通信工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 通信工学Ⅱ
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:第一級陸上特殊無線技士標準教科書「無線工学」一般財団法人 情報通信振興会、教材:佐藤正志ら著「エース情報通信工学」朝倉書店、B.P.Lathi:”Modern Digital and Analog Communication Systems”,Oxford University Press.
担当教員 工藤 彰洋

到達目標

1)アナログパルス変調について概要が説明できる。
2)波形符号化方式の概要が説明できる。
3)ディジタル伝送方式の概要が説明できる。
4)無線通信の基礎と無線電話装置の概要が説明できる。
5)スペクトル拡散通信方式の特徴と概要が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
アナログパルス変調についてアナログパルス変調について概要が説明できることに加え、量子化におけるSN比が計算できる。アナログパルス変調について概要が説明できる。アナログパルス変調について概要が説明できない。
波形符号化方式について波形符号化方式の概要が説明できることに加え、信号圧縮によるSN比が計算できる。波形符号化方式の概要が説明できる。波形符号化方式の概要が説明できない。
ディジタル伝送方式についてディジタル伝送方式の概要が説明できることに加え、通信の誤り率の計算ができる。ディジタル伝送方式の概要が説明できる。ディジタル伝送方式の概要が説明できない。
無線通信方式と通信装置について無線通信の基礎と無線電話装置の概要を説明できることに加え、動作原理についても説明できる.無線通信の基礎と無線電話装置の概要が説明できる。無線通信の基礎と無線電話装置の概要が説明できない。
スペクトル拡散通信についてスペクトル拡散通信方式の特徴や概要が説明できることに加え、動作原理も説明できる。スペクトル拡散通信方式の特徴と概要が説明できる。 スペクトル拡散通信方式の特徴と概要が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
急速な進歩を遂げている電気通信技術について、基本的事項や原理および最新の技術について理解する。また、第2級陸上特殊無線技士取得のための知識を身につける。
授業の進め方・方法:
高度情報化社会を支え、また急速な進歩を遂げている電気通信技術について、基本的事項や原理および最新の技術について理解し、高度な通信技術に対応できるための基礎を修得できることを目的とする。そのために、第4学年の続きとしてPCM、および波形符号化方式とディジタル伝送方式について教授する。最後に、情報通信技術の応用であるスペクトル拡散通信について教授する。事前・事後学習が適切に行われているかを確認するため,各トピックが終了した際に課題を与える。定期試験60%,課題40%の割合で評価する。合格点は60点以上である。評価が60点に満たない者には再試験を実施する場合がある。この場合、定期試験と課題の評価を、再試験の成績で置き換える。すなわち、再試験の評価割合を100%として再評価を行なう。この評価が60点を超えた場合には、学業成績を60点とする。
注意点:
4年生までに習得した微分積分,確率,通信工学Ⅰ等を前提とする.そのため,これらの教科書の例題を含め自学習により解答し,試験や達成度評価に備えること. 自学自習時間として,日常の授業のための予習復習時間,理解を深めるための復習予習,および各試験の準備のための現況時間60時間を総合したのもとする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 アナログパルス変調(標本化のための数学) PCMの原理,量子化雑音の原理を理解し,SN比の計算ができる.
2週 アナログパルス変調(標本化定理) PCMの原理,量子化雑音の原理を理解し,SN比の計算ができる.
3週 アナログパルス変調(量子化と量子化雑音) PCMの原理,量子化雑音の原理を理解し,SN比の計算ができる.
4週 アナログパルス変調(様々なパルス変調方式、伝送帯域とSN比) PCMの原理,量子化雑音の原理を理解し,SN比の計算ができる.
5週 波形符号化方式(パルス符号変調) 各種のディジタル変調の意味,原理を理解し,各種変調方式の変調,復調の原理を説明できる.
6週 波形符号化方式(差分パルス符号変調) 各種のディジタル変調の意味,原理を理解し,各種変調方式の変調,復調の原理を説明できる.
7週 波形符号化方式(デルタ変調) 各種のディジタル変調の意味,原理を理解し,各種変調方式の変調,復調の原理を説明できる.
8週 ディジタル伝送方式(基底帯域伝送) ディジタル伝送の方式,伝送効率を上げるための多重化についての各種方式について理解し説明できる.
2ndQ
9週 ディジタル伝送方式(搬送波伝送、多重化) ディジタル伝送の方式,伝送効率を上げるための多重化についての各種方式について理解し説明できる.
10週 無線通信の基礎(通信方式、多元接続方式) 通信の方式と多元接続方式について説明できる。
11週 無線電話装置(アナログ・ディジタル方式無線通信装置) 無線電話装置、衛星通信装置の理論、構造、機能及び保守運用について説明できる.
12週 無線電話装置(衛星通信のための無線通信装置) 無線電話装置、衛星通信装置の理論、構造、機能及び保守運用について説明できる.
13週 スペクトラム拡散通信(原理、DS方式、FH方式) 携帯電話や超遠距離衛星通信及びレーダーに使用されるスペクトル拡散通信について基礎的な原理と応用例について理解し説明できる.
14週 レーダーと電源(レーダーの原理と種類、電源)
レーダーの理論、構造、機能及び保守運用について説明できる.
15週 全体のレビュー これまでに学習したトピックスについて、再度、理解を深めることができる。
16週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100