創造工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 創造工学Ⅲ
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 なし/自作プリント
担当教員 甲野 裕之,藤田 彩華

到達目標

工学基礎力(ICT活用、数学活用を含む)を高め、様々な工学分野の課題に対応するための基礎力を身につける。
自身の将来のライフプランや職業観・勤労観を意識し,進路実現のための自己分析ができる。
グループワークを通じて,問題発見から問題解決までのプロセスを理解し実践することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学基礎力を高め、様々な工学分野の課題に対応するための基礎力を身につけることができる。工学基礎力を高め、様々な工学分野の課題に挑戦することができる。工学基礎力が不十分で、様々な工学分野の課題に挑戦することができない。
評価項目2自身の将来のライフプランや職業観・勤労観を意識し,進路実現のための自己分析ができる。自身の将来のライフプランや職業観・勤労観を意識することができる。自身の将来のライフプランや職業観・勤労観を意識できず,進路実現のための自己分析もできない。
評価項目3問題発見から問題解決までのプロセスを理解し実践することができる。問題発見から問題解決までのプロセスを理解している。問題発見から問題解決までのプロセスを理解せず,実践することもできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自身の専門分野にとどまらず,幅広い視点から問題解決のためのプロセスを立案し,チームワークによって実践する。また、キャリア形成に必要な能力や態度を身に付ける。
授業の進め方・方法:
通常、実験等と演習等を毎週行う。
授業は基本的にグループ単位での演習や実験を行う。
注意点:
・学習にあたっては、自己のキャリアについて常に意識し、将来の進路選択を行う際の参考にすること。
・ICT活用能力を高めるため、Blackboardに解答する簡単な小テストやアンケートを課すことがある。
・授業時間以外も活用してグループで調査研究や製作活動に取り組むことが必要となる項目もある。
・グループ学習では、自分の役割を見つけ、グループ活動に積極的に参加すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
キャリア教育(キャリア・アンカー)
前期の学習内容について把握できる.
自分の将来について考えられるように、キャリア・アンカーについて理解し、現時点でのキャリア・デザインを描ける.
2週 機械系内容
-クラウドCADの利用方法(1)-
英語によるクラウドサービスへの登録ができる.
クラウドCAD「Onshape」の利用方法が分かる.
3週 機械系内容
-クラウドCADの利用方法(2)-
クラウドCAD「Onshape」を用いて,部品の3次元形状の作図ができる.
4週 機械系内容
-CAEを用いたスピーカーコンテスト(1)-
CAEの役割と意義が理解できる.
Solidworksによる振動シミュレーションの手法を理解できる.
5週 機械系内容
-CAEを用いたスピーカーコンテスト(2)-
振動シミュレーションの結果をもとに,理論的にスピーカー形状の作製ができる.
グループごとに設計したスピーカーについて,聞き手に分かり易く発表できる.
6週 都市・環境系内容
-RESASを用いた地域経済分析(1)-
RESASの基本的な利用の仕方がわかる.
RESASを利用して地域の人口動態を把握することができる
7週 都市・環境系内容
-RESASを用いた地域経済分析(2)-
RESASを利用して地域の産業構造を把握することができる.
8週 都市・環境系内容
-RESASを用いた地域経済分析(3)-
RESASを利用して地域を訪れる人の動態や消費行動を把握することができる
2ndQ
9週 都市・環境系内容
-RESASを用いた地域経済分析(4)-
RESASを利用して地域の抱える課題を抽出し,その解決方法を考えることができる
10週 キャリア教育(キャリアパス講演) OBからの講演を聞き、職業に対するイメージを明確にする.
11週 応用化学・生物系内容
-様々な素材を用いた紙作り(1)-
葦からの紙作りを通して天然資源の有効活用を考えることができる.
蒸解操作により葦から未晒しパルプを調製できる.
12週 応用化学・生物系内容
-様々な素材を用いた紙作り(2)-
葦からの紙作りを通して天然資源の有効活用を考えることができる.
漂白操作によりパルプを調製できる.
13週 応用化学・生物系内容
-様々な素材を用いた紙作り(3)-
葦からの紙作りを通して天然資源の有効活用を考えることができる.
抄紙操作により紙を作製できる.
14週 応用化学・生物系内容
-様々な素材を用いた紙作り(4)-
葦からの紙作りを通して天然資源の有効活用を考えることができる.
坪量・白色度の測定を行い,作成した紙について評価し,レポートにまとめることができる.
15週 情報セキュリティ教育
インターネットを利用する上での様々な脅威を認識できる.
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
地域学(1)
-苫小牧地域に関する講演-
後期の学習内容について把握できる.
講演内容から,地域の成り立ち・課題点などについて理解できる.
2週 地域学(2)
-グループディスカッション-
与えられたテーマについて,適切な手法を用いて情報収集をすることができる.
3週 地域学(3)
-グループディスカッション-
調査した情報をもとに,与えられたテーマにおける問題点や解決策についてグループで議論することができる.
4週 地域学(4)
-グループディスカッション-
調査した情報をもとに,与えられたテーマにおける問題点や解決策についてグループで議論することができる.
5週 地域学(5)
-グループディスカッション-
与えられたテーマにおける問題点の解決方法について,グループ内における意見を集約し,まとめることができる.
6週 地域学(6)
-発表会-
グループ内においてまとめられた解決案を,発表資料内に適切にまとめ,聞き手に分かり易く発表することができる.
7週 アイデアコンテスト(1)
-グループディスカッション-
解決すべき課題内容について理解し,積極的にグループ内での討議に参加できる.
適切な手法を用いて情報を収集できる.
8週 アイデアコンテスト(2)
-グループディスカッション-
解決すべき課題内容について理解し,積極的にグループ内での討議に参加できる.
適切な手法を用いて情報を収集できる.
4thQ
9週 キャリア教育(ジョブトーク) OB等のエンジニアに対するインタビューを通して、種々の仕事内容や社会人としての役割について知る
10週 アイデアコンテスト(3)
-グループディスカッション-
解決すべき課題内容について理解し,積極的にグループ内での討議に参加できる.
適切な手法を用いて情報を収集できる.
11週 アイデアコンテスト(4)
-アイデアまとめ,企画書の作成-
考案した解決案の持つ効果や課題点について認識できる.
課題案の実施において必要な物品や事項を検討し,まとめることができる.
12週 アイデアコンテスト(5)
-発表準備-
自己の役割を認識しながら,積極的にグループワークに参加できる.
13週 アイデアコンテスト(6)
-発表準備-
聞き手の理解を促すことを意識して,発表資料の作成や発表準備が行える.
14週 アイデアコンテスト(7)
-発表会-
聞き手に理解してもらうことを意識して,発表や質疑応答ができる.
15週 授業の振り返り これまでの創造工学の内容について取りまとめ、整理し理解を深める
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3後3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3前9
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前9,前11
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前9,前12
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前9
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3後4
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3後4
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3後4,後7
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後4
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後2
合意形成のために会話を成立させることができる。3後2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後7,後8,後14
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後3
複数の情報を整理・構造化できる。3後3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前1,後1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後2,後4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後4,後7
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後5
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後5
目標の実現に向けて計画ができる。3後4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3後15
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3後15
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3後4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後4
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前1,後1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前1,後1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前1,後1
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3前2
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3前2
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3前2,前10
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3前10,後15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前10
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前10,後9
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前10,後9
企業には社会的責任があることを認識している。3後9
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3後9
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前10,後9
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前10,後9
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前10,後9
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3後2
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3後13,後14
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3後4
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3後4,後5,後6
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3後8,後13
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3後4

評価割合

課題 発表取組み合計
総合評価割合602020100
基礎的能力0201030
専門的能力400545
分野横断的能力200525