到達目標
1.基本的な論理演算を行うことができる。
2.基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。
3.論理式の簡単化の概念を説明できる。
4.論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。
5.与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明することができる。
6.組合せ論理回路を設計することができる。
7.フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
1.基本的な論理演算を行うことができる。 | 論理演算を行うために必要な基本事項たる数式操作などの技能を有しており、その技能を主たる論理演算の実行に適用できる。 | 論理演算を行うために必要な基本事項たる数式操作などの技能を有しており、その技能を基本的な論理演算の実行に適用できる。 | 論理演算を行うために必要な基本事項たる数式操作などの技能を有していない。 |
2.基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 論理関数の数学的意義を理解する能力を有しており、論理関数を主加法標準形/主乗法標準形の論理式として表現できる。 | 論理関数の数学的意義を理解する能力を有しており、基本的な論理関数を主加法標準形/主乗法標準形の論理式として表現できる。 | 論理関数の数学的意義を理解する能力を有していない。 |
3.論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 論理式の簡単化の数学的概念を理解する能力を有しており、主たる論理式をカルノー図を用いて簡単化することができる。 | 論理式の簡単化の数学的概念を理解する能力を有しており、基本的な論理式をカルノー図を用いて簡単化することができる。 | 論理式の簡単化の数学的概念を理解する能力を有していない。 |
4.論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 組合せ論理回路の概念を説明する能力を有しており、主たる論理式を論理ゲートを用いて組合せ論理回路として表現できる。 | 組合せ論理回路の概念を説明する能力を有しており、基本的な論理式を論理ゲートを用いて組合せ論理回路として表現できる。 | 組合せ論理回路の概念を説明する能力を有していない。 |
5.与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 簡単な組合せ論理回路の機能を理解するる能力を有しており、その機能について説明できる。 | 簡単な組合せ論理回路の機能を理解するる能力を有しており、その基本的な機能について説明できる。 | 簡単な組合せ論理回路の機能を理解する能力を有していない。 |
6.組合せ論理回路を設計することができる。 | 組合せ論理回路の設計に必要な機能の理解力や簡単化の技能を有しており、その理解力や技能を主たる組合せ論理回路の設計に適用することができる。 | 組合せ論理回路の設計に必要な機能の理解力や簡単化の技能を有しており、その理解力や技能を基本的な組合せ論理回路の設計に適用することができる。 | 組合せ論理回路の設計に必要な機能の理解力や簡単化の技能を有していない。 |
7.フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | フリップフロップなどの順序回路の基本素子の動作や特性を理解する能力を有しており、それらの動作や特性を説明できる。 | フリップフロップなどの順序回路の基本素子の動作や特性を理解する能力を有しており、それらの基本的な動作や特性を説明できる。 | フリップフロップなどの順序回路の基本素子の動作や特性を理解する能力を有していない。 |
学科の到達目標項目との関係
Ⅰ 人間性 1 Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性 2 Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性 3 Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力 5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力 7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
教育方法等
概要:
現在、最も普及している形態のコンピュータは、ディジタル回路として構成された論理素子が基礎となっている。本講では、論理回路の数理となるブール代数の基礎的な項目、論理素子の機能、基本的な論理回路の動作原理を教授し、組み合わせ論理回路の簡単化を伴う設計を行う。また、順路論理回路の基本構成要素である記憶素子フリップフロップの機能について教授する。
授業の進め方・方法:
一斉座学。
何らかの事情が無い限り、大西は奇数時限目の講義開始時刻の5分前に教室に居る事にしている。質問事項がある場合は、その際に解決させる事。
達成度評価試験(前期中間試験)20%、前期定期試験20%、達成度評価試験(後期中間試験)20%、後期定期試験40%として評価する。合格点は60点以上とする。
各達成度評価試験(各中間試験)・各定期試験・各再試験の試験範囲は年度当初から当該試験までに実施した授業項目とする。当然、後期定期試験の試験範囲は年度を通じての全ての授業項目となる。
全ての本試験を誠実に受験していない者は再試験の該当者にしないので注意すること。各再試験の適用範囲は、年度当初から既に受験済みの各達成度評価試験(各中間試験)・各定期試験の範囲とする。
注意点:
論理回路の作図を行うための準備をする事。
受講に際しては、自学自習として必要となる、教科書・板書等の“行間”の補填、中間時の試験および定期試験の準備対策(あるいは再試験の準備対策)を行わなければならない。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ディジタルとアナログの相違、2進コード |
