1) 設計仕様に基づいた,ねじ式ジャッキおよび手巻きウインチの設計ができ,設計計算書について機械工学の基礎・専門知識を使って解説することができる.
2) Excelによる設計計算およびJW-CADを使って,部品図と設計仕様書を作成できる.
概要:
この科目は企業で自動車部品の設計・開発分野を担当していた教員がその経験を活かし,ものづくりの生産技術に関わる基本的な機械設計製図手法について実習形式で授業を行うものである。 第1,2 学年において修得した製図技法に加え,第 3 学年では,ねじ式ジャッキおよび手巻きウインチの設計製図の演習を通して,設計計算書,部品図を作成することにより,設計仕様書の書き方から図面の纏め方までを修得することを目標とする。また,提出期限を厳守することによって,機械エンジニアとして最も重要である納期を厳守する習慣を身につける。
授業の進め方・方法:
第1,2学年で学んだ機械設計製図,工業力学,生産加工実習,材料力学,情報処理などをベースに基礎的力学の知識や概念に基づきねじ式ジャッキおよび手巻きウインチを設計製図する。前期は,ねじ式ジャッキの構造を理解し,設計条件に基づき各種設計計算および部品図を作成する。後期は,手巻きウインチ設計の力学的基本概念を学んだ後,主要部品であるロープ、巻胴,歯車装置,ブレーキ装置,軸,軸受けなど各項目についての計算書および部品図を作成する。ねじ式ジャッキおよび手巻きウインチの設計製図を通じて設計の基本を理解し,簡単な機械の設計を進められる能力を養う。
注意点:
電卓とA4メモ用紙および教科書を用意すること。計算書及び部品図については,Excelソフト及びJWCADで作成し、設計条件,設計計算書のフォーム等については授業で指示する。1,2年次の機械設計製図の知識とコンピュータの基礎的な知識を要する。
学年末に,各自が作成した設計仕様書の電子データを提出する。
到達度確認試験について
前期末確認試験(ねじ式ジャッキの基本設計計算)を実施する.
なお,授業時間内で終了することができなかった場合には、計算書・部品図など自学自習にて進める必要がある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1-1 機械工学の概要
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機械工学の概要について説明することができる.
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2週 |
1-2 機械設計の要点
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機械工学における機械設計の位置付け,設計と製図の相違点,機械設計の基本的な手順,設計計算の必要性について理解することができる.
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3週 |
第2章 機械設計計算の基本 2.1 機械に働く力 2.2 材料の強さ 2.3 機械要素の計算
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機械設計計算の基本となる公式をExcelの機能を活用して,例題演習を通じて使いこなすことができる.
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4週 |
第3章 ねじ式ジャッキの設計 ・設計課題ガイダンス 3.1 ねじ式ジャッキの仕様
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設計課題に基づいた設計手順を理解し,ねじ式ジャッキ機構の原理・構造を説明することができる.
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5週 |
3.2 ねじ棒 3.2.1 ねじ棒の計算
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ねじ棒部分の部品構成を理解し,ねじ棒やブラケットに生じる力について計算で求めることができる.
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6週 |
3.2.2 ねじ棒部分の構成部品図 [1] ねじ棒 [2] フック
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ねじ棒部分の構成部品の可動範囲を理解し,ねじ棒やフックの部品図を作成することができる.
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7週 |
3.2.2 ねじ棒部分の構成部品図 [3] 軸受カバー [4] ブラケット
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ねじ棒部分の構成部品の可動範囲を理解し,軸受カバーやブラケットの部品図を作成することができる.
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8週 |
3.3 アーム 3.3.1 アームの計算
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アーム部分の部品構成を理解し,取付ピンの直径やアームの幅と厚さについて計算で求めることができる.
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2ndQ |
9週 |
3.3.2 アーム部分の構成部品図 [1] アーム [2] 歯車
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アーム部分の構成部品を理解し,アームや歯車の部品図を作成することができる.
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10週 |
3.3.2 アーム部分の構成部品図 [3] 取付けピン [4] スペーサ
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アーム部分の構成部品を理解し,取付ピンやスペーサの部品図を作成することができる.
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11週 |
3.3.2 アーム部分の構成部品図 [5] 荷受台 [6] ベース
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アーム部分の構成部品を理解し,荷受台やベースの部品図を作成することができる.
