機械設計製図Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械設計製図Ⅲ
科目番号 0022 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 創造工学科(機械系共通科目) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 なし/教員自作資料
担当教員 浅見 廣樹

到達目標

1) リンク機構,カム機構,歯車機構の各機構について理解し,これらの運動に関わる計算を解くことができる.
2) 3D-CADによる部品作成とアセンブリができ,モーションシミュレーションによる運動解析を実践できる.
3) グループの一員として,テーマに沿った工業製品の考案・設計をすることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1リンク機構,カム機構,歯車機構の各機構について理解し,これらの運動に関わる計算を解くことができる.リンク機構,カム機構,歯車機構の各機構について理解し,これらの運動に関わる計算を解くことができる.リンク機構,カム機構,歯車機構の各機構について理解できず,これらの運動に関わる計算も解くことができない.
評価項目23D-CADによる部品作成とアセンブリができ,モーションシミュレーションによる運動解析手法を理解できる.3D-CADによる部品作成とアセンブリができ,モーションシミュレーションによる運動解析手法を理解できる.3D-CADによる部品作成とアセンブリができず,モーションシミュレーションによる運動解析手法も理解できない.
評価項目3グループの一員として,ロボット等の設計・製作をすることができる.グループの一員として,ロボット等の設計・製作をすることができる.グループの一員として,ロボット等の設計・製作をすることができない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
本講義では,まず3D-CADを用いた3Dモデリング技術と2次元図面作成手法の基礎を学ぶ。その上で,機構学の基礎について座学と3D-CADのモーションシミュレーションを通して学ぶ.また,後期には課題に応じた工業製品の考案などをグループワークにより行い設計と製作の関係について学ぶ.
授業の進め方・方法:
前期の講義は,3D-CADを用いたモデリングおよび2次元図面の作製演習および,機構学に関する知識の習得と3D-CADによるモデル製作・運動シミュレーションの演習課題を行う形式で進める.
後期の講義は,前半は引き続き機構学に関する知識の習得と3D-CADによるモデル製作・運動シミュレーションの演習課題を行う.後半は,主にグループワークにより,テーマに沿った製品設計を行う.
注意点:
講義には,関数電卓を持参すること.また,必要に応じて数学や力学の復習を行うこと.
前期評価は,演習課題により100点法により評価する.なお,内訳は手巻きウィンチの3Dモデリング50%+アセンブリ20%+レンダリング演習課題10%+ねじジャッキアセンブリ演習10%とする.
後期評価は,機構学に関する演習課題レポート・CAD課題が80%,達成度評価試験20%として100点法により評価する.
学年末評価は,前期評価と後期評価の平均として,60点を合格点とする.実習科目のため,再評価などは行わない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 3Dモデリング演習+2次元図面の作成(1) 手巻きウィンチ部品の2次元図面から3Dモデリングできる.
3Dモデリングから2次元図面の再現ができる.
2週 3Dモデリング演習+2次元図面の作成(2) 手巻きウィンチ部品の2次元図面から3Dモデリングできる.
3Dモデリングから2次元図面の再現ができる.
3週 3Dモデリング演習+2次元図面の作成(3) 手巻きウィンチ部品の2次元図面から3Dモデリングできる.
3Dモデリングから2次元図面の再現ができる.
4週 3Dモデリング演習+2次元図面の作成(4) 手巻きウィンチ部品の2次元図面から3Dモデリングできる.
3Dモデリングから2次元図面の再現ができる.
5週 3Dモデリング演習+2次元図面の作成(5) 手巻きウィンチ部品の2次元図面から3Dモデリングできる.
3Dモデリングから2次元図面の再現ができる.
6週 3Dモデリング演習+2次元図面の作成(6) 手巻きウィンチ部品の2次元図面から3Dモデリングできる.
3Dモデリングから2次元図面の再現ができる.
7週 3Dモデリング演習+2次元図面の作成(7) 手巻きウィンチ部品の2次元図面から3Dモデリングできる.
3Dモデリングから2次元図面の再現ができる.
8週 アセンブリ演習(1) アセンブリの手法について理解し,実践できる.
3Dモデリングした手巻きウィンチ部品からアセンブリモデルを作成できる.
2ndQ
9週 アセンブリ演習(2) アセンブリの手法について理解し,実践できる.
3Dモデリングした手巻きウィンチ部品からアセンブリモデルを作成できる.
10週 アセンブリ演習(3) アセンブリモデルのモーションシミュレーションにより,機械の運動を確認できる.
11週 複雑形状部品のモデリング+レンダリング演習(1) 曲面形状を持つ部材の3Dモデリングをすることができる.
レンダリングソフトにより,製品イメージ画像を作ることができる.
