計算機システム

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 計算機システム
科目番号 0008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報科学・工学系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:鈴木健一著「よくわかる コンピュータアーキテクチャ」森北出版,自作資料.
参考図書: David Patterson,John Hennessy 著,成田 光彰 訳 「コンピュータの構成と設計 MIPS Edition 第6版 上」日経BP,David Patterson,John Hennessy 著,成田 光彰 訳 「コンピュータの構成と設計 MIPS Edition 第6版 下」日経BP
担当教員 山本 椋太

到達目標

1. コンピュータに利用されているハードウェアの構造・構成を理解し説明できる。
2. コンピュータに利用されているハードウェアの高度化技術、高速化技術を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. コンピュータに利用されているハードウェアの構造・構成を理解し説明できる。コンピュータに利用されているハードウェアの構造・構成を理解し説明できる。コンピュータに利用されているハードウェアの基本的な構造・構成を理解し説明できる。コンピュータに利用されているハードウェアの構造・構成を理解するとこが困難で、説明できない。
2. コンピュータに利用されているハードウェアの高度化技術、高速化技術を理解し説明できる。コンピュータに利用されているハードウェアの高度化技術、高速化技術を理解し説明できる。コンピュータに利用されているハードウェアの基本的な高度化技術、高速化技術を理解し説明できる。コンピュータに利用されているハードウェアの高度化技術、高速化技術を理解することが困難で、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の習得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
計算機アーキテクチャのハードウェア技術と構造・構成、関連するソフトウェア技術を学習する。
授業の進め方・方法:
急速に発展している計算機のアーキテクチャのハードウェアの構造・構成、高度化・高速化技術、関連するソフトウェア技術を学習する。
評価では授業で出題する演習課題の取組み状況を重視している。
また、前期・後期とも第8週前後に,達成度評価試験を実施する.
評価の割合は達成度確認試験35%,定期試験35%、確認テスト10%,演習20%である。成績によっては,再試験を行うことがある.
前期に再試験を行う場合は,前期の達成度試験および定期試験のみ上書き対象とし,前期の確認テスト,前期の演習は上書きしない.前期再試験を受験した場合,前期評価の評価点は最大60点となる.
後期に再試験を行う場合は,後期の達成度試験および定期試験のみ上書き対象とし,前期の評価点は変更せず,後期の確認テスト,後期の演習は上書きしない.後期再試験を受験した場合,学年末評価の評価点は最大60点となる.
再試験の受験条件として,確認テストおよび演習・課題をすべて提出していることを条件とする.また,授業への参加態度が悪い(例えば,遅刻が多い,居眠り,別の科目の課題への取り組みが見られる)などがある場合は,再試験の受験を認めないことがある.
注意点:
数学の基礎的な計算能力と説明のための文章力を養っておくこと.
授業で示される演習課題に,授業中または自学自習により取り組むこと.
目標が達成されていない場合には,演習・課題の再提出を要求する場合がある.
関数電卓を準備すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基礎概念:コンピュータの歴史
数値表現
コンピュータの歴史を理解し説明できる.
2進数,16進数を始めとしたコンピュータ上の数値表現を理解し説明できる.
2週 数値表現 2進数,16進数を始めとしたコンピュータ上の数値表現を理解し説明できる.
コンピュータ上の小数表現について理解し説明できる.
3週 データ形式(小数表現) コンピュータ上の小数表現について,固定小数,浮動小数を理解し説明できる.
4週 データ形式と演算誤差
コンピュータの基本構造
コンピュータ上で小数表現を行うと誤差が生じることを理解し説明できる.
