に関連する地質構造について理解する。
8週 中試験
2ndQ
9週 答案返却
日本列島の形成
間違った問題の正答を求めることができる。
地殻の成長と日本列島の形成過程を理解する。
日本列島を構成する基盤岩および北海道の地質構造について理解する。
10週 地質Ⅰ 地質調査の方法と結果の解釈について理解できる。
11週 地質Ⅰ 地質調査の方法と結果の解釈について理解できる。
岩盤評価と設計の関係を理解する。
12週 地質Ⅱ 正常堆積物からなる地層の特徴を理解できる。
13週 地質Ⅱ 火山岩類の性状とその特徴を理解できる。
14週 地質Ⅱ 深成岩・変成岩・付加体堆積物の性状とその特徴を理解できる。
15週 斜面災害 様々な斜面災害のメカニズムと特徴を理解できる。過去の災害事例を通じて、同様の事例に対する対策方法を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。4
マグマの生成と火山活動を説明できる。4
地震の発生と断層運動について説明できる。4
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。4
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。4
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。4
ダルシーの法則を説明できる。4
透水係数と透水試験について、説明できる。4
透水力による浸透破壊現象を説明できる。4
土のせん断試験を説明できる。4
土のせん断特性を説明できる。4
土の破壊規準を説明できる。4
地盤内応力を説明できる。4
地盤調査の分類と内容について、説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050