電気磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気磁気学Ⅱ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 「教科書」松本聡 著 「工学の基礎 電気磁気学」裳華房 / 「参考書」村崎憲雄, 飽本一裕訳「マグロウヒル大学演習電気磁気学」オーム社
担当教員 佐々木 幸司

到達目標

(1) クーロンの法則を理解でき、これを利用してクーロン力の計算ができる。
(2) 電荷が作る電界を計算できる。またガウスの法則を利用して電界を求められる。また電界と電位の関係を理解し、電位を求められる。
(3) 静電誘導について理解でき、静電容量の計算ができる。また誘電体について理解でき、誘電体を含めた静電容量が計算できる。
(4) 電束密度について理解でき、電束密度の計算ができる。
(5) 電荷の流れより, オームの法則, 抵抗率, 抵抗率の温度係数, コンダクタンス, 導電率, ジュールの法則の基礎知識を理解し, 各諸量を求められる。
(6) 磁荷に関するクーロン力を計算でき, 磁界や磁束密度の定義を理解でき, 磁荷による磁界や磁束密度を計算できる。
(7) 磁性体の定義およびこれに関する法則を理解し, 様々な磁気モーメントを計算でき、各種磁気回路の計算ができる。
(8) 電流が流れるときに発生する磁界および磁束密度に関する各法則を理解し, 電流が作る磁界を計算できる。また磁界から受ける力を計算できる。
(9) 電磁誘導に関する法則を理解でき, 色々な形状のインダクタンスを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
クーロンの法則についてクーロンの法則を理解でき、これを利用して複雑に配置された電荷のクーロン力の計算ができる。クーロンの法則を理解でき、これを利用してクーロン力の計算ができる。クーロンの法則を理解できず、これを利用してクーロン力の計算ができない。
電荷と電界について複雑に配置された電荷が作る電界を計算できる。またガウスの法則を利用して複雑な形状での電界を求められる。電荷が作る電界を計算できる。またガウスの法則を利用して電界を求められる。電荷が作る電界を計算できない。またガウスの法則を利用して電界を求められない。
電界と電位について電界と電位の関係を理解でき、複雑な電界や電位を求めることができる。電界と電位の関係を理解でき、求めることができる。電界と電位の関係を理解できず、相互に求めることができない。
静電誘導と静電容量について静電誘導について理解でき、複雑な形状の静電容量を求められる。静電誘導について理解でき、静電容量を求められる。静電誘導について理解できず、静電容量を求められない。
誘電体について誘電体と分極電荷について深く理解でき、境界条件に関する計算ができる。誘電体と分極電荷について理解でき、境界条件に関する計算ができる。誘電体と分極電荷について理解できず、境界条件に関する計算ができない。
電束密度について電束密度について理解でき、ガウスの法則を利用して、複雑な形状の電束密度が計算できる。電束密度について理解でき、ガウスの法則を利用して、電束密度が計算できる。電束密度について理解できず、ガウスの法則を利用して、電束密度が計算できない。
定常電流について電荷の流れより, オームの法則, 抵抗率, 抵抗率の温度係数, コンダクタンス, 導電率, ジュールの法則の基礎知識を深く理解し, 各諸量を組み合わせて, 他の物理量を計算できる。 電荷の流れより, オームの法則, 抵抗率, 抵抗率の温度係数, コンダクタンス, 導電率, ジュールの法則の基礎知識を理解し, 各諸量を計算できる。電荷の流れより, オームの法則, 抵抗率, 抵抗率の温度係数, コンダクタンス, 導電率, ジュールの法則の基礎知識を理解できす, 各諸量を計算できない。
磁荷について磁荷に関する複雑なクーロン力を計算でき, 磁界や磁束密度の定義を深く理解でき, 磁荷による複雑な磁界や磁束密度を計算できる。 磁荷に関するクーロン力を計算でき, 磁界や磁束密度の定義を理解でき, 磁荷による磁界や磁束密度を計算できる。 磁荷に関するクーロン力を計算できず, 磁界や磁束密度の定義を理解できず, 磁荷による磁界や磁束密度を計算できない。
磁性体について磁性体の定義およびこれに関する法則を深く理解し, 複雑な磁気モーメントを計算でき、複雑な磁気回路の計算ができる。磁性体の定義およびこれに関する法則を理解し, 様々な磁気モーメントを計算でき、各種磁気回路の計算ができる。磁性体の定義およびこれに関する法則を理解できず, 様々な磁気モーメントを計算できず、各種磁気回路の計算ができない。
磁界および磁束密度について電流が流れるときに発生する磁界および磁束密度に関する各法則を深く理解でき, 複雑な電流形状が作る磁界を計算できる。また磁界から受ける力を計算できる。電流が流れるときに発生する磁界および磁束密度に関する各法則を理解し, 電流が作る磁界を計算できる。また磁界から受ける力を計算できる。電流が流れるときに発生する磁界および磁束密度に関する各法則を理解できず, 電流が作る磁界を計算できない。また磁界から受ける力を計算できない。
電磁誘導について電磁誘導に関する法則を深く理解でき, 複雑な形状のインダクタンスを計算できる。電磁誘導に関する法則を理解でき, 色々な形状のインダクタンスを計算できる。電磁誘導に関する法則を理解できず, 色々な形状のインダクタンスを計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の習得を通して,継続的に学習することができる
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
2学年での電気磁気学Ⅰに引き続き, 電気電子工学の重要な基礎分野である電気磁気現象を論理的, 定量的に学ぶことで, 電気電子技術者にとって必要な基礎となる知識を身につけることを目的とする。2年生で学習した電気・磁気に関する現象や法則について、微分および積分を利用した高度な内容について学習し, 電気磁気学の基礎を習得する。
授業の進め方・方法:
講義主体で進める。数学・物理はもちろん, 電気電子基礎, 電気回路Ⅰ, 電気磁気学Ⅰで習得した知識, さらには電気機器Ⅰ, 電子デバイスⅠなどの関連する科目についても十分理解しておくこと。

