信号処理

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 信号処理
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし / 参考書:貴家仁志 著「ディジタル信号処理のエッセンス」昭晃堂, A.V.Oppenheim et.al., "Signal & Systems, International Edition" Prentice Hall.
担当教員 工藤 彰洋

到達目標

1.システムの出力を計算するために,インパルス応答とLTIシステムが重要であることを理解でき,LTIシステムの数学的表現が畳み込みであることを理解できる。
2.フーリエ解析とz変換の理論を用いて,時間信号と周波数特性との対応付け,および周波数特性を計算することができる。
3.標本化定理と量子化の意味を理解し,説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
LTIシステム畳み込みの計算ができるだけでなく,LTIシステムにおける畳込みの意味が説明できる。畳み込みの計算ができる。畳み込みの計算ができるない。
フーリエ解析時間信号からDTFSとDTFTを計算でき、DTFTとDFTの違いも説明できる。時間信号からDTFS,DTFTを計算できる。与えられた時間信号からDTFS,DTFT,DFTを計算できない。
z変換差分方程式からz変換を得ることができ、周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができる。与えられたz変換から周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができる。与えられたz変換から周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができない。
標本化と量子化標本化定理と量子化の意味を理解し説明できるだけでなく、標本化定理を数式で証明でき、必要に応じた量子化ビット数を決めることができる。標本化定理と量子化の意味を理解し説明できる。標本化定理と量子化の意味が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性

教育方法等

概要:
信号処理は工学の多様な分野において必要不可欠な技術である。信号処理では高度な数学(数列,微積分,積分変換等)を用いることから,内容が難解であると思われがちである。この講義では,単なる数式の計算ではなく,信号処理の体系に含まれる主要な概念の理解を重視して授業を進める。数式の計算はこれらの概念を理解するために必要となる。
授業の進め方・方法:
授業は座学中心とし、プロジェクターに授業内容のパワーポイント資料を投影する方式で進める。必要に応じて板書を利用する。パワーポイント資料をBlackboard等で配布するので、端末にて資料を確認しながら授業に参加することを推奨する。
注意点:
この科目は学修単位のため、事前・事後学修として演習課題を実施するので、自学自習により積極的に取り組むこと。演習課題は目標が達成されていることを確認後,返却する。目標が達成されていない場合には,再提出を求めることもある。予習と復習を含めて60時間の自学自習時間を必要とする。達成目標に関する内容の試験および演習・課題レポートで総合的に達成度を評価する。割合は、達成度確認(小テスト)70%,事前事後学習のための演習・課題レポート30%を基準とし、合格点は60点以上である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタル信号 信号のサンプリングについて説明できる。量子化と標本化について説明できる。
2週 ディジタル信号 単位サンプル信号を用いた簡単な計算ができる。任意の信号を単位サンプル信号で表すことができる。
3週 線形時不変システム システムの定義が説明できる。
システムの線形性と時不変性が判別できる。
インパルス応答の有する意味が説明できる。
4週 線形時不変システム システムの入力と出力を結ぶ数学的な関係が畳み込みであることが説明できる
5週 線形時不変システム システムのハードウェア構成が図示できる。
簡単な畳込み演算が計算できる。
6週 z変換とシステムの伝達関数 z変換の定義の由来が説明できる。
簡単なz変換が計算できる。
7週 z変換とシステムの伝達関数 システムの伝達関数が計算できる。
8週 システムの周波数特性 入出力の差分方程式からシステムの周波数特性が計算できる。
2ndQ
9週 システムの周波数特性 システムの振幅特性と位相特性が計算できる。
10週 システムの周波数特性のつづき、小テスト
11週 離散時間信号のフーリエ解析 簡単な周期信号のフーリエ係数が計算できる。
12週 離散時間信号のフーリエ解析 簡単な非周期信号のDTFTが計算できる。
13週 標本化定理 サンプリング定理の意味が説明できる。
14週 標本化定理 サンプリング定理の意味が説明できる。
15週 標本化定理 サンプリング定理の意味が説明できる。
16週

評価割合

達成度確認(小テスト)課題合計
総合評価割合7030100
専門的能力7030100