材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(機械系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 台丸谷政志,小林秀敏著,基礎から学ぶ材料力学,森北出版/日本機械学会,JSMEテキストシリーズ 材料力学,日本機械学会
担当教員 野口 勉

到達目標

1) 応力,ひずみの定義と,フックの法則を式で表わすことができる.棒に荷重,熱が加わった場合の応力,ひずみ,変形の理論式を誘導し,計算できる.応力と材料の強度を比較し,安全率を考慮して部材の断面積を決定できる.
2) せん断,捩りモーメントに対するせん断応力,せん断ひずみの理論式を誘導し計算できる.要求される伝達トルク,材料強度,安全率から伝動軸に生ずるせん断応力と必要な直径を計算できる.
3) 車が通過する橋,荷を吊り上げるクレーン,揚力を受ける翼,荷重を伝える歯車などをはりにモデル化できる.はりに作用する荷重から求める曲げモーメントとはりの断面形状から求める断面二次モーメントから,曲げ応力の理論式を誘導し計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 応力,ひずみの定義と,フックの法則を式で表わすことができるか.棒に荷重,熱が加わった場合の応力,ひずみ,変形の理論式を誘導し,計算できるか.応力と材料の強度を比較し,安全率を考慮して部材の断面積を決定できるか.断面が変化する棒や自重を考慮しなければいけない棒の計算を設計に応用できる.不静定問題について応力や熱応力,変位が計算できる.断面が変化する棒や自重を考慮しなければいけない棒において応力とひずみの理解ができる.不静定問題について条件式からの計算方法を理解している.面が変化する棒や自重を考慮しなければいけない棒において応力とひずみの計算方法を理解していない.不静定問題において力のつり合い式と変位の条件式がたてられない.
評価項目2 せん断,捩りモーメントに対するせん断応力,せん断ひずみの理論式を誘導し計算できるか.要求される伝達トルク,材料強度,安全率から伝動軸に生ずるせん断応力と必要な直径を計算できるか.棒のねじりについての計算を設計に応用できる.棒のねじりについてせん断応力およびねじれ角が計算できる.棒のねじりについてせん断応力およびねじれ角の計算方法を理解していない.
評価項目3 種々の実機をはりにモデル化できるか.はりに作用する荷重から求める曲げモーメントとはりの断面形状から求める断面二次モーメントから,曲げ応力の理論式を誘導し計算できるか.複数の荷重が作用するはりの曲げにおいてせん断力や曲げモーメントの式を求め,S.F.D.やB.M.D.が作成できる.各種断面の図心や断面二次モーメントが計算できる.曲げ応力の理論式を誘導し計算できる.単純なはりの曲げにおいてせん断力や曲げモーメントの式を求め,S.F.D.やB.M.D.が作成できる.各種断面の図心断面二次モーメントの計算方法を理解している.曲げ応力が計算できる.はりの曲げにおいてせん断力や曲げモーメントの式の求め方を理解していない.各種断面の図心断面二次モーメントの計算方法を理解していない.曲げ応力の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料の強度計算や機械的特性などの機械設計においての基礎知識を習得する.また,設計や材料試験における力学計算,データの読みとりなどの基礎技術を身につける.これらの知識を機械の専門分野の中で提要できることを到達レベルとする.
授業の進め方・方法:
機械設計の基礎となる材料力学の高度な専門知識を習得するために,この学年では理論としての基礎知識と力学計算の演習を通して学習します.材料力学では一般的に文字による理論式に数値を代入して計算を行います.
注意点:
式を覚えるだけでなくその理論を理解するようにしてください.2年生で履修した「力学基礎」の材料力学の内容を基本としていますので,その内容を復習しておいてく必要があります.また,各授業内容が継続的な内容となるため,各回の授業内容についてしっかり復習することが必要です.
