信号処理

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 信号処理
科目番号 0034 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:馬場口ら著「新しい信号処理の教科書」オーム社 / 参考書:A.V.Oppenheim et.al., "Signal & Systems, International Edition" Prentice Hall.
担当教員 工藤 彰洋

到達目標

1.システムの出力を計算するために,インパルス応答とLTIシステムが重要であることを理解でき,LTIシステムの数学的表現が畳み込みであることを理解できる。
2.時間信号から離散時間フーリエ級数(DTFS)と離散時間フーリエ変換(DTFT)が計算できる。また、DTFTと離散フーリエ変換(DFT)の違いが説明できる。
3.z変換を用いて、時間信号や差分方程式から周波数特性を計算することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
LTIシステム畳み込みの計算ができるだけでなく,LTIシステムにおける畳込みの意味が説明できる。畳み込みの計算ができる。畳み込みの計算ができない。
フーリエ解析時間信号からDTFSとDTFTを計算でき、DTFTとDFTの違いも説明できる。時間信号からDTFS,DTFTを計算できる。与えられた時間信号からDTFS,DTFT,DFTを計算できない。
z変換差分方程式からz変換を得ることができ、周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができる。与えられたz変換から周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができる。与えられたz変換から周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
信号処理は工学の多くの分野において必要不可欠である。この講義では単なる数式の計算だけではなく、信号処理の体系に含まれる主要な概念の理解を重視して授業を進める。数式の計算はこれらの概念を理解するために必要となる。
授業の進め方・方法:
授業は座学中心とし、パワーポイントを用いたプレゼンテーション方式で進める。必要に応じて板書を利用する。資料を配布するので、端末にて資料を確認しながら授業に参加することを推奨する。
注意点:
この科目は学修単位のため、予習と復習を含めて60時間の自学自習時間を必要とする。評価の割合は、定期試験50%、達成度確認(小テスト)30%,事前事後学習のための演習・課題レポート20%を基準とし、合格点は60点以上である。学業成績が60点未満のものに対して再試験を実施する場合がある。この場合、定期試験と小テストおよび課題の評価を、再試験の成績で置き換えて、すなわち再試験の評価割合が100%で再評価を行う。ただし、この評価が60点を超えた場合には、学業成績を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 信号の表現と演算(インパルス信号の数学的取り扱いと信号表現) インパルス信号を用いた簡単な計算ができる。
インパルス信号による任意信号の表現法を理解できる。
2週 信号処理システム(システムの分類、接続) システムの概念を理解し,線形性,時不変性について説明できる。
3週 信号処理システム(線形時不変システム) 畳み込みの意味が説明できる。
4週 信号処理システム(線形時不変システム) 畳み込みが計算できる。
5週 信号処理システム(線形時不変システム) 反転法を用いた畳み込みの計算ができる。
6週 信号処理システム(線形時不変システム) システムの因果性と安定性を判定できる。
7週 離散時間フーリエ解析(フーリエ解析の種類) 種々の信号を分類し、それらに対応するフーリエ解析を説明できる。
8週 離散時間の信号とシステムにおけるフーリエ解析(DTFSと DTFTとDFT) 簡単な信号のDTFSおよびDTFTの計算ができる。
2ndQ
9週 離散時間の信号とシステムにおけるフーリエ解析(DTFSと DTFTとDFT) DTFTとDFTの違いを説明できる。
10週 z変換(ラプラス変換からのz変換の導出) ラプラス変換からz変換の定義を導出できる。
11週 z変換(z変換と逆z変換) 簡単な信号のz変換を計算できる。z変換から振幅特性と位相特性を計算できる。
12週 z変換(畳み込みの計算、伝達関数) z変換による畳込みが計算できる。システムの伝達関数による表現が理解できる。
13週 z変換(周波数特性) z変換から周波数特性が計算できる。
14週 ディジタルフィルタ(構成要素) ブロックダイアグラムから差分方程式が導出できる。
15週 ディジタルフィルタ(周波数選択フィルタ) ディジタルフィルタの周波数特性が計算できる。
16週

評価割合

定期試験達成度確認課題合計
総合評価割合503020100
基礎的能力0000
専門的能力503020100
分野横断的能力0000