到達目標
1. フェーザ表示に基づく交流回路の計算法を習得する。
2. キルヒホッフの法則,テブナンの定理,重ね合わせの定理などに基づく交流回路網の計算法を習得する。
3. 交流回路の周波数特性,共振回路の計算法を習得する。
4. 三相交流回路の計算法を習得する。
5. 二端子対回路の計算法を習得する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | フェーザ表示に基づく交流回路の計算が充分にできる。 | フェーザ表示に基づく交流回路の計算ができる。 | フェーザ表示に基づく交流回路の計算ができない。 |
評価項目2 | キルヒホッフの法則,テブナンの定理,重ね合わせの定理などに基づく交流回路網の計算が充分にできる。 | キルヒホッフの法則,テブナンの定理,重ね合わせの定理などに基づく交流回路網の計算ができる。 | キルヒホッフの法則,テブナンの定理,重ね合わせの定理などに基づく交流回路網の計算ができない。 |
評価項目3 | 交流回路の周波数特性および共振回路の計算が充分にできる。 | 交流回路の周波数特性および共振回路の計算ができる。 | 交流回路の周波数特性および共振回路の計算ができない。 |
評価項目4 | 三相交流回路の計算が充分にできる。 | 三相交流回路の計算ができる。 | 三相交流回路の計算ができない。 |
評価項目5 | 二端子対回路の計算が充分にできる。 | 二端子対回路の計算ができる。 | 二端子対回路の計算ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
Ⅰ 人間性 1 Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性 2 Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性 3 Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力 5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力 7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
教育方法等
概要:
電気回路の学習は, 電気・電子工学を学ぶ上で最重要基礎科目のひとつとして位置づけられており, 今後の学習を重ねるうえで不可欠のものである。2年生で習得した交流回路の基礎概念をベースに,数学や物理の知識を活用してやや応用的な回路計算手法について習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
授業の進度に合わせて適宜演習を取り入れ,具体的な計算能力を身に付ける。学習目標に関する達成度確認と定期試験,課題によって総合的に達成度を評価する。年間の評価の割合は,定期試験40%,達成度確認40%,課題20%とし,合格点は60点以上とする。評価が60点未満の場合には再試験を実施することがあり、定期試験および達成度確認試験の成績を置き換える。
注意点:
教科書,定規,関数電卓を用意すること。第2学年の電気回路Ⅰの知識を前提とする。そのため,これらの教科書の例題を含め自学習により解答し,課題レポートに備えること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
交流回路のフェーザ表示法①
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電圧,電流,インピーダンスのフェーザ表示法を理解する。
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2週 |
交流回路のフェーザ表示法②
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素子が直列接続,並列接続された交流回路のフェーザ表示法を理解する。
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3週 |
交流回路のフェーザ表示法③ |
素子が直並列接続された交流回路のフェーザ表示法を理解する。
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4週 |
キルヒホッフの法則① |
節点電流法と網目電流法に基づく回路方程式の組み立てを理解する。
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5週 |
キルヒホッフの法則② |
複素数表示された交流回路網についてキルヒホッフの法則に基づく計算ができる。
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6週 |
問題演習 |
1週目~5週目の内容について理解を深める。
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7週 |
電圧源と電流源 |
テブナンの定理やノートンの定理,重ね合わせの定理を理解するうえで必須な電圧源と電流源の取り扱いを理解する。
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8週 |
テブナンの定理 |
交流回路網に対するテブナンの等価回路の作成法およびそれに基づく計算法を理解する。
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2ndQ |
9週 |
重ね合わせの定理 |
交流回路網に対する重ね合わせの定理を適用した計算ができる。
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10週 |
問題演習 |
7週目~9週目の内容について理解を深める。
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11週 |
交流電力① |
有効電力,無効電力,皮相電力の計算法を理解する。
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12週 |
交流電力② |
有効電力,無効電力,皮相電力の計算法を理解する。
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13週 |
交流回路の条件による解法① |
様々な条件が付与された場合の具体的な回路計算ができる。
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14週 |
交流回路の条件による解法② |
様々な条件が付与された場合の具体的な回路計算ができる。
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15週 |
問題演習 |
11週目~14週目の内容について理解を深める。
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16週 |
前期定期試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
交流回路の周波数特性① |
フィルタや共振回路の基礎となる交流回路の周波数特性を理解する。
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2週 |
交流回路の周波数特性② |
RL直列回路とRC直列回路の周波数特性,フェーザ軌跡を理解する。
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3週 |
共振回路① |
直列共振回路について,共振周波数の計算法や回路のQを理解する。
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4週 |
共振回路② |
並列共振回路について,共振周波数の計算法や回路のQを理解する。
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5週 |
相互インダクタンス回路と理想変成器 |
相互インダクタンス回路の計算法を理解し、理想変成器についても理解する。
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6週 |
問題演習 |
1週目~5週目の内容について理解を深める。
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7週 |
三相交流回路① |
三相交流回路の位相関係や利便性を理解する。
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8週 |
三相交流回路② |
Δ結線,Y結線のそれぞれについて線間電圧と相電圧の関係などを理解する。
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4thQ |
9週 |
三相交流回路② |
Δ‐Y変換について理解する。
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10週 |
三相交流回路④ |
三相交流での電力の計算方法を理解する。
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11週 |
問題演習 |
7週目~10週目の内容について理解を深める。
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12週 |
二端子対回路① |
二端子対回路のZマトリクスなどを使った表示法を理解する。
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13週 |
二端子対回路② |
二端子対回路を相互接続した場合のZマトリクスなどの表示法を理解する。
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14週 |
二端子対回路③ |
二端子対回路の入出力インピーダンスについて理解する。
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15週 |
問題演習 |
12週目~14週目の内容について理解を深める。
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16週 |
後期定期試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2,前3 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前1,前2,前3 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前2,前3 |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 4 | 前9 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前4,前5 |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前4,前5 |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 4 | 前8 |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 4 | 後3,後4 |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 4 | 後5 |
理想変成器を説明できる。 | 4 | 後5 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前11 |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 4 | 後7,後8 |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 4 | 後9 |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 4 | 後8,後10 |
評価割合
| 定期試験 | 達成度確認 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 30 | 15 | 75 |
専門的能力 | 10 | 10 | 5 | 25 |
分野横断能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |