化学工学演習

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学工学演習
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 化学工学会監修 多田豊編「化学工学(改訂第3版) -解説と演習-」朝倉書店Warren McCabe,“Unit Operations of Chemical Engineering (Mcgraw-Hill Chemical Engineering Series)”,Mcgraw-Hill,2004
担当教員 佐藤 森,平野 博人

到達目標

1.単蒸留とフラッシュ蒸留の缶出液および留出液組成を求めることができ,連続精留塔の物質収支を理解し,作図により理論段数を求めることができる。
2.溶解度曲線とタイラインを作図でき,抽出液と抽残液の組成を求めることができる。向流多段抽出の物質収支を理解し,所要段数を算出できる。
3.吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。
4.化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを十分に説明できる。
5.反応の量論的関係を理解し,反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。
6.反応速度の定義について理解し,さまざまな場合における反応速度式を導き出すことができる。
7.回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。さらに,それ
ぞれの反応器の性能の違いを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1単蒸留とフラッシュ蒸留の缶出液および留出液組成を求めることができ,連続精留塔の物質収支を理解し,作図により理論段数を求めることができる。蒸留での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができる。蒸留での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができない。
到達目標2溶解度曲線とタイラインを作図でき,抽出液と抽残液の組成を求めることができる。単抽出の物質収支を理解し,抽出率を算出できる。液液抽出での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができる。液液抽出での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができない。
到達目標3吸着や膜分離の原理・目的・方法を十分説明できる。吸着や膜分離の原理・目的・方法を説明できる。吸着や膜分離の原理・目的・方法を説明できない。
到達目標4化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを十分に説明できる。化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを説明できる。化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを説明できない。
到達目標5反応の量論的関係を理解し,反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。反応の量論的関係から反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。反応の量論的関係から反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができない。
到達目標6反応速度の定義について理解し,さまざまな場合における反応速度式を導き出すことができる。反応速度の定義について理解し,基本的な反応速度式を導き出すことができる。反応速度の定義について理解し,基本的な反応速度式を導き出すことができない。
到達目標7回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。さらに,それぞれの反応器の性能の違いを説明できる。回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
 化学工学の分野では,化学製造工程を効率よく経済的に行わせるための学問で,主に製造工程に応用されている機器ならびに装置の操作,設計,製作及び運転が目標である。しかし,これらの知識を全て収得するには広く工学の基本的な学問が必要であるが,ここでは化学工学の一部である化学工学量論および単位操作について初歩的な知識を教授する。化学工学Ⅰ,Ⅱの基礎知識を前提とする。反応工学の分野では,実験や観測で得られたデータがどのような現象に基づくのかという反応解析と,希望する製品を必要量だけ生産するための装置を決める反応器設計からなる。ここでは,実験装置での反応の結果を定量的に解析し,その結果に基づく工業反応装置の設計および反応条件の設定についての基礎的事項を教授する。
授業の進め方・方法:
授業には関数電卓,定規,グラフ用紙を用意すること。
授業項目毎に配布される演習課題に自学自習(60時間の自学自習が必要)により取り組むこと。自学自習時間とは、日常の授業の予習復習時間、理解を深めるための演習課題、および各試験準備のための時間を総合したものとする。
演習問題は添削後,目標が達成されていることを確認し,返却する。目標が達成されていない場合には,再提出を求めることがある。
注意点:
授業項目と達成目標に関する内容の試験および演習で総合的に達成度を評価する。割合は定期試験40%、中間達成度評価40%、演習20%とし、合格点は60点である。
評価が60点未満の者に対して再試験を実施することがあるが、課題提出や授業態度等が著しく不良な場合は受験を認めない。再試験の成績を80%、演習20%として再評価を行う。再試験を受けた者の評価は60点を超えないものとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 蒸留(1)
気液平衡関係
2成分混合物の沸点-組成線図とx-y線図を作図することができる。気液平衡の全圧とモル分率を算出できる。
2週 蒸留(2)
単蒸留とフラッシュ蒸留
単蒸留とフラッシュ蒸留の缶出液および留出液組成を求めることができる。
3週 蒸留(3)
連続精留塔の物質収支および連続蒸留塔の理論段数計算
連続精留塔の物質収支を理解し,作図により理論段数を求めることができる。
4週 蒸留(4)
連続精留塔の物質収支および連続蒸留塔の理論段数計算
連続精留塔の物質収支を理解し,作図により理論段数を求めることができる。
5週 液液抽出(1)
三角線図
溶解度曲線を理解できる。
6週 液液抽出(2)
三角線図,抽出の物質収支
溶解度曲線とタイラインを作図でき,単抽出における抽出液と抽残液の組成を求めることができる。
7週 液液抽出(3)
三角線図,抽出の物質収支
溶解度曲線とタイラインを作図でき,単抽出における抽出液と抽残液の組成,抽出率を求めることができる。
8週 中間達成度評価
2ndQ
9週 吸着と膜分離 吸着や膜分離の原理・目的・方法を説明できる。
10週 化学反応プロセス(1)
化学反応と反応器
化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを説明できる。
11週 化学反応プロセス(2)
反応の量論関係と反応速度
反応の量論的関係を理解し,反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。
12週 化学反応プロセス(3)
反応速度式
擬定常状態の近似および律速段階の近似を用いて,反応速度式を導き出すことができる。
13週 反応器の設計(1)
回分反応器の設計方程式
回分反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。
14週 反応器の設計(2)
連続撹拌槽型反応器の設計方程式
連続攪拌槽反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。
15週 反応器の設計(3)
流通管型反応器の設計方程式
流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。
16週 定期試験

評価割合

定期試験中間達成度評価演習合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100
分野横断能力0000