加工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 加工学Ⅰ
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(機械系共通科目) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書:堤信久「機械工作法」コロナ社,「ガス溶接・溶断作業の安全」中央労働災害防止協会/参考図書:鈴木春義「最新溶接工学」コロナ社,大中逸雄,荒木孝雄著「溶融加工学」コロナ社,葉山益次郎「塑性学と塑性加工」オーム社
担当教員 池田 慎一

到達目標

1.ガス溶接に使用する可燃性ガスおよび酸素の特徴について説明できる.
2.ガス溶接設備の構造および取扱いについて説明できる.
3.ガス溶接の関係法令について説明できる.
4.アーク溶接による溶接熱影響部組織の特徴を理解し,溶接欠陥などについて説明できる.
5.模型の種類について理解し,造型法・溶解法について説明できる.
6.鋳物砂の構成および性質について理解し,鋳物砂試験について説明できる.
7.各塑性加工のメカニズムを理解し,加工時に要する力を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.ガス溶接に使用する可燃性ガスおよび酸素の特徴について説明できる.ガス溶接に使用する可燃性ガスおよび酸素の特徴について説明できる.ガス溶接に使用する可燃性ガスおよび酸素の特徴について基礎的な部分の説明ができる.ガス溶接に使用する可燃性ガスおよび酸素の特徴について説明できない.
2.ガス溶接設備の構造および取扱いについて説明できる.ガス溶接設備の構造および取扱いについて説明できる.ガス溶接設備の構造および取扱いについて基礎的な部分の説明ができる.ガス溶接設備の構造および取扱いについて説明できない.
3.ガス溶接の関係法令について説明できる.ガス溶接の関係法令について説明できる.ガス溶接の関係法令について重要な部分の説明ができる.ガス溶接の関係法令について説明できない.
4.アーク溶接による溶接熱影響部組織の特徴を理解し,溶接欠陥などについて説明できる.アーク溶接による溶接熱影響部組織の特徴を理解し,溶接欠陥などについて説明できる.アーク溶接による溶接熱影響部組織の特徴の基礎を理解し,溶接欠陥などについて簡単に説明できる.アーク溶接による溶接熱影響部組織の特徴が理解できず,溶接欠陥などについも説明できない.
5.模型の種類について理解し,造型法・溶解法について説明できる.模型の種類について理解し,造型法・溶解法について説明できる.模型の種類について基礎的な部分を理解し,造型法・溶解法について簡単に説明できる.模型の種類について理解できず,造型法・溶解法について説明できない.
6.鋳物砂の構成および性質について理解し,鋳物砂試験について説明できる.鋳物砂の構成および性質について理解し,鋳物砂試験について説明できる.鋳物砂の構成および性質について基礎的な部分を理解し,鋳物砂試験について簡単に説明できる.鋳物砂の構成および性質について理解できず,鋳物砂試験について説明できない.
7.各塑性加工のメカニズムを理解し,加工時に要する力を計算できる. 各塑性加工のメカニズムを理解し,加工時に要する力を計算できる.各塑性加工の基本的なメカニズムを理解し,加工時に要する力を計算できる.各塑性加工のメカニズムが理解できず,加工時に要する力を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各種機械工作法の中の融接法,鋳造法および塑性加工について,その基本を科学的根拠に基づき理解することを目的とする.ガス溶接法に関しては,副読本を利用して酸素および可燃性ガスの知識,ガス設備の構造と取扱法などを詳細に学習する.
授業は座学の講義を中心にガス溶接および切断,その他の溶接(アーク溶接など),鋳造,塑性加工の順に説明する.
授業の進め方・方法:
達成目標に関する試験およびレポートの結果を下記の基準で評価する.
評価の基準は定期試験40%,達成度確認のための試験30%,Blackboardによる小テスト10%およびレポート20%とし,合格点は60点とする.
評価60点未満の場合は再試験を学年末(全範囲)に実施することがあり,再試験を実施した場合の評価基準は再試験80%およびレポート20%とし,評価は60点を上限とする.
注意点:
加工学Ⅰでは溶接および鋳造を中心に学習し,その基礎については機械工学実習Ⅱでも学習する.しかし,実際の加工現場で行われている加工技術の詳細に関しては,長期休業前に出されるレポート課題を行うことにより自学自習する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガス溶接法の種類と特色 ガス溶接法の種類と特色について説明できる.
2週 溶接に使用するガスの種類 溶接に使用するガスの種類について説明できる.
3週 可燃性ガスと酸素の製法および性質 可燃性ガスと酸素の製法および性質について説明できる.
4週 ガス容器およびアセチレン発生器 ガス容器およびアセチレン発生器について説明できる.
5週 圧力調整器,導管,吹管および安全器 圧力調整器,導管,吹管および安全器について説明できる.
6週 ガス溶接作業における危険性 ガス溶接作業における危険性について説明できる.
7週 関係法令 関係法令について説明できる.
8週 アーク溶接の特徴,溶接棒の種類および表示法 アーク溶接の特徴,溶接棒の種類および表示法について説明できる.
4thQ
9週 溶接熱影響部組織の特徴,溶接欠陥の種類および溶接部の検査・試験 溶接熱影響部組織の特徴,溶接欠陥の種類および溶接部の検査・試験について説明できる.
10週 模型の種類,模型材料 模型の種類,模型材料について説明できる.
11週 鋳物砂の構成・性質および鋳物砂試験 鋳物砂の構成・性質および鋳物砂試験について説明できる.
12週 造型機および溶解炉 造型機および溶解炉について説明できる.
13週 精密鋳造法,特殊鋳造法および鋳物検査 精密鋳造法,特殊鋳造法および鋳物検査について説明できる.
14週 金属材料の変形抵抗とひずみ 金属材料の変形抵抗とひずみについて説明できる.
15週 各種塑性加工の種類と特色 各種塑性加工の種類と特色について説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験達成度確認試験相互評価小テストレポート合計
総合評価割合403001020100
基礎的能力3020051065
専門的能力1010051035
分野横断的能力000000