分析化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 分析化学Ⅱ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 本水 他共著「基礎教育シリーズ 分析化学(基礎編)」(東京教学社)
担当教員 奥田 弥生

到達目標

基本的な化学分析がどのような反応に基づいているのかが理解できる。溶液中の様々な化学種の活量・濃度が反応の前後でどのように変化するかを予測できる。既知の分析法を一部変更して新規な試料に応用する方法を理解し,実際の分析で実践できるための基礎的な知識を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.錯形成反応に関する基本的な用語を説明できる。錯形成反応に関する基本的な用語を正確に説明できる。錯形成反応に関する基本的な用語を説明できる。錯形成反応に関する基本的な用語を説明できない。
2.逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができる。複雑な系の逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができる。逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができる。逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができない。
3.キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できる。キレート滴定法での指示薬の作用機作を詳細に説明できる。キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できる。キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できない。
4.難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができる。複雑な難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができる。難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができる。難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができない。
5.溶解度積定数と溶解度の相互換算ができる。複雑な塩の溶解度積定数と溶解度の相互換算ができる。溶解度積定数と溶解度の相互換算ができる。溶解度積定数と溶解度の相互換算ができない。
6.共通イオンを含む場合の溶解度を計算できる。複雑な系において共通イオンを含む場合の溶解度を計算できる。共通イオンを含む場合の溶解度を計算できる。共通イオンを含む場合の溶解度を計算できない。
7.分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。複雑な系において分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。分別沈殿の可能性を計算により調べることができない。
8.酸化数を計算できる。当量を計算できる。複雑な系において酸化数を計算できる。当量を計算できる。酸化数を計算できる。当量を計算できる。酸化数を計算できない。当量を計算できない。
9.ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。複雑なガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できない。
10.標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できる。複雑な系において標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できる。標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できる。標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
重量分析,容量分析あるいは電気化学的分析等,種々の分析法の基盤になっている酸・塩基について,溶液内化学種の濃度を計算で求めるためのイオン平衡の知識を教授し,計算法を解説する。
授業の進め方・方法:
化学Ⅰで習得した基礎知識の理解が前提となるのでよく復習しておくこと。ル・シャトリエの原理の理解は特に重要である。概ね教科書に沿って進行するのでシラバスを参考にして予習すること。ノート,筆記具,電卓を準備すること。
注意点:
達成目標に関する小テスト,定期試験および課題レポートを評価の観点に基づいて採点し総合的に達成度を判断する。小テスト40%,定期試験40%,課題提出20%の割合で評価する。合格点は60点である。成績評価が60点に満たないものについては再試験を行うことがある。再試験の点数は小テストおよび定期試験による評価部分の差し替えのみに用いる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 錯形成反応,配位子,配位数と構造,キレート,錯体の命名法 錯形成反応に関する基本的な用語を説明できる。
2週 逐次生成定数,全生成定数 逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができる。
3週 キレート滴定,指示薬(1) キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できる。
4週 キレート滴定,指示薬(2) キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できる。
5週 溶解度と溶解度積(1) 難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができる。
6週 溶解度と溶解度積(2) 溶解度積定数と溶解度の相互換算ができる。
7週 共通イオン効果,中性塩効果 共通イオンを含む場合の溶解度を計算できる。
8週 pH 制御による硫化物の選択的沈殿(1) 分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。
4thQ
9週 pH 制御による硫化物の選択的沈殿(2) 分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。
10週 酸化数の算定法,酸化剤・還元剤の当量 酸化数を計算できる。当量を計算できる。
11週 ガルバニセル,単極電位,起電力 ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
12週 標準電極電位 ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
13週 ネルンストの式(1) ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
14週 ネルンストの式(2) ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
15週 標準電極電位と平衡定数 標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できる。
16週 定期試験

評価割合

小テスト定期試験課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力404020100
専門的能力0000
分野横断的能力0000