分析化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 分析化学Ⅱ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 澁谷ほか著「分析化学の学び方」(三共出版)
担当教員 奥田 弥生

到達目標

1.錯形成反応に関する基本的な用語を説明できる。
2.逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができる。
3.キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できる。
4.難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができる。
5.溶解度積定数と溶解度の相互換算ができる。
6.共通イオンを含む場合の溶解度を計算できる。
7.分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。
8.酸化数を計算できる。当量を計算できる。
9.ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
10.標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1錯形成反応に関する基本的な用語を正確に説明できる。錯形成反応に関する基本的な用語を説明できる。錯形成反応に関する基本的な用語を説明できない。
評価項目2複雑な系の逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができる。逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができる。逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができない。
評価項目3キレート滴定法での指示薬の作用機作を詳細に説明できる。キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できる。キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できない。
評価項目4複雑な難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができる。難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができる。難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができない。
評価項目5複雑な塩の溶解度積定数と溶解度の相互換算ができる。溶解度積定数と溶解度の相互換算ができる。溶解度積定数と溶解度の相互換算ができない。
評価項目6複雑な系において共通イオンを含む場合の溶解度を計算できる。共通イオンを含む場合の溶解度を計算できる。共通イオンを含む場合の溶解度を計算できない。
評価項目7複雑な系において分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。分別沈殿の可能性を計算により調べることができない。
評価項目8複雑な系において酸化数を計算できる。当量を計算できる。酸化数を計算できる。当量を計算できる。酸化数を計算できない。当量を計算できない。
評価項目9複雑なガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できない。
評価項目10複雑な系において標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できる。標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できる。標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
重量分析,容量分析あるいは電気化学的分析等,種々の分析法の基盤になっている錯形成,沈殿生成および酸化還元反応について,平衡論の知識を教授し,計算法を解説する。
授業の進め方・方法:
広義を中心に授業を進めるが,適宜演習を行う。
注意点:
化学Ⅰ・Ⅱで習得した基礎知識の理解が前提となるのでよく復習しておくこと。ル・シャトリエの原理の理解は特に重要である。概ね教科書に沿って進行するのでシラバスを参考にして予習すること。ノート,筆記具,電卓を準備すること。達成目標に関する小テスト,定期試験および課題レポートを評価の観点に基づいて採点し総合的に達成度を判断する。小テスト40%,定期試験40%,課題提出20%の割合で評価する。合格点は60点である。学業成績が60点に満たないものについては再試験を行うことがある。この場合,再試験の評点を定期試験の評点とする。再試験を受けた者の成績評価は60点を超えないものとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 錯形成反応,配位子,配位数と構造,キレート,錯体の命名法 錯形成反応に関する基本的な用語を説明できる。
2週 逐次生成定数,全生成定数 逐次生成定数と全生成定数の相互換算ができる。
3週 キレート滴定,指示薬(1) キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できる。
4週 キレート滴定,指示薬(2) キレート滴定法での指示薬の作用機作を説明できる。
5週 溶解度と溶解度積(1) 難溶性塩溶液の溶解度積定数式を書くことができる。
6週 溶解度と溶解度積(2) 溶解度積定数と溶解度の相互換算ができる。
7週 共通イオン効果,中性塩効果 共通イオンを含む場合の溶解度を計算できる。
8週 pH 制御による硫化物の選択的沈殿(1) 分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。
4thQ
9週 pH 制御による硫化物の選択的沈殿(2) 分別沈殿の可能性を計算により調べることができる。
10週 酸化数の算定法,酸化剤・還元剤の当量 酸化数を計算できる。当量を計算できる。
11週 ガルバニセル,単極電位,起電力 ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
12週 標準電極電位 ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
13週 ネルンストの式(1) ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
14週 ネルンストの式(2) ガルバニセルに対応するネルンストの式を誘導できる。
15週 標準電極電位と平衡定数 標準電極電位から酸化・還元平衡反応の平衡定数を計算できる。
16週 定期試験

評価割合

小テスト定期試験課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力404020100
専門的能力0000
分野横断的能力0000