ディジタル信号処理

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ディジタル信号処理
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報科学・工学系共通科目) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 なし
担当教員 三上 剛

到達目標

1. フーリエ変換の計算ができ, 基本的な信号のスペクトルの特徴を理解することができる.
2. サンプリングとエリアシングについて説明できる.
3. 離散フーリエ変換のプログラムを作成し,各種信号のスペクトルの特性について説明できる.
4. ディジタルフィルタの特性を理解し,LPF, HPF, LPFの特徴を
5. 仕様を満たすディジタルフィルタを設計できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
フーリエ変換の計算と振幅,エネルギー,パワースペクトルについてフーリエ変換の計算ができ, 振幅,エネルギー,パワースペクトルに関する高度な演習問題を解くことができる.フーリエ変換の計算ができ, 振幅,エネルギー,パワースペクトルに関する基礎的および標準的な演習問題を解くことができる.フーリエ変換の計算ができず, 振幅,エネルギー,パワースペクトルに関する基礎的な演習問題を解くことができない.
ディジタル信号とサンプリングとエリアシングについて実際の信号をサンプリングするときのサンプリング周波数とエリアシング誤差との関連性について議論できる.実際の信号をサンプリングするときのサンプリング周波数による波形の違いについて説明できる.サンプリングとエリアシングに関して説明できない.
離散フーリエ変換と窓関数について離散フーリエ変換のプログラムを作成できる.窓関数の特性を理解した上で,計算されたスペクトルの特性について説明できる.離散フーリエ変換のプログラムを作成でき,計算されたスペクトルの特性について説明できる.離散フーリエ変換のプログラムを作成できない.
ディジタルフィルタの特性についてディジタルフィルタの特性を理解し,所望の特性を有するLPF, HPF, BPFのプログラムをすべて作成できる.ディジタルフィルタの特性を理解し,所望の特性を有するフィルタのプログラムを作成できる.ディジタルフィルタの特性を理解できず,フィルタのプログラムを作成できない.
音信号と画像信号へのディジタルフィルタの応用について音信号と画像信号のフーリエスペクトルおよびフィルタリングの結果について正しく解釈することができ,用途に応じて適切な信号処理のプログラムを作成・適用できる.音信号と画像信号のフーリエスペクトルおよびフィルタリングのサンプルプログラムを動作させることができ,その結果について正しく解釈することができる.音信号と画像信号のフーリエスペクトルおよびフィルタリングのサンプルプログラムを動作させることができず,その結果について正しく解釈することができない.

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
この講義の前半では,フーリエ変換(フーリエ積分),離散フーリエ変換に関する特徴と,ディジタル信号を扱う際の特性について扱う.後半ではディジタルフィルタの特徴とそれらの音信号,画像信号への応用について扱う.
授業の進め方・方法:
授業は演習を含めた座学となる.
達成目標に関する内容の試験および小テスト・課題で総合的に達成度を評価する.定期試験を40%, 達成度評価試験を30%, 演習・課題を30%として成績を評価し,60点以上を合格とする.再試験を実施することもある.
この科目は学修単位科目のため、事前・事後の自学自習課題として授業に対する演習課題等を課す。
注意点:
演習を行うときは,各自のパソコンを使用することを認める.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 音と画像(1) 音信号と画像のディジタル表現について説明できる
2週 音と画像(2) 音信号と画像のディジタル表現について説明できる
3週 離散時間信号 サンプリング周波数とサンプリング定理について説明できる
4週 ディジタルフィルタの性質 低域通過、帯域通過、高域通過フィルタについて説明できる
5週 ディジタルフィルタの伝達関数と周波数特性(1) z変換を用いてディジタルフィルタの伝達関数を求めることができる。
6週 ディジタルフィルタの伝達関数と周波数特性(2) z変換を用いてディジタルフィルタの伝達関数を求めることができる。
7週 IIRフィルタの特性(1) IIRフィルタとFIRフィルタの特性の違いについて説明できる
8週 達成度評価試験
4thQ
9週 IIRフィルタの特性(2) IIRフィルタの安定性をz領域を用いて説明できる
10週 フーリエ級数展開とフーリエ係数 フーリエ級数展開のプログラムを作成できる
11週 離散フーリエ変換 離散フーリエ変換のプログラムを作成できる.スペクトルを解釈することができる.
12週 離散フーリエ変換による周波数解析(1) ディジタルフィルタの伝達関数と周波数特性について説明できる
13週 離散フーリエ変換による周波数解析(2) ディジタルフィルタの伝達関数と周波数特性について説明できる
14週 FIRディジタルフィルタの設計 所望の特性を有するフィルタのプログラムを作成できる
15週 離散フーリエ変換とZ変換との関係 Z変換と離散フーリエ変換との対応について説明できる
16週 定期試験

評価割合

定期試験達成度評価課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力3030060
専門的能力10102040
分野横断的能力0000