応用化学・生物実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 応用化学・生物実験Ⅲ
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 6
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 6
教科書/教材 自作テキスト,化学同人編集部編「正・続 実験を安全に行うために」(化学同人),泉 他監修「化学レポートと論文の書き方」(化学同人)/化学工学会編:「新版化学工学-解説と演習」(槙書店),Warren MaCabe, “Unit Operations of Chemical Engineering (Mcgraw-Hill Chemical Engineering Series)”,Mcgraw-Hill,2004.
担当教員 宇津野 国治,樫村 奈生,甲野 裕之,佐藤 森,平野 博人,藤田 彩華,岩波 俊介,長尾 昌紀,アルテアガ フェルナンド

到達目標

1.機器分析の各テーマにおいて、分析機器装置の理論と原理を理解し、得られたデータについて解析、考察して説明することができる。
2.化学工学の各テーマにおいて,実験の理論を理解し,実験から得られたデータについて工学的に考察し記述,説明ができる。
3.無機材料の各テーマにおいて、液晶分子を合成し,DSC測定から液晶状態を確認できる。
4.焼結体・ガラスを作製し,機器類を用いてそれらの有する誘電特性・熱膨張係数等を測定し評価できる。
5.基本的な高分子化合物を合成できる。
6.培地の種類とその基本成分,調製法と使用方法,滅菌法及び菌の植菌法を理解し実践できる。
7.微生物の分類,および取り扱いについて理解できる。
8.微生物機能を利用した各種発酵(エタノール発酵,乳酸発酵)について理解し実践できる。
9.遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機器分析の各テーマにおいて、分析機器装置の理論と原理を理解し、得られたデータについて解析、考察して説明することができる。機器分析の各テーマにおいて、助言を得ながら分析機器装置の理論と原理を理解し、得られたデータについて解析、考察して説明することができる。機器分析の各テーマにおいて、助言を得ても分析機器装置の理論と原理を理解し、得られたデータについて解析、考察して説明することができない。
評価項目2化学工学の各テーマにおいて,実験の理論を理解し,実験から得られたデータについて工学的に考察し記述,説明ができる。化学工学の各テーマにおいて,助言を得ながら実験の理論を理解し,実験から得られたデータについて工学的に考察し記述,説明ができる。化学工学の各テーマにおいて,助言を得ても実験の理論を理解し,実験から得られたデータについて工学的に考察し記述,説明ができない。
評価項目3無機材料の各テーマにおいて、液晶分子を合成し,DSC測定から液晶状態を確認できる。無機材料の各テーマにおいて、助言を得ながら液晶分子を合成し,DSC測定から液晶状態を確認できる。無機材料の各テーマにおいて、助言を得ても液晶分子を合成し,DSC測定から液晶状態を確認できない。
評価項目4焼結体・ガラスを作製し,機器類を用いてそれらの有する誘電特性・熱膨張係数等を測定し評価できる。助言を得ながら焼結体・ガラスを作製し,機器類を用いてそれらの有する誘電特性・熱膨張係数等を測定し評価できる。助言を得ても焼結体・ガラスを作製し,機器類を用いてそれらの有する誘電特性・熱膨張係数等を測定し評価できない。
評価項目5基本的な高分子化合物を合成できる。基本的な高分子化合物を助言を得ながら合成できる。助言を得ても基本的な高分子化合物を合成できない。
評価項目6培地の種類とその基本成分,調製法と使用方法,滅菌法及び菌の植菌法を理解し実践できる。培地の種類とその基本成分,調製法と使用方法,滅菌法及び菌の植菌法の基本を理解し実践できる。培地の種類とその基本成分,調製法と使用方法,滅菌法及び菌の植菌法を理解できず、実践できない。
評価項目7植物培養細胞の取り扱いについて理解し実践できる。植物培養細胞の取り扱いについての基本を理解し実践できる。植物培養細胞の取り扱いの理解できず実践できない。
評価項目8タンパク質・核酸の抽出・精製を通して生体高分子の取り扱いについて理解し実践できるタンパク質・核酸の抽出・精製を通して生体高分子の取り扱いの基本について理解し実践できる。タンパク質・核酸の抽出・精製を通して生体高分子の取り扱いの基本について理解できず実践できない。
評価項目9食品の物性分析,微生物の取扱い,および微生物発酵(エタノール発酵等)を実践し,その用途について理解できる。食品の物性分析,微生物の取扱,微生物発酵(エタノール発酵等)を実践し,その用途の基本について理解できる。食品の物性分析,微生物の取扱い,および微生物発酵(エタノール発酵等)を実践できず,その用途の基本について理解できない。
評価項目10遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。 遺伝子組換えの基礎技術の基本を理解し実践できる。遺伝子組換えの基礎技術の基本を理解できず実践できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期は、両コースで機器分析、化学工学実験を実施する。機器分析実験では、各種機器について理論と原理を理解し、実際に機器を操作できることを目的とする。化学工学系実験では,単位操作を中心とした学問分野の知識と実地の製造運転・プラント管理に応用するために基本的な装置および機械を使用し,理論と実測のデータとの評価と解釈に対する判断力を実践する。