12週 複雑形状部品のモデリング+レンダリング演習(2) 曲面形状を持つ部材の3Dモデリングをすることができる.
レンダリングソフトにより,製品イメージ画像を作ることができる.
13週 3Dモデリング演習(8)+アセンブリ演習(4) 図面を見て,補助プリント無しで,ねじジャッキ部品の3Dモデリングをすることができる.
部品の意味合いを考え,アセンブリモデルを組み上げることができる.
14週 3Dモデリング演習(9)+アセンブリ演習(5) 図面を見て,補助プリント無しで,ねじジャッキ部品の3Dモデリングをすることができる.
部品の意味合いを考え,アセンブリモデルを組み上げることができる.
15週 瞬間中心 瞬間中心について理解できる.
瞬間中心を作図的に求めることができる.
16週
後期
3rdQ
1週 瞬間中心を用いた速度の算出 瞬間中心を用いた機構の速度の算出方法について理解できる.
瞬間中心を用いた作図的な手法により,機構部材の速度を求めることができる.
2週 瞬間中心を用いた加速度・角加速度の算出 瞬間中心を用いた機構の加速度の算出方法について理解できる.
瞬間中心を用いた作図的な手法により,機構部材の加速度を求めることができる.
3週 リンク装置(1) 四節回転連鎖によって生じる各種機構について理解できる.
3D-CADを用いててこクランク機構のアセンブリモデルを作成し,運動シミュレーションができる.
4週 リンク装置(2) スライダクランク連鎖によって生じる機構について理解できる.
往復スライダクランク機構のスライダ部の速度・加速度を計算できる.
5週 リンク装置(3) 3D-CADを用いて往復スライダクランク機構のアセンブリモデルを作成し,運動シミュレーションができる.
6週 リンク装置(4) 両スライダクランク連鎖によって生じる各種機構について理解できる.
3D-CADを用いて両スライダクランク機構のアセンブリモデルを作成し,運動シミュレーションができる.
7週 リンク装置(5) 平行運動機構,直線運動機構,球面運動連鎖について理解できる.
3D-CADを用いて各種機構のアセンブリモデルを作成し,運動シミュレーションができる.
8週 達成度評価試験 これまで得た知識をもとに,基本的な問題を解くことができる.
4thQ
9週 カム装置(1) カム機構とカム線図について理解できる.
3D-CADを用いて基本的なハートカムの作図ができる.
10週 カム装置(2) 3D-CADを用いて基本的な板カムの作図ができる.
11週 歯車装置(1) 歯車の種類と歯型の諸条件について理解できる.
インボリュート歯形について理解できる.
3D-CADを用いて,インボリュート歯車が作成できる.
12週 歯車装置(2) 歯のかみ合い率や滑り率について理解できる.
歯の曲げ強さや歯面強さについて理解できる.
13週 歯車装置(3)
巻掛け伝動機構
歯車列と減速比について理解できる.
ベルト伝動とチェーン・スプロケット伝動の違いについて理解できる.
アイテルワインの式から,遠心力を考慮した場合と考慮しない場合のベルト張力を求めることができる。
Vベルトにおける,見かけ摩擦係数について理解できる.
14週 歯車装置(4) 3D-CADを用いて歯車装置の作成ができる.
3D-CADを用いて作製した歯車装置により,シミュレーションができる.
15週 達成度評価試験 これまで得た知識をもとに,基本的な問題を解くことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。4前6,前7,前12,前13,前14,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14
線の種類と用途を説明できる。4前6,前7,前12,前13,前14,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。4前6,前7,前12,前13,前14,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。4前6,前7,前8,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。4前6,後11,後12
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。4後5,後6,後7,後8
機械設計歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4後1,後2,後5,後6,後7,後8
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4後3,後5,後6,後7,後8
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4後4,後5,後6,後7,後8
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4後4,後5,後6,後7,後8
歯車列の速度伝達比を計算できる。4後4,後5,後6,後7,後8
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4前5,前6,前7,前8
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

課題達成度評価試験合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力701080
分野横断的能力20020