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12週 |
3.4 ハンドル 3.4.1 ハンドルの計算
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ハンドルを回す力のモーメントを理解し,トルクや回転半径,棒の直径を計算で求めることができる.
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13週 |
3.4.2 ハンドルの部品図
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ハンドル部分の回転半径と棒の直径から,ハンドルの部品図を作成することができる.
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14週 |
前期到達度確認試験
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ねじ式ジャッキの各種設計計算式を理解し,諸量を計算で求めることができる.
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15週 |
第4章 手巻きウインチの設計 ・設計課題ガイダンス 4.1 手巻きウインチの仕様
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設計課題に基づいた設計手順を理解し,巻上げ機構の原理・構造を説明することができる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
4.1.3 ワイヤロープ [1] 破断荷重,安全率の計算 [2] ロープの選定
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巻上げ部分の機構を理解し,ロープの破断荷重の計算結果からロープを選定することができる.
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2週 |
4.2 巻胴 4.2.1 巻胴本体の計算 4.2.2 止め金具と歯車取付ボルト
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巻胴本体の構造を理解し,巻胴の直径や長さと厚さおよび止め金具の直径を計算で求めることができる.
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3週 |
4.2.3 巻胴の構成部品図 [1] 巻胴 [2] ロープ止め金具
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巻胴本体の構造を理解し,巻胴やロープ止め金具の部品図を作成することができる.
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4週 |
4.3 歯車 4.3.1 3種類の歯車の計算 減速比,歯数,モジュール,歯車の寸法
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歯車の伝導機構を理解し,3種類の歯車の諸元量を計算で求めることができる.
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5週 |
4.3.2 歯車の部品図 [2] A,C歯車,[3] B歯車 [4] D歯車
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歯車の伝導機構を理解し,原軸と中間軸(大・小),巻胴軸用歯車の要目表及び部品図を作成することができる.
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6週 |
4.4 軸 4.4.1 3本の軸の計算 [1] 軸の配置,[2] 巻胴軸
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本装置の軸構造を理解し,原軸と中間軸,巻胴軸の径を計算で求めることができる.
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7週 |
4.4.2 軸の部品図 [1] 原軸 [2] 中間軸,[3] 巻胴軸
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本装置の軸構造を理解し,原軸と中間軸,巻胴軸の部品図を作成することができる.
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8週 |
4.5 軸受 4.5.1 軸受とブッシュの計算
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本装置の軸構造を理解し,原軸と中間軸,巻胴軸の軸受を計算で選定することができる.
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4thQ |
9週 |
4.5.2 軸受とブッシュの部品図 [1] フランジ軸受 [2] 原軸と中間軸のブッシュ
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本装置の軸構造を理解し,原軸と中間軸,巻胴軸の軸受及びブッシュの部品図を作成することができる.
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10週 |
4.6 クランクハンドル 4.6.1 クランクハンドルの計算 4.6.2 クランクハンドルの部品図
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クランクハンドルにかかる曲げ応力を理解し,ハンドルの基本寸法を計算し,部品図を作成することができる.
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11週 |
4.7 ベルトブレーキ装置 4.7.1 ブレーキドラムの計算 4.7.2 ブレーキレバーの計算 4.7.3 ベルト取付金具の計算
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ベルトブレーキ方式の構造を理解し,ブレーキドラム,ブレーキレバーの寸法やベルト取付金具の寸法を計算で求めることができる.
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12週 |
4.7.4 ベルトブレーキ装置の部品図 [1] ブレーキドラム [2] ブレーキレバー [3] ベルト金具類,[4] ベルト
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ベルトブレーキ方式の構造を理解し,ブレーキドラム,ブレーキレバー,ベルト金具類,ベルトの部品図を作成することができる.
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13週 |
4.8 つめ車装置 4.8.1 つめ車の計算 4.8.2 つめの計算 4.8.3 つめ車装置の部品図
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つめ車装置の構造を理解し,つめ車,つめ,つめ軸の各寸法を計算し,部品図を作成することができる.
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14週 |
4.9 フレーム 4.9.1 フレームの計算 4.9.2 フレームの部品図
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装置の筐体であるフレームの構造を理解し,その強度と各寸法を計算し,部品図を作成することができる.
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15週 |
後期設計計算演習
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手巻きウインチの各種設計計算式を理解し,諸量を計算で求めることができる.
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16週 |
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