後期は各コースに分かれて実験を実施する。機能材料コースでは材料(無機,有機材料)の「合成」・「物性評価」および「解析・分析」に必要な技術・知識を身に付けることを目的とする。食品バイオコースでは実験器具や装置の取扱い方法,各種培地の調製法及び滅菌操作などの操作法をはじめ,植物細胞,微生物,酵素などの生体試料の取扱い,ならびに大腸菌の遺伝子操作などを通してバイオ実験に必要な知識・技術を教授する。
授業の進め方・方法:
履修には次のものが必要である:白衣,保護メガネ,手拭い,上履き(運動靴),実験ノート(ルーズリーフは不可。厚めのノートが良い),電卓,定規,テンプレート,グラフ用紙,筆記用具。化学工学実験ではデータの整理にPCを用いることを可とする。
実験に関しては,担当教員の説明をよく聞き,安全に配慮して行うこと。
到達目標に関して実験レポートおよび実技により総合的に評価する。レポート70%、実技30%の割合で評価し,四半期ごとに100点法で採点して平均する。
合格点は60点である。ただし,正当な理由なく未提出のレポートがある場合には成績評価を60点未満とする。また,他者のレポートを写したものは評価しない。
注意点:
外靴やサンダル履きでの実験は禁止とする。携帯電話の使用および装身具類着用は実験の支障となるので禁止する。また女子学生は動き易さと安全確保の点からパンツ等の方が良い。長い髪は必ずまとめておくこと。
自学自習時間は,実験のための予習復習,理解を深めるための課題演習およびレポート作成のために最低限必要とする時間を総合したのもとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機器分析実験-1
ガスクロマトグラフ質量分析法・X線回折法
各種分析機器の原理、理論について理解し、実際に機器を操作することができる。
2週 機器分析実験ー2
ガスクロマトグラフ質量分析法・X線回折法
各種分析機器の原理、理論について理解し、実際に機器を操作することができる。
3週 機器分析実験ー3
ガスクロマトグラフ質量分析法・X線回折法
各種分析機器の原理、理論について理解し、実際に機器を操作することができる。
4週 機器分析実験ー4
示差熱ー熱重量分析法
各種分析機器の原理、理論について理解し、実際に機器を操作することができる。
5週 機器分析実験ー5
走査型電子顕微鏡
各種分析機器の原理、理論について理解し、実際に機器を操作することができる。
6週 機器分析実験ー6
原子吸光光度法
各種分析機器の原理、理論について理解し、実際に機器を操作することができる。
7週 機器分析実験ー7
引張試験
各種分析機器の原理、理論について理解し、実際に機器を操作することができる。
8週 機器分析実験ー8
レポート作成
得られたデータについて解析、考察することができる。
2ndQ
9週 化学工学実験ー1(単位操作)
①円管内の対流熱伝達係数
②粘度測定
実験の理論を理解し、正しいデータを得ることができる。
10週 化学工学実験ー2
報告会
自らの考えをまとめてプレゼンテーションできる。
11週 化学工学実験ー3(単位操作)
③恒圧ろ過
④回分精留塔
実験の理論を理解し、正しいデータを得ることができる。
12週 化学工学実験ー3(単位操作)
⑤固体乾燥
⑥管内の圧力損失
実験の理論を理解し、正しいデータを得ることができる。
13週 化学工学実験ー4(物性測定)
⑦粉体比表面積の測定
⑧粒度分布測定
実験の理論を理解し、正しいデータを得ることができる。
14週 化学工学実験ー5(物性測定)
⑨品質管理
⑩次元解析
実験の理論を理解し、正しいデータを得ることができる。
15週 化学工学実験ー6
レポート作成
理論・実験方法・実験結果を正しく記述できる。得られたデータについて考察し記述できる。
16週
後期
3rdQ
1週 有機材料実験ー1(機能材料コース)
実験説明
生物実験-1(食品バイオコース)
食品・生物化学実験の概要説明
実験に使用する器具・装置を理解できる。実験の方法・目的を理解できる。(機能材料コース)
バイオ実験の特色と目的,危険性と安全確保,および操作環境の確保などを理解できる。(食品バイオコース)
2週 有機材料実験ー2(機能材料コース)
ポリスチレンの合成
生物実験-2(食品バイオコース)
微生物セルロースの合成
高分子化合物を合成できる。(機能材料コース)
培地の種類とその基本成分,調製法と使用方法,滅菌法及び菌の植菌法を理解し実践できる。各培地成分の役割,微生物が生産する多糖類について理解できる。(食品バイオコース)
3週 有機材料実験ー3(機能材料コース)
ポリスチレンのスルホン化とイオン交換容量測定
生物実験ー3(食品バイオコース)
ニンジンカルスの個体再生
イオン交換容量を測定し、その機能の発現を確認できる。(機能材料コース)
植物培養細胞の取り扱いについて理解し実践できる。(食品バイオコース)
4週 有機材料実験ー4(機能材料コース)
高分子ゲルの合成
生物実験ー4(食品バイオコース)
酵素の取扱いに関する実験
