機械材料学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 機械材料学Ⅰ
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(機械系共通科目) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:(社)日本機械学会編「JSMEテキストシリーズ 機械材料学」丸善 / 参考図書:藤田英一著「金属物理」アグネ技術センター
担当教員 高澤 幸治

到達目標

1. 金属の原子間結合,結晶構造,欠陥,組織について説明できる.
2. 結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について説明できる.
3. 状態図を用いて組織について説明できる.
4. 鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 金属の原子間結合,結晶構造,欠陥,組織について説明できる.金属の原子間結合,結晶構造,欠陥,組織について説明できる.金属の原子間結合,結晶構造,欠陥,組織について基礎的な部分の説明ができる.金属の原子間結合,結晶構造,欠陥,組織について説明ができない.
2. 結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について説明できる.結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について説明できる.結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について基礎的な部分の説明ができる.結晶の塑性変形と転位の運動との関係,金属の強化機構について説明ができない.
3. 状態図を用いて組織について説明できる.状態図を用いて組織について説明できる.状態図を用いて組織について基本的な部分の説明ができる.状態図を用いた組織についての説明ができない.
4. 鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について説明できる.鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について説明できる.鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について基礎的な部分の説明ができる.鋼,アルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質について説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
初学者が鋼およびアルミニウム合金の熱処理と組織,機械的性質を関連付けて理解するために,金属結晶の特徴,結晶の塑性変形,金属の強化機構,合金の状態図について順次学習する.
授業の進め方・方法:
授業は教科書と補助教材(配布プリント等)を用いた講義形式で行う.
評価は,定期試験40%,達成度確認試験40%,小テスト10%,レポート10%の配分で行い,合格点は60点である.
学年末の評価が60点未満の学生に対しては,取組状況等を総合的に判断して再試験(全範囲)を実施する場合がある.再試験を行った場合の評価は,再試験80%,小テスト10%,レポート10%の配分で行い,60点を上限とする.
注意点:
e-learning(BlackBoard)による小テスト,レポートに取り組み,自学自習を行うこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ①材料の分類
②原子の構造と結合
①材料の分類,性質,用途を説明できる.
②原子の構造,原子間の結合力・結合様式を説明できる.
2週 ①金属の結晶構造
②結晶構造の指数表示
①金属結晶における原子の配置を説明できる.
②ミラー指数から結晶面・方位を図示できる.図示された結晶面・方位からミラー指数を求めることが出来る.
3週 ①金属の結晶組織
②金属組織の観察法
①固溶体,化合物,結晶の格子欠陥を説明できる.
②顕微鏡観察法を説明できる.
4週 ①弾性変形
②塑性変形
①ポテンシャルエネルギー曲線を用いて結晶の弾性変形を説明できる.臨界せん断応力を説明できる.
②結晶の塑性変形が転位の運動によって生じることを説明できる.すべり系を説明できる.転位の増殖機構を説明できる.
5週 金属の強化機構
パイエルス力,固溶強化,析出強化・分散強化,結晶粒微細強化,ひずみ硬化を説明できる.
6週 材料試験 引張試験,硬さ試験を説明できる.
7週 ①達成度確認試験
②鉄鋼素材の製造法
①これまでの到達目標の達成度を確認できる.
②高炉,転炉,連続鋳造を説明できる.
8週 ①相律,冷却曲線
②二元合金状態図の基礎
①自由度を計算できる.
②状態図の基本的事項を説明できる.てこの原理を説明できる.
2ndQ
9週 ①二元合金状態図(全率固溶型)
②拡散
①任意の温度・組成において存在する相,各相の組成,各相の割合を求めることが出来る.組織の変化を説明できる.
②拡散の機構を説明できる.
10週 ①二元合金状態図(共晶型)
②二元合金状態図(包晶型,偏晶型)
①②任意の温度・組成において存在する相,各相の組成,各相の割合を求めることが出来る.組織の変化を説明できる.
11週 鉄ー炭素合金状態図 任意の温度・組成における,存在する相,各相の組成,各相の割合を求めることが出来る.組織の変化を説明できる.
12週 ①鋼の連続冷却変態
②鋼の恒温変態
①各冷却曲線における組織の変化を説明できる.
②各変態温度における組織の変化を説明できる.変態温度,組織,機械的性質を関連付けて説明できる.
13週 鋼の焼入れ・焼戻し,焼きなまし,焼きならし 各熱処理による組織の変化や材料特性の変化を説明できる.
14週 アルミニウム合金の溶体化処理・時効 溶体化処理・時効による組織の変化を説明できる.時効温度・時間,組織,機械的性質を関連付けて説明できる.
15週 ①回復・再結晶
②軟鋼の降伏とひずみ時効
①加工硬化から回復,再結晶に至る変化を,転位密度,セル構造,粒成長と関連付けて説明できる.
②リューダース帯の伝播と降伏挙動を関連付けて説明できる.コットレル効果を説明できる.
16週 定期試験

評価割合

定期試験達成度確認試験小テスト合計
総合評価割合404020100
基礎的能力20201050
専門的能力20201050
分野横断的能力0000