電気電子工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅰ
科目番号 0008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:3 後期:3
教科書/教材 教科書:苫小牧高専創造工学科電気電子系編「電気電子工学実験I 説明書」(苫小牧高専)/教材:堀 重雄「電気実験・電子編(改訂版)」(電気学会),電気学会通信教育会「電気実験・機器電力編(修正増補版)」(電気学会),木下 是雄「理科系の作文技術」(中公新書),Robert Barrass ”Scientists Must Write(A Guide to Better Writing for Scientists, Engineers and Students)" (Falmer Pr)
担当教員 赤塚 元軌,奥山 由,工藤 彰洋,佐々木 幸司,佐沢 政樹,奈須野 裕,山田 昭弥,堀 勝博

到達目標

1.これまでに学んできた数学,自然科学および工学の基礎知識を,実験を通して深めるとともに活用できる。
2.実験機器の操作方法,データの処理,解析方法,報告書の書き方などを身につけ,実践できる。
3.班のメンバーと協力し,円滑かつ効率的な実験を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1既習した数学,自然科学および工学の基礎知識を,実験を通して深めるとともに十分活用できる。座学で学んだ基礎知識と実験の関係を理解できる。座学で学んだ基礎知識と実験の関係を理解できない。
評価項目2実験機器の操作方法,データ処理、解析方法、報告書の書き方が十分に身につき,実践できる。実験機器の操作方法,データ処理、解析方法、報告書の書き方が理解できる。実験機器の操作方法,データ処理、解析方法、報告書の書き方が理解できない。
評価項目3班員と綿密に協力して,円滑かつ効率的に実験を行うことができる。班員と協力して,円滑かつ効率的に実験を行うことができる。班員と協力できず,円滑かつ効率的に実験を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
電気電子工学の基礎的な実験を行い,実際の電気現象を間近で確認し,体験することで,講義で得た知識をより深く身につけることを目的とする。また,電気磁気現象や回路素子などの測定を通して,測定の基礎および様々な物理量の測定方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
学期前半は,クラスを7班に分けて原則1テーマ1班で行う。2または3週毎に実験指導日を設け,主に直近の実施テーマの報告書内容指導を行う。学期後半に,報告書を効率よく作成するためのデータ処理法や電子回路製作または電子素子基礎実験等を一斉実験形式で実施する。評価は各テーマでの実験態度10%(個人の実験態度,チームワーク),実験の理解度・達成度20%(予習・事前の準備,事後の理解度で評価する。ただし,評価ポイントは実験テーマ毎に異なるので,詳細については担当教員の説明を受けること),報告書70%(体裁,結果の分析,考察,提出期限の厳守)で行い,テーマ個々の評価点を総合的に判断し,本科目の評価点とする。合格点は60点以上である。
なお諸事情により,期間途中でやむなく遠隔授業対応となり,対面での実験実施が困難となった場合,対面授業再開時期を見て追実験を行うか,あるいは実施したテーマ数を考慮し評価方法を一部変更することもある。この場合の評価方法,内容の変更については,確定次第,速やかに学生に周知する。
注意点:
関数電卓,テスター,工具,グラフ用紙,定規の他,担当教員の指示による用具を用意すること。
実験の円滑な実施のための事前学習,および実験後の報告書作成と関連する情報収集,調査等をしっかりと行うこと。
原則として対面で実施するが,本校のやむを得ない諸事情により遠隔授業実施等が求められた場合,一部テーマについて遠隔対応の場合もあり得る(その場合,別途連絡する)。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験テーマ概要説明日 各テーマの実験目的,必要となる関連知識,注意事項について説明できる。
2週 直流電動機の始動試験および負荷特性試験 直流電動機の始動試験および負荷特性試験が実践できる。
3週 直流電動機の速度制御 直流電動機の速度制御が実践できる。
4週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身の報告内容の改善点を理解することができる。
5週 電流の作る磁界の測定 電流によって発生する磁界の分布を測定することができる。
6週 電位分布の測定 ブリッジ回路の平衡条件を利用し,電位分布を測定することができる。
7週 TTLゲート回路 基本的なゲートICを用いた組合せ回路の実験を通して,計算機工学で得た知識を深めることができる。
8週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身の報告内容の改善点を理解することができる。
2ndQ
9週 基礎交流回路のベクトル軌跡 RLおよびRC直列回路に交流電源を加えた場合の電圧と電流の関係(大きさ,位相差)を測定し,ベクトル軌跡の実験を行うことができる。
10週 波形変換回路 ダイオードを利用したリミッタ回路,クリッパ回路の特性を測定することができる。
11週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身の報告内容の改善点を理解することができる。
12週 データ処理法および電子回路製作演習(一斉実験形式) データ処理,電子回路の製作演習を通して,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
13週 データ処理法および電子回路製作演習(一斉実験形式) データ処理,電子回路の製作演習を通して,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
14週 データ処理法および電子回路製作演習(一斉実験形式) データ処理,電子回路の製作演習を通して,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
15週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身の報告内容の改善点を理解することができる。また,前期内の報告書提出を完了させることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 実験テーマ概要説明日 各テーマの実験目的,必要となる関連知識,注意事項について説明できる。
2週 直流発電機の試験 他励および自励発電機の発電特性を理解し,電機子反作用についての理解を深め直流発電機の試験が実践できる。
3週 単相電力計による三相電力の測定 三相電力の測定方法を理解するとともに,単相電力計の取扱い方法を習得し、三相電力を測定することができる。
4週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身の報告内容の改善点を理解することができる。
5週 変圧器 各種試験による変圧器の回路定数測定方法を理解し,効率および電圧変動率についての理解を深める。3台の単相変圧器を用いた三相変圧の方法を習得し,変圧器の実験ができる。
6週 整流回路 整流回路の構成方法を学び,リップル率を測定することができる。
7週 共振回路 RLC直列およびRLC並列回路の共振現象を測定することができる。
8週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身の報告内容の改善点を理解することができる。
4thQ
9週 ホール効果 p型シリコン,n型シリコンのホール電圧を測定することができ、ホール効果全体の現象について理解できる。
10週 磁化特性の測定 強磁性体試料の磁化特性を測定することができ,磁性材料の特性について理解することができる。
11週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身の報告内容の改善点を理解することができる。
12週 バイポーラトランジスタの静特性(一斉実験形式) バイポーラトランジスタのベース接地回路およびエミッタ接地回路の入出力特性を測定でき,各電流増幅率などを算出できる。
13週 バイポーラトランジスタの静特性(一斉実験形式) バイポーラトランジスタのベース接地回路およびエミッタ接地回路の入出力特性を測定でき,各電流増幅率などを算出できる。
14週 バイポーラトランジスタの静特性(一斉実験形式) バイポーラトランジスタのベース接地回路およびエミッタ接地回路の入出力特性を測定でき,各電流増幅率などを算出できる。
15週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身の報告内容の改善点を理解することができる。また,後期内の報告書提出を完了させることができる。
16週

評価割合

実験態度実験の理解度・達成度報告書合計
総合評価割合102070100
基礎的能力10202050
専門的能力005050