高分子ゲルを合成できる。(機能材料コース)
酵素の部分精製,取扱い,および分析方法について理解できる。(食品バイオコース)
5週 有機材料実験ー5(機能材料コース)
ゲルの統計力学の測定
生物実験-5(食品バイオコース)
身の回りの微生物に関する実験
高分子鎖の統計力学によって記述できることについて理解できる。(機能材料コース)
微生物の分類,および取り扱いについて理解できる。(食品バイオコース)
6週 有機材料実験ー6(機能材料コース)
セルロースのエステル化誘導体の調整
生物実験-6(食品バイオコース)
大腸菌の増殖実験
セルロースエステルの合成法を実践し、その用途について理解できる。(機能材料コース)
微生物の分類,および取り扱いについて理解できる。(食品バイオコース)
7週 有機材料実験ー7(機能材料コース)
セルロース誘導体を用いた級水性ポリマーの合成
生物実験ー7(食品バイオコース)
固定化酵母を用いたエタノール発酵実験
セルロース誘導体を用いた機能性材料の合成法を実践し、その性能を評価できる。(機能材料コース)
微生物機能を利用した各種発酵(エタノール発酵,乳酸発酵)について理解し実践できる。(食品バイオコース)
8週 有機材料実験ー8(機能材料コース)
レポート作成
生物実験ー8(食品バイオコース)
大腸菌の形質転換実験(概要説明)
理論・実験方法・実験結果を正しく記述できる。得られたデータについて考察し記述できる。(機能材料コース)
遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。(食品バイオコース)
4thQ
9週 無機材料実験ー1(機能材料コース)
実験説明
生物実験-7(食品バイオコース)
大腸菌の形質転換実験(DNA実験安全講習会)
実験に使用する器具・装置を理解できる。実験の方法・目的を理解できる。(機能材料コース)
遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。(食品バイオコース)
10週 無機材料実験ー2(機能材料コース)
実験説明
生物実験-8(食品バイオコース)
大腸菌の形質転換実験(形質転換実験)
液晶分子を合成し,DSC測定から液晶状態を確認できる。(機能材料コース)
遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。(食品バイオコース)
11週 無機材料実験ー3(機能材料コース)
液晶の合成と特性評価
生物実験-9(食品バイオコース)
大腸菌の形質転換実験(形質転換実験)
焼結体・ガラスを作製し,機器類を用いてそれらの有する誘電特性・熱膨張係数等を測定し評価できる。(機能材料コース)
遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。(食品バイオコース)
12週 無機材料実験ー4(機能材料コース)
水中の化学的酸素要求量測定
生物実験-10(食品バイオコース)
大腸菌の形質転換実験(プラスミドDNAの調製と制限酵素処理)
焼結体・ガラスを作製し,機器類を用いてそれらの有する誘電特性・熱膨張係数等を測定し評価できる。(機能材料コース)
遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。(食品バイオコース)
13週 無機材料実験ー5(機能材料コース)
単分子膜の形成と評価
生物実験-11(食品バイオコース)
大腸菌の形質転換実験(電気泳動、PCRの説明)
焼結体・ガラスを作製し,機器類を用いてそれらの有する誘電特性・熱膨張係数等を測定し評価できる。(機能材料コース)
遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。(食品バイオコース)
14週 無機材料実験ー6(機能材料コース)
Pb-Sn系状態図の作製
生物実験-12(食品バイオコース)
大腸菌の形質転換実験(電気泳動、PCR実験)
熱電対を用いてPb-Sn系合金の冷却曲線から状態図を作成し,その図の解釈が出来る。(機能材料コース)
遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。(食品バイオコース)
15週 無機材料実験ー7(機能材料コース)
レポート作成
生物実験-13(食品バイオコース)
データの整理、実験レポートの書き方について
理論・実験方法・実験結果を正しく記述できる。得られたデータについて考察し記述できる。(機能材料コース)
遺伝子組換えの基礎技術を理解し実践できる。(食品バイオコース)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4
蒸留による精製ができる。4
吸引ろ過ができる。4
再結晶による精製ができる。4
分液漏斗による抽出ができる。4
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4
収率の計算ができる。4
分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
物理化学実験粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

レポート実技合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100