100点満点で評価し,合格点は60点である.試験,課題,演習とも100(点/件)で採点し,中間試験4割,定期試験4割,課題等2割を基準として,総合的に評価する.なお,状況により再試験等を行うことがある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料力学総説 科目の概要について理解できる.
2週 応力とひずみ 応力とひずみの定義を理解して計算できる.
3週 フックの法則およびポアソン比 フックの法則およびポアソン比について理解して計算することができる.
4週 棒の引張と圧縮 変断面を持つ棒についての応力,変形が,微小部を考えることにより計算できる.
5週 組合せ棒の応力と変形 トラスの節点変位を変位図から求めることができる.
6週 熱応力 熱応力の発生メカニズムを理解して,説明でき,問題を解くことができる.
7週 不静定問題 構造が満たす適合条件を見出し問題を解くことができる.
8週 安全率 安全を保つための考え方を理解することができ,安全率を考慮して問題を解くことができる.
2ndQ
9週 せん断応力とせん断ひずみ 定義を理解して計算できる.
10週 せん断応力とせん断ひずみ 垂直応力と垂直ひずみとの類似性から理解することができる.
11週 弾性係数間の関係 弾性係数間(E,Gおよびν)の関係を確認する方法を理解することができ,卑近な材料について確認することができる.
12週 丸棒の捩り 丸棒に生ずる剪断応力を理解でき,計算することができる.
13週 丸棒の捩り 断面二次極モーメントを理解し求めることができる.慣性モーメントとの類似性と差違を理解できる.
14週 丸棒の捩り 断面二次極モーメントを理解し求めることができる.慣性モーメントとの類似性と差違を理解できる.
15週 伝動軸・不静定捩り部材 伝動軸についての考え方を理解することができる.不静定引張圧縮部材との類似性を理解できる.
16週 前期定期試験 これまでの内容について総合的に理解し計算できる.
後期
3rdQ
1週 はりの種類 車が通過する橋,荷を吊り上げるクレーン,揚力を受ける翼,荷重を伝える歯車などをはりにモデル化できる.
2週 はりのせん断力と曲げモーメント 片持はり,単純支持はりを題材にして,はり生じるせん断力と曲げモーメントの求め方を理解する.
3週 はりのせん断力と曲げモーメント せん断力と曲げモーメントの極性の定義を理解する.
4週 はりのせん断力と曲げモーメント はり生じるせん断力と曲げモーメントがはりに与える影響を理解する.
5週 片持はり 種々の負荷による片持はりに生じるせん断力と曲げモーメントの求め方を理解する.
6週 片持はり 種々の負荷による片持はりに生じるせん断力と曲げモーメントの求め方を理解する.
7週 単純支持はり 種々の負荷による単純支持はりに生じるせん断力と曲げモーメントの求め方を理解する.
8週 単純支持はり 種々の負荷による単純支持はりに生じるせん断力と曲げモーメントの求め方を理解する.
4thQ
9週 荷重,せん断力および曲げモーメントの関係 はりの部分モデルを考え,力のつりあいとモーメントのつり合いから,3者の関係を求めることができる.
10週 荷重,せん断力および曲げモーメントの関係 座標xの関数として表したとき,微分積分の関係が成り立つことを理解する.
11週 曲げ応力 曲げモーメントによりはり断面に生ずる曲げ応力を理解でき,計算することができる.
12週 曲げ応力 曲げモーメントによりはり断面に生ずる曲げ応力を理解でき,計算することができる.
13週 断面形状の性質,はりのせん断応力 断面二次モーメントの定義を理解して,簡単な断面形状に対する断面二次モーメントを求めることができる.
14週 断面形状の性質,はりのせん断応力 様々な断面形状対する断面二次モーメントを求めることができる.
15週 断面形状の性質,はりのせん断応力 断面二次モーメントを断面二次極モーメントとの類似性により理解することができ,慣性モーメントとの類似性と差違を理解できる.
16週 後期提起試験 これまでの内容について総合的に理解し計算できる.

評価割合

試験小テスト課題・演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合4040200000100
基礎的能力202010000050
専門的能力202010000050
分野横断的能力00000000