達成目標に関する内容の試験および小テストで達成度を評価する。試験50%, 達成度確認30%, 課題・小テスト等20%で成績評価する。合格点は60点である。再試験は実施することがある。
注意点:
必要に応じて小テスト等を実施する。それに備えて自学自習に努めること。また電気磁気学を理解するためには計算が必須である。各自計算練習に努めること。
理解を深めるための演習はもちろん, 日常の授業のための予習復習時間として自学自習時間を要する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 クーロンの法則 クーロンの法則を用いて、クーロン力を計算できる。
2週 電荷が作る電界(1) 電荷が作る電界を計算できる。
3週 電荷が作る電界(2) 複数の電荷が作る電界を計算できる。
4週 電気力線 電気力線と電荷の関係を理解できる。
5週 ガウスの法則 ガウスの法則を理解できる。
6週 ガウスの法則による電界の計算 ガウスの法則を利用して電界を求められる。
7週 電界と電位および仕事 電界と電位の関係を理解し、電位を求められる。
8週 等電位面と電気力線 等電位面と電気力線の関係を理解できる。
2ndQ
9週 電気双極子 電気双極子が作る電位と電界を計算できる。
10週 静電誘導 静電誘導の原理を理解できる。
11週 静電容量 様々な形状の静電容量を計算できる。
12週 誘電体 導体と誘電体の区別ができ、誘電体内部の電界について理解できる。
13週 分極電荷 分極について理解できる。
14週 電束密度とガウスの法則 電束密度について理解でき、ガウスの法則を利用して電束密度を求められる。
15週 電界および電束密度の境界条件 異なる媒体が接するとき, 電界・電束密度の関係について理解し, 計算できる。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 定常電流と抵抗、オームの法則 抵抗率, 抵抗率の温度係数, コンダクタンス, 導電率を理解し, 各諸量を求められる。オームの法則を理解し, 各諸量を求められる。
2週 電流密度、ジュールの法則
電荷の流れより, コンダクタンス, 導電率を理解し, 電流密度を求められる。
抵抗率, 抵抗率の温度係数, コンダクタンス, 導電率, ジュールの法則の基礎知識を理解し, 各諸量を求められる。
3週 磁荷に関するクーロン力 磁荷に関するクーロン力を計算できる。
4週 磁荷による磁界と磁束密度 磁界と磁束密度を理解でき、計算できる。
5週 磁性体 各種の磁性体の特徴を説明できる。
6週 磁界および磁束密度に関する境界条件 異なる媒体が接するとき, 磁界・磁束密度の関係について理解し, 計算できる。
7週 磁気回路 各種形状の磁気回路について理解し, 起磁力, 磁束, 磁気抵抗を計算できる。
8週 ビオ・サバールの法則 ビオ・サバールの法則により, 磁束密度を計算できる。
4thQ
9週 アンペールの法則 アンペールの法則により, 磁束密度を計算できる。
10週 電流が磁界から受ける力
電流が磁界から受ける力を計算できる。
11週 電荷が磁界から受ける力
電荷が磁界から受ける力を計算できる。
12週 ファラデーの法則
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。
13週 自己インダクタンス
自己誘導を説明でき、自己インダクタンスを計算できる。
14週 相互インダクタンス
相互誘導を説明でき、相互インダクタンスを計算できる。
15週 磁気エネルギー
磁気エネルギーを説明でき、計算できる。
16週 後期定期試験

評価割合

試験達成度確認課題・小テスト等合計
総合評価割合503020100
基礎的能力0000
専門的能力503020100
分野横断的能力0000