電気電子工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅱ
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:苫小牧高専創造工学科電気電子系編「電気電子工学実験II 説明書」(苫小牧高専)/教材:堀 重雄「電気実験・電子編(改訂版)」(電気学会),電気学会通信教育会「電気実験・機器電力編(修正増補版)」(電気学会),木下 是雄「理科系の作文技術」(中公新書),Robert Barrass: Scientists Must Write "A Guide to Better Writing for Scientists, Engineers and Students" (Falmer Pr)
担当教員 赤塚 元軌,奥山 由,工藤 彰洋,佐々木 幸司,佐沢 政樹,奈須野 裕,山田 昭弥,堀 勝博

到達目標

1.これまでに学んできた数学,自然科学および工学の基礎知識を,実験を通して深めるとともに活用および応用することができる。
2.既習知識を駆使して実験データを解析し,その成果を報告書にまとめ,論理的に説明することができる。
3.班のメンバーと協力し,円滑かつ効率的な実験を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1座学で学んだ基礎知識と実験の関係を十分に理解できる。座学で学んだ基礎知識と実験の関係を理解できる。座学で学んだ基礎知識と実験の関係を理解していない。
評価項目2報告書において,データの正確な解析と論理的な説明が十分にできる。報告書において,データの正確な解析と論理的な説明ができる。データの正確な解析と論理的な説明ができず,報告書を提出できない。
評価項目3班員と綿密に協力して,円滑かつ効率的に実験を行うことができる。班員と協力して,円滑かつ効率的に実験を行うことができる。班員と協力できず,円滑かつ効率的に実験を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
電気電子工学の各分野における基礎および応用的な実験を行うことにより,講義で得た知識を高め,実験に対する観察力と解析能力を養うことを目的とする。また,第3学年での電気電子工学実験Ⅰでの成果を土台に,実験機器,計測機器の取扱い方について習熟するとともに諸量の数値的概念を会得し,技術者としての常識を深める。
授業の進め方・方法:
学期前半は,クラスを7班に分けて原則1テーマ1班で行う。2または3週毎に実験指導日を設け,主に直近の実施テーマの報告書内容指導を行う。学期後半は,電子回路製作演習を一斉実験形式で実施する。評価は各テーマでの実験態度10%(個人の実験態度,チームワーク),実験内容の理解度・達成度20%(予習・事前の準備,事後の理解度で評価する。ただし,評価ポイントは実験テーマ毎に異なるので,詳細については担当教員の説明を受けること),報告書70%(体裁,結果の分析,考察,提出期限の厳守)で行い,テーマ個々の評価点を総合的に判断し,本科目の評価点とする。合格点は60点以上である。
なお諸事情により,期間途中でやむなく遠隔授業対応となり,対面での実験実施が困難となった場合,対面授業再開時期を見て追実験を行うか,あるいは実施したテーマ数を考慮し評価方法を一部変更することもある。この場合の評価方法,内容の変更については,別途検討の上,確定次第,速やかに学生に周知する。
注意点:
関数電卓,テスター,工具,グラフ用紙,定規の他,担当教員の指示する用具を用意すること。
実験の円滑な実施のための事前学習,および実験後の報告書作成と関連する情報収集,調査等をしっかりと行うこと。
原則として対面で実施するが,本校のやむを得ない諸事情により遠隔授業実施等が求められた場合,一部テーマについて遠隔対応の場合もあり得る(その場合,別途連絡,周知する)。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験テーマ説明日 各テーマの実験目的,必要となる基礎事項,専門知識について説明できる。
2週 シーケンス制御 シーケンス制御回路実習を実践することができ,シーケンス図の読み方,回路の組み方を理解できる。
3週 誘導電動機の試験と周波数制御 かご型および巻線型誘導電動機の負荷特性を理解する。各種試験による回路定数算定方法を習得する。また,インバータを使用した誘導機の速度制御法を理解し,実験できる。
4週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身のまとめた報告内容の改善点を理解の上,修正できる。
5週 高電圧工学実験 電極の形状によるギャップ長と放電電圧との関係を調べ,高電圧試験法の基本を理解できる。
6週 太陽電池の基礎特性 太陽電池の電流ー電圧特性を測定し,開放電圧,短絡電流などの各種基礎パラメータの意義について理解できる。
7週 トランジスタスイッチング回路 トランジスタを利用したスイッチング回路の動作を理解し実験できる。
8週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身のまとめた報告内容の改善点を理解の上,修正できる。
2ndQ
9週 低周波電圧増幅器 トランジスタ小信号低周波電圧増幅器(エミッタ接地形抵抗・容量結合増幅回路)および負帰還増幅器の特性を理解し、測定することができる。
10週 フリップ・フロップ 各種フリップ・フロップの実験をすることができ,順序回路の理解を深め,さらに応用方法について理解できる。
11週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身のまとめた報告内容の改善点を理解の上,修正できる。
12週 電子回路製作実験演習1(一斉実験形式) 電子回路の製作実験やデータ処理演習課題に取り組み,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
13週 電子回路製作実験演習1(一斉実験形式) 電子回路の製作実験やデータ処理演習課題に取り組み,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
14週 電子回路製作実験演習1(一斉実験形式) 電子回路の製作実験やデータ処理演習課題に取り組み,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
15週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身のまとめた報告内容の改善点を理解の上,修正できる。また,前期内の報告書提出を完了させることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 実験テーマ説明日 各テーマの実験目的,必要となる基礎事項,専門知識について説明できる。
2週 三相同期電動機の実験 三相同期電動機の始動方法を学び,位相特性および負荷特性の実験ができる。
3週 三相同期発電機の実験 三相同期発電機の各試験を実施することができ,短絡比の求め方を学び,電圧変動率についての知識を深めることができる。
4週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身のまとめた報告内容の改善点を理解の上,修正できる。
5週 PWMインバータ PWMインバータの動作原理およびその基本特性を理解する。高調波解析を行うことができる。
6週 変調・復調回路 変調・復調回路の原理を理解し,実験できる。
7週 オペアンプ IC演算増幅器(オペアンプ)の使い方を学び,増幅回路の原理および特性を理解の上,実験できる。
8週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身のまとめた報告内容の改善点を理解の上,修正できる。
4thQ
9週 電界効果トランジスタ 電界効果トランジスタの静特性と諸パラメータを求めることができ,その動作原理について理解し,説明できる。
10週 AD・DA変換 逐次変換アルゴリズムを使ってAD変換器を構成し,その動作原理について理解を深めるとともに実験できる。
11週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身のまとめた報告内容の改善点を理解の上,修正できる。
12週 電子回路製作実験演習2(一斉実験形式) 電子回路の製作実験やデータ処理演習課題に取り組み,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
13週 電子回路製作実験演習2(一斉実験形式) 電子回路の製作実験やデータ処理演習課題に取り組み,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
14週 電子回路製作実験演習2(一斉実験形式) 電子回路の製作実験やデータ処理演習課題に取り組み,ものづくりに必要な技能を習得することができる。
15週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け,報告書の作成方法や自身のまとめた報告内容の改善点を理解の上,修正できる。また,後期内の報告書提出を完了させることができる。
16週

評価割合

実験態度実験の理解度・達成度報告書合計
総合評価割合102070100
基礎的能力10202050
専門的能力005050