概要:
各種電気電子機器の構成要素である電子デバイスについて,半導体材料の基礎を中心に学習を行う。本科目の基本概念となる原子の構造や固体中での電子の振る舞いから学習を始め,ダイオード,各種トランジスタを例に具体的な半導体素子の特徴,動作原理等について理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
授業は座学中心で行い,適宜参考となる自作プリントを配布する。
各授業内容に対する到達目標に関する試験及び自学自習で努めた演習・課題レポート等で総合的に達成度を評価する。
学業成績評価は,定期試験:50%,中間達成度確認テスト:30%,演習・課題レポート:20%の割合で行い,合格点は60点以上である。
学業成績評価が60点未満の場合,再試験を実施することがある。この再試験の成績は,中間達成度確認テスト及び定期試験の成績に置き換えて再評価を行う。
注意点:
物理Ⅰ・Ⅱ,化学Ⅰ・Ⅱで学んだ原子の構造や物質の性質が本科目の基礎となるため,自学自習時間等を活用し,復習に努めること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
原子の成り立ちと電子軌道(1) |
原子の構造について説明できる。
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2週 |
原子の成り立ちと電子軌道(2) |
エレクトロンボルトの定義を理解し,単位換算等の計算ができる。
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3週 |
原子内の電子配置(1) |
ボーアの水素原子モデルについて,図を描いて説明できる。
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4週 |
原子内の電子配置(2) |
量子数,パウリの排他律を理解し,原子の電子配置について説明できる。
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5週 |
原子の結合と結晶構造 |
代表的な原子の結合様式とその特徴について説明できる。
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6週 |
金属の電気伝導(1) |
金属の導電現象の特徴について説明できる。
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7週 |
金属の電気伝導(2) |
金属中での電子の運動を基に,移動度や抵抗率の計算ができる。
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8週 |
金属の電気伝導(3) |
金属の電気抵抗の原因について,結晶格子の乱れを用いて説明できる。
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2ndQ |
9週 |
エネルギーバンド理論(1) |
エネルギーバンドの成り立ちについて説明できる。
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10週 |
エネルギーバンド理論(2) |
フェルミ・ディラック分布を理解し,金属と絶縁体のエネルギーバンド図の違いについて説明できる。
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11週 |
真性半導体,不純物半導体(1) |
真性半導体と不純物半導体の違いについて説明できる。
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12週 |
真性半導体,不純物半導体(2) |
不純物半導体の成り立ちについて,原子の結合を踏まえて説明できる。
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13週 |
不純物半導体の電気伝導(1) |
不純物半導体のエネルギーバンドについて説明できる。
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14週 |
不純物半導体の電気伝導(2) |
半導体中のキャリアの移動過程について説明できる。
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15週 |
不純物半導体の電気伝導(3) |
不純物半導体の電気抵抗における温度依存について説明できる。
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16週 |
前期定期試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
半導体デバイスの基礎 |
半導体デバイスの代表例を挙げることができる。
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2週 |
pn接合の構造 |
pn接合の構造や用途について説明できる。
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3週 |
pn接合と整流作用 |
pn接合の電流ー電圧特性について,エネルギーバンド図を用いて説明できる。
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4週 |
pn接合の降伏現象 |
pn接合の降伏現象発生のしくみについて説明できる。
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5週 |
バイポーラトランジスタの特徴 |
バイポーラトランジスタの基本構造や用途について説明できる。
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6週 |
バイポーラトランジスタの動作原理(1) |
バイポーラトランジスタの動作原理について概説できる。
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7週 |
バイポーラトランジスタの動作原理(2) |
バイポーラトランジスタの動作原理について,エネルギーバンド図を用いて説明できる。
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8週 |
バイポーラトランジスタ各接地回路の特性 |
バイポーラトランジスタの各接地回路の特徴や静特性について説明できる。
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4thQ |
9週 |
電界効果トランジスタの種類と特徴 |
電界効果トランジスタの種類や構造、バイポーラトランジスタとの根本的な動作上の違いについて説明できる。
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10週 |
接合型電界効果トランジスタの構造 |
接合型電界効果トランジスタの基本構造について,図を描いて説明できる。
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11週 |
接合型電界効果トランジスタの動作原理(1) |
伝達特性,出力特性が得られるしくみについて説明できる。
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12週 |
接合型電界効果トランジスタの動作原理(2) |
相互コンダクタンスの求め方や意味について説明できる。
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13週 |
MOS型電界効果トランジスタの構造 |
MOS型電界効果トランジスタの基本構造について,図を描いて説明できる。
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14週 |
MOS型電界効果トランジスタの動作原理(1) |
伝達特性,出力特性が得られるしくみについて説明できる。
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15週 |
MOS型電界効果トランジスタの動作原理(2) |
エンハンスメント型およびデプレッション型の違いについて説明できる。
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16週 |
後期定期試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 3 | |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 3 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 3 | |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。 | 3 | |
共振について、実験結果を考察できる。 | 4 | |
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。 | 3 | |
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。 | 3 | |
論理回路の動作について実験結果を考察できる。 | 3 | |
ディジタルICの使用方法を習得する。 | 3 | |