無機化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 無機化学Ⅲ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:古崎 毅・奥田弥生著「苫小牧工業高等専門学校 創造工学科 応用化学・生物系学生のための無機化学」,実教出版編集部編「増補新訂版 サイエンスビュー化学総合資料」実教出版,泉 美治・小川雅彌・加藤俊二・塩川二朗・芝 哲夫 監修「第2版 機器分析のてびき」化学同人/参考図書:R.B.Heslop著,斎藤喜彦訳「無機化学(上・下)」東京化学同人,R.B.Heslop著,齋藤善彦訳「演習無機化学 計算問題とその解き方」東京化学同人,B.D.Cullity著,松村源太郎訳「新版X線回折要論」アグネ,R.M.Silverstein他著
担当教員 古崎 毅

到達目標

1.状態図より相の存在比や相の成分比を計算できる。
2.バンドモデルを使って金属(導体)・半導体・絶縁体の電気伝導性を説明できる。
3.不純物半導体の作製方法を説明できる。
4.不純物半導体を使った素子の特性発現原理を説明できる。
5.強誘電の圧電性・焦電性等の特性を説明できる。
6.スネルの法則を使って,全反射を説明できる。
7.金属錯体の色や磁気的性質を説明できる。
8.格子振動および自由電子による熱伝導を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1状態図より相の存在比や相の成分比を計算できる。状態図より相の存在比や相の成分比の基本的な計算ができる状態図より相の存在比や相の成分比を計算できない。
評価項目2バンドモデルを使って金属(導体)・半導体・絶縁体の電気伝導性を説明できる。バンドモデルを使って金属(導体)・半導体・絶縁体の電気伝導性の基本的な説明ができる。バンドモデルを使って金属(導体)・半導体・絶縁体の電気伝導性を説明できない。
評価項目3不純物半導体の作製方法を説明できる。不純物半導体の作製方法の基本的な説明ができる。不純物半導体の作製方法を説明できない。
評価項目4不純物半導体を使った素子の特性発現原理を説明できる。不純物半導体を使った素子の特性発現原理の基本的な説明ができる。不純物半導体を使った素子の特性発現原理を説明できない。
評価項目5強誘電の圧電性・焦電性等の特性を説明できる。強誘電の圧電性・焦電性等の特性の基本的な説明ができる。強誘電の圧電性・焦電性等の特性を説明できない。
評価項目6スネルの法則を使って,全反射を説明できる。スネルの法則を使って,全反射の基本的な説明ができる。スネルの法則を使って,全反射を説明できない。
評価項目7金属錯体の色や磁気的性質を説明できる。。金属錯体の色や磁気的性質の基本的なが説明できる。金属錯体の色や磁気的性質を説明できない。
評価項目8格子振動および自由電子による熱伝導を説明できる。格子振動および自由電子による熱伝導の基本的な説明ができる。格子振動および自由電子による熱伝導を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
無機材料を合成する上で必要な状態図の基礎的な知識,及び無機材料を主たる対象として電気的・光学的・熱的特性を教授する。
授業の進め方・方法:
講義は座学方式で行い,演習および課題を課す事により理解を深めるようにする。課題は添削後,目標が達成されていることを確認し,返却する。到達目標を達成できているかどうかを課題により総合評価する(中間時期の達成度確認40%,期末試験45%,及び課題15%の割合)。提出期限の遅れた課題は減点する。合格点は60点である。学業成績の成績が40点から60点に満たない学生については再試験を行うことがある。この場合,再試験85%,課題15%で再評価を行う。なお,再試験を受けた学生の評価点は60点を越えないものとする。
注意点:
講義時には,ノート,筆記用具,定規,電卓を持参すること。授業で課される課題・予習は自学自習により取り組むこと。課題は添削後,返却する。到達目標が達成されていない場合には再提出を求める。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 状態図(1):一成分系状態図 一成分系の状態図の意味する事を説明でき。
2週 状態図(2):てこの原理と二成分系状態図(溶融混合物(共晶)) 溶融混合物(共晶)の状態図から,相の存在比を計算できる。
3週 状態図(3):全域固溶体と制限固溶体の状態図 全域固溶体と制限固溶体の状態図から,相の存在比および各相の成分比を計算できる。
4週 状態図(4):安定溶融混合物と分解溶融混合物の状態図 安定溶融化合物と分解溶融化合物のそれぞれの状態図を見て結晶育成の可能性を判断できる。
5週 物質の電気的性質(1):金属・半導体・絶縁体のバンドモデル バンドモデルを使って金属(導体),半導体および絶縁体の電気電伝導性の違いを説明できる。
6週 物質の電気的性質(2):真性半導体と不純物半導体(n型,p型) バンドモデルを使って真性半導体と不純物半導体の電気伝導性の違いを説明できる。また,不純物半導体の作製方法を説明できる。
7週 物質の電気的性質(3):ゼーベック効果,ホール効果 不純物半導体におけるゼーベック効果やホール効果を説明できる。
8週 物質の電気的性質(4):p-n接合,トランジスタ n型およびp型の不純物半導体を使った素子の特性発現の原理を説明できる。
2ndQ
9週 物質の電気的性質(5):強誘電体の履歴曲線(ヒステリシスループ) 強誘電体の分極率-電圧の関係を説明できる。
10週 物質の電気的性質(6):圧電性・逆圧電性・焦電性 圧電性,逆圧電性,焦電性がどのような特性なのかを説明できる。
11週 物質の光学的性質:屈折,スネルの法則,全反射,複屈折 屈折が起こる原理を説明できる。
屈折がスネルの法則によって生じていること,及び全反射を説明できる。
12週 金属錯体の色:結晶場理論と光吸収 遷移金属の有するd軌道に基づく,ルビーの色を結晶場理論によって説明できる。
13週 金属錯体の磁気的性質:常磁性,反磁性,強磁性 遷移金属の有するd軌道に基づく,種々の磁性を説明できる。
14週 物質の熱的性質(1):熱膨張 熱膨張は何故起こるのかを説明できる。
15週 物質の熱的性質(2):自由電子あるいは格子振動による熱伝導 自由電子あるいは格子振動による熱伝導を説明できる。
16週 定期試験

評価割合

中間時期の達成度確認期末試験課題合計
総合評価割合404515100
基礎的能力404515100
専門的能力0000
分野横断的能力0000