機械材料学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械材料学Ⅰ
科目番号 0006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(機械系共通科目) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:(社)日本機械学会編「JSMEテキストシリーズ 機械材料学」丸善 / 教材:自作資料
担当教員 高澤 幸治

到達目標

1. 金属の原子間結合,結晶構造,結晶欠陥,顕微鏡組織について説明できる.
2. 結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について説明できる.
3. 状態図を用いて組織について説明できる.
4. 鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属の原子間結合,結晶構造,結晶欠陥,顕微鏡組織について説明できる.金属の原子間結合,結晶構造,結晶欠陥,顕微鏡組織について基礎的な部分の説明ができる.金属の原子間結合,結晶構造,結晶欠陥,顕微鏡組織について説明ができない.
評価項目2結晶の弾性変形,結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について説明できる.結晶の弾性変形,結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について基礎的な部分の説明ができる.結晶の弾性変形,結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について説明ができない.
評価項目3状態図を用いて組織について説明できる.状態図を用いて組織について基本的な部分の説明ができる.状態図を用いた組織についての説明ができない.
評価項目4鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について説明できる.鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について基礎的な部分の説明ができる.鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
実体のあるものを扱う技術者として正しい材料選択ができるように,代表的な機械材料である鋼およびアルミニウム合金において,組成,熱処理,顕微鏡組織および機械的性質がどのように関連しているのか,ということについて講義形式で授業を行う.
授業の進め方・方法:
授業は教科書および自作資料の解説を中心に進め,適宜演習を行う.
30時間の授業の他に,各自e-learning(WebClass)による小テストを行うこと.
注意点:
成績評価の割合は,定期試験60%,小テスト40%である.
成績が60点未満の学生に対しては,取組状況等を総合的に判断して再試験を実施する場合がある.この場合,再試験の点数で定期試験の点数を置換して再評価を行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ①材料の分類
②原子の構造と結合
①材料の分類,性質,用途を説明できる.
②原子の構造,原子間の結合力・結合様式を説明できる.
2週 ①金属の結晶構造
②結晶構造の指数表示
①金属結晶における原子の配置を説明できる.
②ミラー指数から結晶面・方位を図示できる.図示された結晶面・方位からミラー指数を求めることが出来る.
3週 ①金属の結晶組織
②金属組織の観察法
①固溶体,化合物,結晶の格子欠陥を説明できる.
②顕微鏡観察法を説明できる.
4週 ①弾性変形
②塑性変形
①結晶の弾性変形の仕組みを説明できる.臨界せん断応力を説明できる.
②結晶の塑性変形が転位の運動によって生じることを説明できる.すべり系を説明できる.転位の増殖機構を説明できる.
5週 ①引張試験
②硬さ試験
①引張試験の方法と応力-ひずみ線図を説明できる.
②硬さ試験の原理を説明できる.
6週 金属の強化機構 パイエルス力,固溶強化,析出強化・分散強化,結晶粒微細強化,ひずみ硬化を説明できる.
7週 ①鉄鋼素材の製造法
②アルミニウム素材の製造法
①高炉,転炉,連続鋳造を説明できる.
②電解精錬法を説明できる.
8週 ①相律,冷却曲線
②二元合金状態図の基礎(全率固溶型)
①自由度を計算できる.
②状態図の基本的事項を説明できる.てこの原理を説明できる.
2ndQ
9週 ①拡散
②二元合金状態図の基礎(共晶型)
①拡散の基本的な機構を説明できる.
②任意の温度・組成において存在する相,各相の組成,各相の割合を求めることが出来る.共晶を含む組織の変化を説明できる.
10週 Al-Si系,Al-Cu系状態図 任意の温度・組成において存在する相,各相の組成,各相の割合を求めることが出来る.共晶を含む組織の変化を説明できる.
11週 アルミニウム合金の溶体化処理・時効 各熱処理で形成される組織と機械的性質とを関連付けて説明できる.
12週 Fe-C系状態図 任意の温度・組成における,存在する相,各相の組成,各相の割合を求めることが出来る.共晶,共析,包晶等を含む組織の変化を説明できる.
13週 鋼の連続冷却変態,恒温変態 連続冷却変態および恒温変態における組織の変化,機械的性質を関連付けて説明できる.
14週 鋼の焼入れ・焼戻し,焼きなまし,焼きならし 各熱処理で形成される組織と機械的性質とを関連付けて説明できる.
15週 鉄鋼およびアルミニウム合金の材料規格 材料規格と用途,組成,機械的性質等とを関連付けて説明できる.
16週 定期試験

評価割合

定期試験達成度確認試験小テスト合計
総合評価割合60040100
基礎的能力3002050
専門的能力3002050
分野横断的能力0000