高分子化学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 高分子化学
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 柴田充弘著「基本高分子化学」(三共出版) /教材:1)西久保 忠臣 編,「ベーシックマスター 高分子化学」(オーム社)、2)井上祥平・堀江一之編「高分子化学-基礎と応用-第3版」(東京化学同人)、3)井上祥平 著「はじめての高分子化学」(化学同人)、4)高分子学会編「高分子科学の基礎(第二版)」(東京化学同人)5)Charles E Carraher Jr. Introduction to Polymer Chemistry, Second Edition, CRC Press (2011).
担当教員 甲野 裕之,藤田 彩華

到達目標

1.代表的な高分子化合物の種類とその性質を説明できる。
2.高分子の分子量、一次構造と高次構造を説明できる。
3.高分子の熱的性質を説明できる。
4.重縮合、付加重合、重付加、開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明できる。
5.ラジカル重合、イオン重合の反応とその特徴を説明できる。
6.生分解性高分子の構造的特徴とその性質を説明できる。
7.天然高分子の構造的特徴とその性質を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的な高分子化合物の種類とその性質を説明できる。代表的な高分子化合物の種類とその性質を概ね説明できる.代表的な高分子化合物の種類とその性質を説明できない。
評価項目2高分子の分子量、一次構造と高次構造を説明できる。高分子の分子量、一次構造と高次構造を概ね説明できる。高分子の分子量、一次構造と高次構造を説明できない。
評価項目3高分子の熱的性質を説明できる。高分子の熱的性質を概ね説明できる。高分子の熱的性質を説明できない。
評価項目4重縮合、付加重合、重付加、開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明できる。重縮合、付加重合、重付加、開環重合などの代表的な高分子合成反応を概ね説明できる。重縮合、付加重合、重付加、開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明できない。
評価項目5ラジカル重合、イオン重合の反応とその特徴を説明できる。ラジカル重合、イオン重合の反応とその特徴を概ね説明できる。ラジカル重合、イオン重合の反応とその特徴を説明できない。
評価項目6生分解性高分子の構造的特徴とその性質を説明できる。生分解性高分子の構造的特徴とその性質を概ね説明できる。生分解性高分子の構造的特徴とその性質を説明できない。
評価項目7天然高分子の構造的特徴とその性質を説明できる。天然高分子の構造的特徴とその性質を概ね説明できる。天然高分子の構造的特徴とその性質を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
この科目は企業で合成および天然高分子材料の構造解析方法を担当していた教員が、その経験を活かして高分子化学の概論を講義形式で授業を行うものである。また実際の高分子材料のサンプルを提示し、効果的に利用しながら教授する。
機能材料実験と食品・生物化学実験と関連させて理解を深めてほしい。
授業の進め方・方法:
次回講義の授業項目をシラバスで確認したうえで、該当項目を教科書で予習すること。適宜、授業項目について演習課題を出すので、それを用いて自学自習に取り組むこと。
定期試験では、達成目標に挙げた知識と能力が身についていることを、社会的に要求される水準(国際的な水準)以上の内容の問題の出題に十分に配慮した試験で達成度評価を行う。
注意点:
受講にあたってはノート、筆記用具,電卓を準備すること。
到達目標に関する内容の定期試験、到達度評価により総合評価する。合格点は60点である。成績評価が60点未満の場合は再試験を実施することがある。再試験を受けた者の成績評価は60点を超えないものとする。
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として動画の視聴および課題を課す。この他,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,定期試験の準備のための勉強時間を総合し,60時間の自学自習時間が必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 高分子化学序論 高分子の分類と高分子の誕生と歴史を理解できる。
2週 高分子鎖の化学構造~繰り返し構造と立体規則性 代表的な高分子の構造と立体規則性を理解できる。
3週 高分子の分子量~平均分子量と分子量分布 高分子の平均分子量(数平均、重量平均、Z 平均分子量)を計算できる。分子量分布について説明できる。
4週 高分子の分子量~分子量測定法 各種分子量の測定法を理解し、分子量分布について説明できる。
5週 高分子の固体構造とその解析技術 固体状態での高分子鎖の形態と高分子結晶構造、液晶高分子の構造について理解し、その解析方法を説明できる。
6週 高分子物性~熱的性質と力学的性質 高分子材料のガラス転移と融解、結晶挙動を説明できる、また耐熱性高分子の特徴を説明できる。粘弾性と機械的特性を理解し、説明できる。
7週 高分子合成~逐次重合:重縮合、重付加、付加縮合 代表的なモノマーについて、その重縮合、重付加、付加重合について理解し、説明できる。
8週 高分子合成~逐次重合:重縮合、重付加、付加縮合 代表的なモノマーについて、その重縮合、重付加、付加重合について理解し、説明できる。
4thQ
9週 高分子合成~連鎖重合:ラジカル重合とラジカル共重合 ラジカル重合をする代表的なモノマーと、その生成ポリマーの構造を列挙できる。開始剤の例を挙げ、その名称・構造,開始反応の反応機構を説明できる。
10週 高分子合成~アニオン重合とカチオン重合 アニオン重合とカチオン重合について、ラジカル重合と同様の説明ができる。
11週 高分子合成~開環重合と配位重合 配位重合と開環重合について、ラジカル重合と同様の説明ができる。
12週 特殊構造をもつ高分子 高分子の様々な形状について、ブロック共重合、分岐ポリマー、環状ポリマーを例に挙げ、説明できる。
13週 バイオベースポリマー~多糖類の利用 デンプン、セルロースに代表される多糖類を用いたバイオベースポリマーの合成とその特徴を説明できる。
14週 バイオベースポリマー~天然油脂、テルペン、構造たんぱく質の利用 植物油脂・テルペンに誘導される樹脂、たんぱく質などを利用した高分子材料の開発について説明できる。
15週 生分解性高分子材料 代表的な生分解性高分子の例を挙げ、その構造的特徴と諸物性について説明できる。
16週 定期試験

評価割合

達成度評価定期試験課題・レポート合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100