物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 福地賢治著 「物理化学」 実教出版/教材:1)P.W.Atkins著 千原秀昭・中村亘男訳「アトキンス 物理化学 第6版」東京化学同人,2)David W.Ball著 田中一義・阿竹徹監訳「ボール 物理化学」化学同人, 3)W.J.Moore著 細矢治夫・湯田坂雅子訳「ムーア 基礎物理化学」東京化学同人, 4)D.A.McQuarrie, J.D.Simon著 千原英昭・齊藤一弥・江口太郎訳「物理化学-分子論的アプローチ」東京化学同人, 5)米山宏著「電気化学」大日本図書.
担当教員 甲野 裕之

到達目標

1)ギブズエネルギーに基づく化学平衡を理解し、その平衡移動に関してルシャトリエの法則に従い説明できること。
2)状態図を理解し、その平衡状態を説明できること。さらに束一的性質から溶液の分子量等を算出できること。
3)反応速度論を理解した上で、反応次数や速度定数を計算により決定できること。
4)核反応による放射線の種類を理解し、半減期から安定性を説明できること。
5)電池反応について各電極における酸化・還元反応を理解し、ネルンストの式に基づいて起電力を求めることができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
化学平衡についいて理解し、ギブズエネルギーと平衡定数を求めることができる。化学平衡について理解し、ギブズエネルギーと平衡定数を求めることができる。化学平衡の基本的な事項について理解し、ギブズエネルギーと平衡定数を求めることができる。化学平衡について理解できない。ギブズエネルギーと平衡定数を求めることができない。
状態図を理解し、その平衡状態を説明できること。さらに束一的性質から溶液の分子量等を算出できること。状態図を理解し、その平衡状態を説明できる。さらに束一的性質から溶液の分子量等を算出できる。状態図を理解し、その平衡状態を説明できる。さらに束一的性質を説明できる。状態図を理解し、その平衡状態を説明できるない。さらに束一的性質を説明できない。
反応速度論を理解し、反応次数や速度定数を計算できること。反応速度論を理解し、反応次数や速度定数を計算できる。反応速度論を理解し、速度定数を計算できる。反応速度論を理解できない。速度定数を計算できない。
核反応による放射線の種類を理解し、半減期から安定性を説明できること。核反応による放射線の種類を理解し、半減期から安定性を説明できる。核反応による放射線の種類を理解し、半減期を計算できる。核反応による放射線の種類を理解できない。半減期を計算できない。
電池反応における各電極における酸化・還元反応を理解し、ネルンストの式に基づいて起電力を求めることができること。電池反応における各電極における酸化・還元反応を理解し、ネルンストの式に基づいて起電力を求めることができる。電池反応における各電極における酸化・還元反応を理解し、起電力を求めることができる。電池反応における各電極における酸化・還元反応を理解できない。起電力を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
この科目は企業で分析機器の解析方法を担当していた教員が、その経験を活かして物理化学の「化学平衡」、「状態図」、「反応速度」、「核化学」、「電池」について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進めるが、適宜演習を行う。
「物理化学Ⅰ」で学習した熱力学に関する知識を基礎として、発展かつ実践的な内容について説明する。主に座学形式で実施し、適宜演習と課題により、その内容の理解度を高める。講義前には教科書の該当部分を予習し、授業終了後には学習内容について復習を心がけること。講義時にはノート、筆記用具、関数電卓を持参すること。
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として動画の視聴および課題を課す。この他,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,定期試験の準備のための勉強時間を総合し,60時間の自学自習時間が必要である。
注意点:
履修にあたっては「物理化学Ⅰ」の知識が必要となるので、復習しておくこと。
演習には関数電卓を使用するので用意すること。
学業成績が60点未満のものに対して再試験を実施する場合がある。この場合,再試験の成績は定期試験の成績に置きかえて再評価を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学平衡(1)~平衡定数 平衡定数を求めることができる。
2週 化学平衡(2)~平衡定数と諸条件の影響 各種諸条件下での平衡定数を求めることができる。
3週 化学平衡(3)~平衡定数とルシャトリエの原理 ルシャトリエの原理を説明できる。
4週 化学平衡(4)~均一系と不均一系の化学平衡 均一系と不均一系での化学平衡の違いを明らかにできる。
5週 相図と状態図(1)~相図とギブズの相律 状態図から気液平衡を説明できる。
6週 相図と状態図(2)~相図とギブスの相律 相律の定義を理解し、平衡状態を説明できる。
7週 相図と状態図(3)~束一的性質 束一的性質を理解し、沸点上昇・凝固点降下、浸透圧に関して溶質の分子量を計算できる。
8週 反応速度論(1)~反応速度の定義 反応速度の定義を理解できる。
2ndQ
9週 反応速度論(2)~反応次数とその特徴 反応速度定数と反応次数を計算から求めることができる。
10週 反応速度論(3)~アレニウスの式 アレニウスの式より反応速度を計算することができる。
11週 放射線の種類と特徴(1)~放射線の種類と半減期 各種放射線の特徴を理解し、その半減期を求めることができる。
12週 放射線の種類と特徴(2)~核分裂と核融合 核分裂と核融合について説明できる。
13週 電気化学(1)~ネルンストの式と起電力 ネルンストの式を用いて起電力を計算できる。
14週 電気化学(2)~平衡定数とネルンストの式 電池反応の起電力、平衡定数、自由エネルギーについて計算できる。
15週 電気化学(3)~電池反応と電気分解 電気分解について説明できる。実用電池の種類と特徴について説明できる。
16週

評価割合

達成度評価定期試験合計
総合評価割合5050100
基礎的能力303060
専門的能力202040
分野横断的能力000