ディジタルとアナログの違い、2値論理回路に意義について議論できる。基本的な2進コードを説明できる。
|
2週 |
2進数の算術演算、補数による演算 |
2進数の算術演算、特に補数の意味を理解して、2の補数を使った減算を実行できる。
|
3週 |
論理演算、論理ゲートの構成と動作 |
論理演算、論理ゲートの機能を真理値表で説明できる。
|
4週 |
真理値表を使った論理式の証明 |
論理演算、論理ゲートの機能を真理値表で説明できる。
|
5週 |
ブール代数の諸定理 |
ブール代数の諸定理を真理値表、ベン図で説明できる。
|
6週 |
正論理と負論理 |
正/負論理のそれぞれについて論理演算を実行できる。
|
7週 |
達成度評価試験(前期中間試験) |
|
8週 |
加法標準形と乗法標準形 |
加法標準形と乗法標準形について説明できる。
|
2ndQ |
9週 |
加法/乗法標準形による論理回路設計 |
真理値表から加法/乗法標準形の回路を構成できる。
|
10週 |
NAND形式回路とNOR形式回路の構成 |
NAND形式回路とNOR形式回路を構成できる。
|
11週 |
カルノー図の基礎、論理式の簡単化 |
カルノー図の原理を説明し、カルノー図を構成できる。
|
12週 |
カルノー図の基礎、論理式の簡単化 |
カルノー図を用いた簡単化の手順を実行できる。
|
13週 |
比較回路と多数決回路の設計 |
比較回路/多数決回路の原理を説明・設計できる。
|
14週 |
加算回路、減算回路 |
1ビットの加算器の動作原理を説明・設計できる。
|
15週 |
加算回路、減算回路 |
複数ビット加算回路の動作原理を説明・設計でき、リプルキャリーに関する現象/対処法を説明できる。
|
16週 |
前期定期試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
加算回路、減算回路 |
補数回路を用いた演算回路の原理を説明・設計できる。
|
2週 |
デコーダ/エンコーダとマルチプレクサ/デマルチプレクサ |
基本的なデコーダ/エンコーダ/マルチプレクサ/デマルチプレクサ回路の動作原理を説明・設計できる。
|
3週 |
デコーダ/エンコーダとマルチプレクサ/デマルチプレクサ |
基本的なデコーダ/エンコーダ/マルチプレクサ/デマルチプレクサ回路の動作原理を説明・設計できる。
|
4週 |
デコーダ/エンコーダとマルチプレクサ/デマルチプレクサ |
基本的なデコーダ/エンコーダ/マルチプレクサ/デマルチプレクサ回路の動作原理を説明・設計できる。
|
5週 |
ラッチ(記憶の原理)、非同期式 |
1ビットを記憶する原理を理解する。
|
6週 |
応用ラッチ回路 |
Dラッチなどの応用ラッチ回路の動作原理を説明できる。
|
7週 |
達成度評価試験(後期中間試験) |
|
8週 |
応用ラッチ回路 |
Dラッチなどの応用ラッチ回路の動作原理を説明できる。
|
4thQ |
9週 |
レベルトリガ方式、レーシング |
原始的なフリップフロップの原理を説明できる。
|
10週 |
同期式(機能表、状態遷移表、エッジトリガ方式) |
実践的な同期式フリップフロップの原理を説明できる。
|
11週 |
同期式(機能表、状態遷移表、エッジトリガ方式) |
実践的な同期式フリップフロップの原理を説明できる。
|
12週 |
同期式(機能表、状態遷移表、エッジトリガ方式) |
実践的な同期式フリップフロップの原理を説明できる。
|
13週 |
RS/D/T/JKフリップフロップ |
各種フリップフロップの機能、状態遷移を理解して、フリップフロップの動作原理を説明できる。
|
14週 |
RS/D/T/JKフリップフロップ |
各種フリップフロップの機能、状態遷移を理解して、フリップフロップの動作原理を説明できる。
|
15週 |
RS/D/T/JKフリップフロップ |
各種フリップフロップの機能、状態遷移を理解して、フリップフロップの動作原理を説明できる。
|
16週 |
後期定期試験 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 基本的な論理演算を行うことができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6 |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 4 | 前8,前9,前10 |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 4 | 前11,前12 |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 4 | 前11,前12 |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12 |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 4 | 前13,前14,後1,後2,後3,後4 |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12 |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 4 | 後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
その他の学習内容 | ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。 | 4 | 前1 |
評価割合
| 達成度評価試験(前期中間試験) | 前期定期試験 | 達成度評価試験(後期中間試験) | 後期定期試験 | 合計 |
総合評価割合 | 20 | 20 | 20 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 10 | 10 | 20 | 50 |
専門的能力 | 10 | 10 | 10 | 20 | 50 |