機械材料学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械材料学Ⅱ
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(機械系共通科目) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:(社)日本機械学会編「JSMEテキストシリーズ 機械材料学」丸善 / 参考図書:M.F.Ashby et al.: " Engineering Materials 1 3rd Edition ", Elsevier
担当教員 高澤 幸治

到達目標

1. 破壊の機構,シャルピー衝撃試験,破壊の条件について説明でき,シャルピー衝撃値,破壊の条件について基礎的な計算ができる.
2. 疲労の機構,疲労寿命に関する法則について説明でき,疲労寿命について基礎的な計算ができる.
3. 拡散・高温変形の機構,耐熱材料について説明できる.
4. 酸化・湿食の機構,耐食材料について説明できる.
5. 摩耗の機構,耐摩耗材料について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 破壊の機構,シャルピー衝撃試験,破壊の条件について説明でき,シャルピー衝撃値,破壊の条件について基礎的な計算ができる.破壊の機構,シャルピー衝撃試験,破壊の条件について説明でき,シャルピー衝撃値,破壊の条件について基礎的な計算ができる.破壊の機構,シャルピー衝撃試験,破壊の条件について説明できる.破壊の機構,シャルピー衝撃試験,破壊の条件について説明できない.
2. 疲労の機構,疲労寿命に関する法則について説明でき,疲労寿命について基礎的な計算ができる.疲労の機構,疲労寿命に関する法則について説明でき,疲労寿命について基礎的な計算ができる.疲労の機構,疲労寿命に関する法則について説明できる.疲労の機構,疲労寿命に関する法則について説明できない.
3. 拡散・高温変形の機構,耐熱材料について説明できる.拡散・高温変形の機構,耐熱材料について説明できる.拡散・高温変形の機構,耐熱材料について基礎的な部分の説明ができる.拡散・高温変形の機構,耐熱材料について説明できない.
4. 酸化・湿食の機構,耐食材料について説明できる.酸化・湿食の機構,耐食材料について説明できる.酸化・湿食の機構,耐食材料について基礎的な部分の説明ができる.酸化・湿食の機構,耐食材料について説明できない.
5. 摩耗の機構,耐摩耗材料について説明できる.摩耗の機構,耐摩耗材料について説明できる.摩耗の機構,耐摩耗材料について基礎的な部分の説明ができる.摩耗の機構,耐摩耗材料について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
機械の破損事故の三大要因である「疲労」,「腐食」,「摩耗」に加え,安全設計に必要な「靭性」や「高温強度」の基礎について網羅的に学習する.
授業の進め方・方法:
授業は教科書と補助教材(配布プリント等)を用いた講義形式で行う.
この科目は学修単位科目のため,事後学習として複数回の課題(授業の振り返りと小テスト)を課す.この他,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,定期試験の準備のための学習時間を総合し,60時間の自学自習時間が必要である.
注意点:
e-learning(BlackBoard)による小テストに取り組み,自学自習を行うこと.
評価は,定期試験60%,小テスト40%の配分で行い,合格点は60点である.
学年末の評価が60点未満の学生に対しては,取組状況等を総合的に判断して再試験を実施する場合がある.この場合の評価は,再試験の点数で定期試験の点数を置換して再計算し,60点を上限とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シャルピー衝撃試験 延性破壊と脆性破壊の違いを説明できる.シャルピー衝撃試験の原理を説明でき,シャルピー衝撃値を計算できる.
2週 破壊の条件 グリフィスの理論,応力拡大係数を用いたき裂進展の条件式を説明できる.また,破壊に至る応力,き裂長さ,臨界応力拡大係数に関する基礎的な計算ができる.
3週 破壊の機構 破壊様式を分類し,その機構を説明できる.延性-脆性遷移(低温脆性)を説明できる.
4週 ①疲労試験
②疲労き裂の生成・成長
①疲労試験の原理とS-N曲線を説明できる.
②疲労き裂が生成,成長する機構を説明できる.
5週 疲労寿命 バスキン,コフィン-マンソン,マイナー則を説明でき,それに関する基礎的な疲労寿命の計算ができる.
6週 疲労き裂の進展速度 パリス則を説明でき,それに関する基礎的な疲労寿命の計算ができる.
7週 鋼の表面改質 鉄鋼材料の表層を高強度化する処理を説明できる.
8週 拡散 拡散の機構を説明できる.
4thQ
9週 高温変形 高温変形の基本的な機構を説明できる.
10週 耐熱材料 耐熱材料の特性を説明できる.耐熱性向上の基礎的な方法を説明できる.
11週 酸化 酸化の基本的な機構を説明でき,それに関する基礎的な酸化量の計算ができる.
12週 湿食 湿食の基本的な機構を説明でき,それに関する基礎的な湿食量の計算ができる.
13週 耐食材料 ステンレス鋼を分類し特性を説明できる.局部腐食や耐食性向上の基礎的な方法を説明できる.
14週 摩耗 摩擦,摩耗の基本的な機構を説明できる.耐摩耗性向上の基礎的な方法を説明できる.
15週 耐摩耗材料 耐摩耗材料の製造法や特性を説明できる.
16週 定期試験

評価割合

定期試験小テスト合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050
分野横断的能力000