工業力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 工業力学Ⅱ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(機械系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 青木弘,木谷晋 共著「工業力学」 森北出版
担当教員 當摩 栄路

到達目標

1)運動に対して,速度,加速度,変位,および時間の各関係を説明できる.
2)運動方程式を様々な問題に対して適用できる.
3)様々な慣性モーメントを計算でき,剛体の平面運動の方程式を様々な問題に対して適用できる.
4)力学的エネルギー保存の法則,運動量保存の法則,はね返りの式を様々な問題に適用できる. 
5) 摩擦力について理解し,運動方程式や力学的エネルギーの問題に適用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1様々な運動に対して,速度,加速度,変位,および時間の各関係を説明できるとともに,関係式を用いて応用問題を解くことができる.様々な運動に対して,速度,加速度,変位,および時間の各関係を説明できるとともに,関係式を用いて基本問題を解くことができる.様々な運動に対して,速度,加速度,変位,および時間の各関係を説明できない.
評価項目2運動の第一,第二,第三法則を理解し,力,質量および加速度の関係を運動方程式であらわすことができる.運動方程式を用いた物体の運動を計算することができる.物体の運動を求めることができない.
評価項目3剛体の慣性モーメントと角速度,角加速度,周速度の関係を理解し,回転運動の角運動方程式を導出し,それらの計算をできる.基本的な形状の剛体の慣性モーメントを計算できる剛体の運動に関して角速度,角加速度,周速度の関係を理解し,計算することができる.与えられた条件から回転運動に関する計算をできない.
評価項目4 物体の持つ運動量とエネルギーを理解し、これを用いて物体の運動を計算できる. 運動量とエネルギーを求めることができる. 物体の運動量,エネルギーを計算できない.
評価項目5摩擦力を理解し,物体の運動やエネルギーの増減について計算できる.摩擦力の働く物体の運動を計算することが出来る.摩擦力を計算で求めることが出来ない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
この科目は企業で自動車部品の設計・生産技術分野を担当していた教員がその経験を活かし,機械運動の基礎事項である運動の法則と機械の力学モデルについて講義形式で授業を行うものである。機械工学で必要とする力学の基礎知識である物体の運動に関する基本法則を理解し,質点と剛体の力学に関する基礎的な問題を解くことができることを目標とする.
授業の進め方・方法:
授業の進め方
工業力学Ⅱは,物理の力学を基礎とし,下記に示す専門科目と関連している.講義は,力学の基本原理および数学的定義をできるだけ丁寧に掘り下げて説明する.問題演習を多く取り入れると同時に,基礎事項を繰り返し学ぶことにより,理解を確実なものとするよう勤める.講義内容を確認するために,課題レポート提出および小テストを実施する.
評価は2回の定期試験と2回の到達度確認試験の平均点を80%、小テスト・課題レポート等の評価を20%とし、合格点は60点以上である.
再試験、再評価を行う場合は、その試験のみにて達成度を評価する。

注意点:
電卓を持参すること.講義後は,必ず復習を行い,理解度を確認するために練習問題等でトレーニングを行うこと.なお,数式は目で追ってわかった気分にならずに,必ず自ら手で追い,納得ゆくまで実際に計算をする必要がある.決して公式の丸暗記で法則を理解したという錯覚におちいってはいけない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 4.点の運動1 速度,加速度の関係を数学的に理解できる.
2週 4.点の運動2 等速度,等加速度,放物線運動を理解できる.
3週 4.点の運動3 円運動を理解できる.
相対運動を理解できる.
4週 5.運動と力1 運動の三法則を理解でき,運動方程式に適用できる.
5週 5.運動と力1 運動の三法則を理解でき,運動方程式に適用できる.
6週 5.運動と力2 慣性力,向心力および遠心力を理解できる.
7週 演習問題への取組 点の運動,運動と力の内容について総合的に理解し計算できる.
8週 到達度評価試験 これまでの内容について総合的に理解し,問題を解くことができる.
2ndQ
9週 6.剛体の運動1 慣性モーメントを説明および計算できる.
10週 6.剛体の運動2 単純な形の慣性モーメントを計算できる.
11週 6.剛体の運動3 応用的な形の慣性モーメントを計算できる.
12週 6.剛体の運動4 剛体の平面運動の方程式を適用できる.
回転体のつりあいを理解できる
13週 6.剛体の運動5 剛体の平面運動の方程式を適用できる.
回転体のつりあいを理解できる
14週 6.剛体の運動6,7 剛体の平面運動の方程式を適用できる.
回転体のつりあいを理解できる
15週 演習問題への取組 剛体の運動について総合的に理解し計算できる.
16週 前期期末試験 これまでの内容について総合的に理解し,問題を解くことができる.
後期
3rdQ
1週 7.衝突1 運動量,力積を理解できる.
2週 7.衝突2 運動量,力積,角運動量保存則を理解できる.
3週 7.衝突3,4 運動量保存の法則,はね返りの式を様々な問題に適用できる.
4週 8.仕事、エネルギー、動力1 仕事,エネルギーおよび動力を理解し,力学的エネルギー保存の法則を様々な問題に適用できる.
5週 8.仕事、エネルギー、動力2 仕事,エネルギーおよび動力を理解し,力学的エネルギー保存の法則を様々な問題に適用できる.
6週 8.仕事、エネルギー、動力3 仕事,エネルギーおよび動力を理解し,力学的エネルギー保存の法則を様々な問題に適用できる.
7週 演習問題への取組 衝突,仕事、エネルギー、動力の内容について総合的に理解し計算できる.
8週 到達度評価試験 これまでの内容について総合的に理解し,問題を解くことができる.
4thQ
9週 9.摩擦1 ・すべり摩擦および 摩擦角を理解できる.
10週 9.摩擦2,3 ・ころがり摩擦および ベルトの摩擦を理解できる.
11週 9.摩擦4,5 ・ブレーキおよび 軸受の摩擦を理解できる.
12週 10.簡単な機械1,2 ・テコおよび滑車の運動を理解できる.
13週 10.簡単な機械3,4 ・輪軸および斜面の運動を理解できる.
14週 10.簡単な機械5 ・簡単な機械要素に摩擦の概念を適応し,機械の効率を理解できる.
15週 演習問題への取組 ・摩擦のある運動に対して運動方程式、運動量保存の法則やエネルギー保存の法則の問題に適用できる.
16週 後期期末試験 これまでの内容について総合的に理解し,問題を解くことができる.

評価割合

定期試験達成度評価試験課題レポート合計
総合評価割合404020100
基礎的能力20201050
専門的能力20201050
分野横断的能力0000