分析化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 分析化学Ⅰ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 澁谷 康彦 他共著「分析化学の学び方」(三共出版)
担当教員 樫村 奈生

到達目標

基本的な化学分析がどのような反応に基づいているのかが理解できる。溶液中の様々な化学種の濃度が反応の前後でどのように変化するかを予測できる。既知の分析法を一部変更して新規な試料に応用する方法を理解し,実際の分析で実践できるための基礎的な知識を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1化学量論に基づき正しく複雑な反応の反応式を書くことができる。化学量論に基づき正しく単純な反応の反応式を書くことができる。化学量論に基づき正しく単純な反応の反応式を書くことができない。
到達目標2正しく複雑な溶液の濃度を計算できる。基本的な溶液の濃度を計算できる。正しく濃度計算ができない。
到達目標3複雑な反応式に対応する平衡定数の式を書くことができる。基本的な反応式に対応する平衡定数の式を書くことができる。基本的な反応式に対応する平衡定数の式を書くことができない。
到達目標4Brønsted-Lowry の定義に基づいて多くの物質を酸,塩基,塩およびそれ以外の物質に分類ができる。Brønsted-Lowry の定義に基づいて代表的な物質を酸,塩基,塩およびそれ以外の物質に分類ができる。Brønsted-Lowry の定義に基づいて物質を酸,塩基,塩およびそれ以外の物質に分類ができない。
到達目標5複雑な溶液の電荷均衡式,質量均衡式を書くことができる。単純な溶液の電荷均衡式,質量均衡式を書くことができる。単純な溶液の電荷均衡式,質量均衡式を書くことができない。
到達目標6混合物といった複雑な酸溶液のpHを計算できる。酸や塩基などの単純な溶液pHを計算できる。酸や塩基などの単純な溶液のpHを計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
重量分析,容量分析あるいは電気化学的分析等,種々の分析法の基盤になっている酸・塩基について,溶液内化学種の濃度を計算で求めるためのイオン平衡の知識を教授し,計算法を解説する。
授業の進め方・方法:
化学Ⅰで習得した基礎知識の理解が前提となるのでよく復習しておくこと。ル・シャトリエの原理の理解は特に重要である。概ね教科書に沿って進行するのでシラバスを参考にして予習すること。ノート,筆記具,電卓を準備すること。
注意点:
学習目標に関する2回の試験および課題を評価の観点に基づいて採点し総合的に達成度を判断する。定期試験45%,中間試験35%,課題提出20%の割合で評価する。合格点は60点である。成績評価が60点に満たないものについては再試験を行うことがあるが,定期試験の実施日に手書きの講義ノート,および期日までに回想カードを提出しなかった学生はその対象とはならない。再試験の得点は上記の定期試験と中間試験の占める割合(80%)までとし,再試験を受けた者の成績評価は60点を超えないものとする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
序論 分析化学の役割
   分析化学の分類と目的
付録A-3  有効数字
有効数字を考慮して計算できる。
2週 第1章
1-1 化合物の名称と反応式の書き方
代表的なイオン・化合物の化学式書くことができる。
3週 第1章
1-1 化合物の名称と反応式の書き方②
化学量論に基づき,正しく反応式を書くことができる。
4週 1-2 溶液の濃度 正しく濃度計算ができる。
5週 2章
2-2 化学反応と化学平衡
物質収支と電荷均衡の式を書くことができる。
6週 2-1 化学方程式 反応式に対応する質量作用能法則(平衡定数の式)を書くことができる。
7週 グループワーク
8週 中間試験
2ndQ
9週 3章
3-1 水の電離,水素イオン濃度と水素イオン指数
水素イオン濃度とpHを相互変換できる。
10週 3-2 酸と塩基 Brønsted-Lowry の定義に基づいて物質を酸,塩基,塩およびそれ以外の物質に分類ができる。
11週 3-3 強酸と強塩基の水溶液 希薄強酸溶液のpHを計算できる。
12週 3-4 弱酸と弱塩基の水溶液
3-4-1 一塩基酸および一酸塩基の水素イオン濃度とpH
弱酸溶液のpHを計算できる。
13週 3-4-2 共役酸塩基対と緩衝溶液 緩衝溶液のpHを計算できる。
14週 3-6 混合溶液 種々の酸・塩基混合溶液のpHを計算できる。
15週 グループワーク
16週 定期試験

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合354520100
基礎的能力354520100
専門的能力0000
分野横断的能力0000