到達目標
1.原子,物質の構造について理解し,その内容を説明できる.
2.エネルギーバンド図の意味や物質による違いについて説明できる.
3.pn接合の構造とその応用について理解し,その概要を説明できる.
4.バイポーラトランジスタの構造や特徴,動作原理について説明できる.
5.電界効果トランジスタの構造と動作原理について説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 原子,物質の構造について理解し,その内容を図等を用いて説明できる. | 原子,物質の構造について理解し,その内容を説明できる. | 原子,物質の構造について説明できない. |
評価項目2 | 物質によるエネルギーバンドの違いやそれに基づく性質の違いについて説明できる. | 物質によるエネルギーバンドの違いについて説明できる. | エネルギーバンドに関する説明ができない. |
評価項目3 | pn接合の構造とその動作原理,特徴について説明できる. | pn接合の構造と特徴について説明できる. | pn接合について,その概要を説明できない. |
評価項目4 | バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの構造,動作原理及びその応用事例について説明できる. | バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの構造,動作原理及びその特徴について説明できる. | バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタに関する説明ができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
各種電気電子機器の構成要素である電子デバイスについて,半導体材料の基礎を中心に学習を行う.本科目の基本概念となる原子の構造や固体中での電子の振る舞いから学習を始め,ダイオード,各種トランジスタを例に具体的な半導体素子の特徴,動作原理等について理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
授業は座学中心で行い,適宜参考となる自作プリントを配布する.
各授業内容に対する到達目標に関する試験及び自学自習で努めた演習・課題レポート等で総合的に達成度を評価する.
学業成績評価は,定期試験:50%,中間達成度確認テスト:30%,演習・課題レポート:20%の割合で行い,合格点は60点以上である.
学業成績評価が60点未満の場合,再試験を実施することがある.この再試験の成績は,中間達成度確認テスト及び定期試験の成績に置き換えて再評価を行う.
注意点:
物理Ⅰ・Ⅱ,化学Ⅰ・Ⅱで学んだ原子の構造や物質の性質が本科目の基礎となるため,自学自習時間等を活用し,復習に努めること.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
原子の成り立ちと電子軌道(1) |
原子の構造について説明できる.
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2週 |
原子の成り立ちと電子軌道(2) |
エレクトロンボルトの定義を理解し,単位換算等の計算ができる.
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3週 |
原子内の電子配置(1) |
ボーアの水素原子モデルについて,図を描いて説明できる.
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4週 |
原子内の電子配置(2) |
量子数,パウリの排他律を理解し,原子の電子配置について説明できる.
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5週 |
原子の結合と結晶構造 |
代表的な原子の結合様式とその特徴について説明できる.
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6週 |
金属の電気伝導(1) |
金属の導電現象の特徴について説明できる.
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7週 |
金属の電気伝導(2) |
金属中での電子の運動を基に,移動度や抵抗率の計算ができる.
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8週 |
金属の電気伝導(3) |
金属の電気抵抗の原因について,結晶格子の乱れを用いて説明できる.
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2ndQ |
9週 |
エネルギーバンド理論(1) |
エネルギーバンドの成り立ちについて説明できる.
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10週 |
エネルギーバンド理論(2) |
フェルミ・ディラック分布を理解し,金属と絶縁体のエネルギーバンド図の違いについて説明できる.
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11週 |
真性半導体,不純物半導体(1) |
真性半導体と不純物半導体の違いについて説明できる.
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12週 |
真性半導体,不純物半導体(2) |
不純物半導体の成り立ちについて,原子の結合を踏まえて説明できる.
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13週 |
不純物半導体の電気伝導(1) |
不純物半導体のエネルギーバンドについて説明できる.
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14週 |
不純物半導体の電気伝導(2) |
半導体中のキャリアの移動過程について説明できる.
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15週 |
不純物半導体の電気伝導(3) |
不純物半導体の電気抵抗における温度依存について説明できる.
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16週 |
前期定期試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
半導体デバイスの基礎 |
半導体デバイスの代表例を挙げることができる.
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2週 |
pn接合の構造 |
pn接合の構造や用途について説明できる.
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3週 |
pn接合と整流作用 |
pn接合の電流ー電圧特性について,エネルギーバンド図を用いて説明できる.
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4週 |
pn接合の降伏現象 |
pn接合の降伏現象発生のしくみについて説明できる.
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5週 |
バイポーラトランジスタの特徴 |
バイポーラトランジスタの基本構造や用途について説明できる.
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6週 |
バイポーラトランジスタの動作原理(1) |
バイポーラトランジスタの動作原理について概説できる.
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7週 |
バイポーラトランジスタの動作原理(2) |
バイポーラトランジスタの動作原理について,エネルギーバンド図を用いて説明できる.
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8週 |
バイポーラトランジスタ各接地回路の特性 |
バイポーラトランジスタの各接地回路の特徴や静特性について説明できる.
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4thQ |
9週 |
電界効果トランジスタの種類と特徴 |
電界効果トランジスタの種類や構造、バイポーラトランジスタとの根本的な動作上の違いについて説明できる.
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10週 |
接合型電界効果トランジスタの構造 |
接合型電界効果トランジスタの基本構造について,図を描いて説明できる.
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11週 |
接合型電界効果トランジスタの動作原理(1) |
伝達特性,出力特性が得られるしくみについて説明できる.
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12週 |
接合型電界効果トランジスタの動作原理(2) |
相互コンダクタンスの求め方や意味について説明できる.
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13週 |
MOS型電界効果トランジスタの構造 |
MOS型電界効果トランジスタの基本構造について,図を描いて説明できる.
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14週 |
MOS型電界効果トランジスタの動作原理(1) |
伝達特性,出力特性が得られるしくみについて説明できる.
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15週 |
MOS型電界効果トランジスタの動作原理(2) |
エンハンスメント型およびデプレッション型の違いについて説明できる.
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16週 |
後期定期試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 4 | 後1,後2 |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 4 | 前1 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 4 | 前2 |
原子の構造を説明できる。 | 4 | 前3,前5 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 前9,前10 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 4 | 前6,前7,前8 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 4 | 前11,前12,前13,前14,前15 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 前7,前8,前13 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 4 | 後1,後5,後6,後7,後8 |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 4 | 後1,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
評価割合
| 定期試験 | 中間達成度確認テスト | 演習・課題 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 30 | 20 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 25 | 20 | 10 | 0 | 55 |
専門的能力 | 25 | 10 | 10 | 0 | 45 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |