有機化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 有機化学Ⅲ
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 John McMurry著,伊東椒,児玉三明訳「マクマリー有機化学概説(第7版)東京化学同人,西村 淳,樋口弘行,大和武彦 共著,「有機合成化学入門 -基礎を理解して実践に備える」丸善株式会社/K. P. C. Vollhardt 他著,古賀憲司他監訳「ボルハルト・ショアー現代有機化学(上・下)」(第3版)」化学同人,吉原正邦他著「有機化学演習」三共出版,稲本直樹著「反応論による有機化学」実教出版株式会社,J. McMarry 著,伊東他訳「マクマリー有機化学(上・中・下)(第3版)」東京化学同人,R. T. Morrison, R. N. Boyd 著,中西他訳「モリソン・ボイド有機化学(上・中・下)(第6版)」東京化学同人,鈴木仁美著,梅澤喜夫・大野公一・竹内敬人編,「化学入門コース5 有機合成化学」岩波書店,その他有機化学関連の参考書
担当教員 樫村 奈生

到達目標

有機化学Ⅰ,Ⅱに引き続き,
1.カルボン酸とその誘導体の命名法,製法と反応を説明できる.
2.アミンの命名法,製法と反応を説明できる.
3.有機合成という枠内で興味深く,かつ重要な化合物について例示できる.
4.有機合成化学を包括的に理解して整理し,簡単な化合物について反応経路の分析と設計を実行し,その技術を実践できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1カルボン酸およびその誘導体の製法・反応について例示し,説明できる.カルボン酸およびその誘導体の製法・反応について例示し,概ね説明できる.カルボン酸およびその誘導体の製法・反応について例示し,説明できない.
評価項目2アミンの命名・製法・反応について説明できる.アミンの命名・製法・反応について概ね説明できる.アミンの命名・製法・反応について説明できない.
評価項目3有機合成という枠内で興味深く,かつ重要な化合物について例示できる。有機合成という枠内で興味深く,かつ重要な化合物について概ね例示できる。有機合成という枠内で興味深く,かつ重要な化合物について例示できない。
評価項目4有機合成化学を包括的に理解して整理し,簡単な化合物について反応経路の分析と設計を実行し,その技術を実践できる.有機合成化学を包括的に理解して整理し,簡単な化合物について反応経路の分析と設計を実行し,その技術を概ね実践できる.有機合成化学を包括的に理解して整理し,簡単な化合物について反応経路の分析と設計を実行し,その技術を実践できない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
この講義では,有機化学Ⅰ,Ⅱに引き続き,カルボン酸とその誘導体,アミンの命名法,製法と反応を学んだ後,カルボニル化合物の重要な反応を学習する.そして再度,有機化学の要点を俯瞰的に復習したうえで,逆合成の視点から有機化合物の合成について教授する。
授業の進め方・方法:
事前に配布される資料・教科書で予習すること。授業毎に授業の要約を回想カードに記入し提出すること。授業毎に出されるCBTをもとに自学自習に取り組むこと。CBTは期間内であれば何度でも解くことができる。理解できるまで繰り返し解き,不明点は担当教員等に質問すること。
注意点:
受講にあたってはノート,筆記用具を準備すること。
自学自習時間として,日常の授業のための予習復習時間,理解を深めるためのCBT,および各試験の準備のための勉強時間を総合したものとする。自学自習時間として60時間必要である.
学業成績は定期試験,中間試験,上記の回想カード,CBTにより総合評価し,合格点は 60 点である。60点未満のものに対して再試験を実施する場合があるが,すべてのCBT・回想カードを実施し,かつ,定期試験の実施日に手書きのノートを提出したもののみを対象者とする。再試験は成績のうち,中間試験と定期試験に関する部分を再評価する。再試験を受けた者の成績評価は 60 点を超えないものとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 カルボン酸とその誘導体(10章)
命名法,存在と性質
カルボン酸とその誘導体を命名し,その性質を説明できる.
2週 カルボン酸の合成と反応 カルボン酸の代表的な製法を説明できる.
3週 カルボン酸の反応 カルボン酸の代表的な反応を説明できる.
4週 カルボン酸誘導体の合成と反応 カルボン酸誘導体の代表的な製法を説明できる.
5週 カルボン酸誘導体の反応 カルボン酸誘導体の代表的な反応を説明できる.
6週 カルボニル化合物のα置換反応と縮合反応(11章) ケト―エノール互変異性を例示し,説明できる.
7週 カルボニル化合物のα置換反応 カルボニル化合物の代表的なα置換反応を説明できる.
8週 カルボニル化合物の縮合反応 アルドール反応,Claisen縮合反応を説明できる.
4thQ
9週 達成度試験
10週 アミン(12章)
命名法と性質
アミンを命名し,塩基性を説明できる.
11週 アミン
製法・反応
アミンの代表的な製法・反応を例示できる.
12週 有機合成
反応(戦術)と合成計画(戦略)の要点
官能基を1個もつ標的分子の合成
有機合成の反応の要点と合成計画,それらを基にした合成スキームについて説明できる.
逆合成により官能基を1個もつ標的分子の合成方法を説明できる.
13週 官能基を2個もつ標的分子の合成 逆合成により官能基を2個もつ標的分子の合成方法を説明できる.
14週 環状化合物の合成 逆合成により環状化合物の合成方法を説明できる.
15週 官能基相互変換 官能基相互変換を含む化合物の合成方法を説明できる.
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

達成度試験定期試験回想カードCBT合計
総合評価割合30401020100
基礎的能力00000
専門的能力30401020100