コンピュータの基本構造を理解し,説明できる.
5週 コンピュータの基本構造
記憶装置(記憶装置の動作原理と構成,階層構造)
コンピュータの基本構造を理解し,説明できる.
メモリデバイスの動作原理と構成を理解し説明できる。
コンピュータのメモリ階層とプログラムの局所性を理解し説明できる。
記憶装置のトレードオフを説明できる.
6週 記憶装置(階層構造,分類)
磁気ディスク(アクセス時間)
磁気ディスクのアクセス時間の計算ができる。
7週 磁気ディスク(アクセス時間とディスクアレイ),SSD
問題演習
磁気ディスクのアクセス時間の計算ができる.
第6週までの内容について,総括し,計算や説明問題を解くことによってこれまでの内容を理解し,説明できる.
8週 【達成度評価試験】 バスマスタを調停する回路の動作とその仕組みついて理解し説明できる。
主要な外部インターフェイスおよび,USBについて理解し,説明できる.
2ndQ
9週 入出力装置(トポロジ,バス) 入出力装置とコンピュータの接続について説明できる.
10週 入出力装置(バス,USB,外部インタフェース,割込みとポーリング) バスシステム,USB, SATAなど各種インタフェースの規格についてその特徴を説明できる。
割込みについて説明できる.
11週 演算装置・制御装置(コンピュータの構成と命令実行) コンピュータの構成と命令実行の流れについて理解し説明できる.
12週 演算装置・制御装置(コンピュータの構成と命令実行,命令セットとプログラム) コンピュータの構成と命令実行の流れについて理解し説明できる.
13週 演算装置・制御装置(命令セットとプログラム)
アセンブリ言語演習
コンピュータにおける命令セットとプログラムについて理解し説明できる.
14週 アセンブリ言語演習 アセンブリ言語を用いてALUにおける算術演算、論理演算を用いたプログラムを記述できる。
15週 問題演習
16週 【前期定期試験】
後期
3rdQ
1週 コンピュータの性能評価 プロセッサの処理性能を評価する方法について理解し説明できる。
2週 文字符号化方式 キャッシュメモリシステムの動作原理を理解し説明できる。
3週 記憶装置(RAM,参照の局所性とキャッシュメモリ) RAMの動作原理を理解し説明できる.
参照の局所性およびキャッシュメモリの動作原理を理解し,説明できる.
4週 記憶装置(キャッシュメモリ,ディスクアレイ) キャッシュメモリの動作原理,キャッシュコヒーレンシを理解し説明できる.
磁気ディスクを複数台用意したディスクアレイの種類とその特徴を説明できる.
5週 記憶装置(ディスクアレイ,仮想記憶) 磁気ディスクを複数台用意したディスクアレイの種類とその特徴を説明できる.
仮想記憶の概要を理解し,説明できる.
6週 記憶装置(仮想記憶) 仮想記憶の仕組みを理解し,説明できる.
7週 演算装置・制御装置(プロセッサアーキテクチャ)
問題演習
バイトオーダや命令セット,パイプライン機構について説明できる.
8週 【達成度評価試験】
4thQ
9週 演算装置・制御装置(プロセッサアーキテクチャ) バイトオーダや命令セット,パイプライン機構について説明できる.
10週 演算装置・制御装置(プロセッサアーキテクチャ) バイトオーダや命令セット,パイプライン機構を用いた場合の性能評価について説明できる.
11週 アセンブリ言語演習 アセンブリ言語を用いて割込みを用いたプログラムを記述できる。
12週 演算装置・制御装置(マルチコアプロセッサ) マルチコアプロセッサについて理解し,説明できる.
13週 高速化・高効率化手法:(スーパースカラ・アウトオブオーダー実行) スーパースカラ方式,アウトオブオーダー実行の動作原理を理解し説明できる.
14週 入出力装置(非同期通信) 非同期式シリアル通信の方法と伝送誤り検出の方法について理解し説明できる.
15週 ヘテロジニアスアーキテクチャ(GPGPU,FPGA,ASIC)
コンピュータアーキテクチャのまとめとトレードオフ
近年広く用いられ始めているヘテロジニアスアーキテクチャについて理解し,説明できる.
コンピュータにおけるトレードオフについて説明し,アーキテクチャについて俯瞰して理解し,説明できる.
16週 【後期定期試験】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4

評価割合

達成度試験定期試験確認テスト演習・課題合計
総合評価割合30301030100
基礎的能力151510040
専門的能力151503060
分野横断的能力00000