到達目標
1.有機化学で用いる分光器について十分に説明できる.
2.IR(赤外線吸収)スペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる.
3.簡単な化合物の構造解析を,NMR(核磁気共鳴法),IRを併用して実施できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 有機化学で用いる分光器について十分に説明できる. | 有機化学で用いる分光器について概要を説明できる. | 有機化学で用いる分光器について概要を説明できない. |
評価項目2 | IR(赤外線吸収)スペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる. | IR(赤外線吸収)スペクトルを参考文献等の情報を用いて概ね解析できる. | IR(赤外線吸収)スペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できない. |
評価項目3 | 簡単な化合物の構造解析を,NMR(核磁気共鳴法),IRを併用して実施できる. | 簡単な化合物の構造解析を,NMR(核磁気共鳴法),IRを併用して概ね実施できる. | 簡単な化合物の構造解析を,NMR(核磁気共鳴法),IRを併用して実施できない. |
学科の到達目標項目との関係
Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
教育方法等
概要:
この授業では有機構造解析について概観する.すなわち,有機化合物の構造を決定するために使われる各種分光法を学ぶ.
授業の進め方・方法:
予習・復習を行うこと.また,授業項目毎に演習課題を出すので,それをもとに自学自習により取り組むこと。演習課題は採点後,返却する.
定期試験では,達成目標に挙げた知識と能力が身についていることを,社会的に要求される水準(国際的な水準)以上の内容の問題の出題に十分に配慮した試験で達成度評価を行う.
到達目標に関する内容の定期試験,達成度試験,課題により総合評価する.合格点は60点である.学業成績の成績が60点未満のものに対して再試験(全授業項目を出題範囲とする)を実施する場合がある.この場合,再試験の成績をもって再評価を行う.再試験を受けた者の成績評価は60点を超えないものとする.
注意点:
受講にあたってはノート,筆記用具,電卓・定規を準備すること。「有機化学」を基礎とする教科である。これらの知識を十分整理した上で受講してほしい。
自学自習時間として,日常の授業のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題,および各試験の準備のための勉強時間を総合したものとする。30時間の自学自習時間が必要である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1 有機化合物のスペクトルによる構造解析,スペクトル法とは? |
有機化合物の構造とスペクトルによる構造解析法の概略を想起できる.
|
2週 |
2 有機化学で用いる分光器(IR, NMR, MS) |
有機化学で用いる分光器について概要を説明できる.
|
3週 |
3 赤外線吸収スペクトル法とは,理論,分子の振動と回転 |
赤外線吸収スペクトル法の理論の概要を説明できる.
|
4週 |
4 装置,試料の調製 |
装置のメンテナンスと測定試料の調整,測定に必要な基本知識を説明できる.
|
5週 |
5 スペクトルの解析法 |
与えられたIRスペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる.
|
6週 |
6 赤外線吸収スペクトル法による構造解析演習(PowerPoint使用) |
与えられたIRスペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる.
|
7週 |
7 赤外線吸収スペクトル法による構造解析演習(続) |
与えられたIRスペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる.
|
8週 |
達成度試験 |
|
2ndQ |
9週 |
8 核磁気共鳴スペクトル法とは? |
核磁気共鳴法について装置の概要と測定法に関する基本的な知識を説明できる.
|
10週 |
9 理論,装置の概要と測定法,試料の調製 |
核磁気共鳴法の測定法に関する基本的な知識を説明できる.
|
11週 |
10 ケミカルシフトと積分曲線 |
化学シフトが何故発生するかを説明でき,主だった官能基,置換基の化学シフトを文献値から求めることができる.積分曲線からの情報を理解して利用できる(定量).
|
12週 |
11 多重度とスピン結合定数(PowerPoint使用) |
多重度,スピン-スピン結合定数について理解し,説明できる.
|
13週 |
12 スペクトル解析法(PowerPoint使用) |
簡単な化合物の構造解析(定性)を,IRを併用して実施できる.
|
14週 |
13 構造が推定される場合の解析法 |
簡単な化合物の構造解析(定性)を,IRを併用して実施できる.
|
15週 |
14 構造が推定されない場合の解析法(演習) |
簡単な化合物の構造解析(定性)を,IRを併用して実施できる.
|
16週 |
定期試験 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 達成度試験 | 定期試験 | レポート・課題 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 60 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 30 | 60 | 10 | 100 |