到達目標
1.身の回りにある高分子材料を列挙できる.
2.有機化合物と高分子化合物の違いを説明できる.
3.数平均,重量平均,Z 平均分子量を計算できる.
4.分子量の測定法を示し,分子量分布について説明できる.
5.重縮合系ポリマー,重付加系ポリマー,付加縮合系ポリマーを示し,その合成方法について説明できる.
6.ラジカル重合(共重合を含む),イオン重合,リビング重合,開環重合で合成されるポリマーを列挙し,その合成法を説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 身の回りにある高分子材料を列挙できる. | 身の回りにある高分子材料を概ね列挙できる. | 身の回りにある高分子材料を列挙できない. |
評価項目2 | 有機化合物と高分子化合物の違いを説明できる. | 有機化合物と高分子化合物の違いを概ね説明できる. | 有機化合物と高分子化合物の違いを説明できない. |
評価項目3 | 数平均,重量平均,Z 平均分子量を計算できる. | 数平均,重量平均,Z 平均分子量を概ね計算できる, | 数平均,重量平均,Z 平均分子量を計算できない. |
評価項目4 | 分子量の測定法を示し,分子量分布について説明できる. | 分子量の測定法を示し,分子量分布について概ね説明できる. | 分子量の測定法を示し,分子量分布について説明できない. |
評価項目5 | 重縮合系ポリマー,重付加系ポリマー,付加縮合系ポリマーを示し,その合成方法について説明できる. | 重縮合系ポリマー,重付加系ポリマー,付加縮合系ポリマーを示し,その合成方法について概ね説明できる. | 重縮合系ポリマー,重付加系ポリマー,付加縮合系ポリマーを示し,その合成方法について説明できない. |
評価項目6 | ラジカル重合(共重合を含む),イオン重合,リビング重合,開環重合で合成されるポリマーを列挙し,その合成法を説明できる. | ラジカル重合(共重合を含む),イオン重合,リビング重合,開環重合で合成されるポリマーを列挙し,その合成法を概ね説明できる. | ラジカル重合(共重合を含む),イオン重合,リビング重合,開環重合で合成されるポリマーを列挙し,その合成法を説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
教育方法等
概要:
座学の講義を中心に実際の高分子材料のサンプルを提示し,効果的に利用しながら教授する.
機能材料コースの学生は,機能材料実験とも関連させ理解を深めてほしい.
授業の進め方・方法:
次回講義の授業項目をシラバスで確認して,該当項目を教科書で予習すること.また,授業項目毎に演習課題を出すので,それをもとに自学自習により取り組むこと.演習課題は採点後,返却する.冬季休業中にレポートの作成を求める.レポートは添削・採点後に返却する.
定期試験では,達成目標に挙げた知識と能力が身についていることを,社会的に要求される水準(国際的な水準)以上の内容の問題の出題に十分に配慮した試験で達成度評価を行う.
到達目標に関する内容の定期試験,到達度試験,レポートにより総合評価する.合格点は60点である.成績評価が60点未満の場合は再試験(全授業項目を出題範囲とする)を実施することがある.ただし,再試験の得点は上記の定期試験と中間試験の占める割合(90%)までとし,再試験を受けた者の成績評価は60点を超えないものとする.
日常の授業(30時間)のための予習復習時間,定期試験の準備のための勉強時間,レポート作成時間を総合し,60時間の自学自習時間が必要である.
注意点:
受講にあたってはノート,筆記用具,電卓・定規を準備すること。
自学自習時間として,日常の授業のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題,および各試験の準備のための勉強時間を総合したものとする。60時間の自学自習時間が必要である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
高分子とは何か? 高分子の特性,高分子化学の歴史 |
身の回りにある高分子材料を列挙できる。有機化合物と高分子化合物の違いを説明できる。
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2週 |
高分子の分類,重合反応の分類,高分子の将来 |
身の回りにある高分子材料を列挙できる。有機化合物と高分子化合物の違いを説明できる。
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3週 |
重縮合の特徴,高分子の生成条件,重縮合の速度論 |
ナイロン,ポリエステルの合成反応を反応式で書き,原料モノマーの名称と構造式,重合反応の条件を説明できる。界面重縮合について実施方法を説明でき,この重合法の特徴を示せる。
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4週 |
分子量を調節するには,分子量分布,交換反応,重縮合の方法 |
数平均,重量平均,Z 平均分子量を計算できる。分子量の測定法を示し,分子量分布について説明できる。
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5週 |
縮合系高分子の例,エンジニアリングプラスチック |
芳香族ポリアミド,ポリイミドの合成法と構造式を書き,何故,この様な構造が高強力,耐熱性に優れているか,分子構造との関係から解説できる。代表的なエンジニアリングプラスチックを列挙し,その用途についての例を示せる。
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6週 |
重付加の特徴,重付加の例,付加縮合 |
重付加・付加縮合で合成される高分子化合物について反応式で示して説明できる。
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7週 |
ラジカル重合とは,ラジカル重合の素反応(開始,成長,停止,連鎖移動反応),ラジカル重合 の速度論,重合度と移動定数 |
ラジカル重合する代表的なモノマーとこれから出来るポリマーの構造を列挙できる。開始剤の例をあげ,名称・構造,開始反応の反応機構を書き表すこと ができる。4 種の素反応を想起でき,各反応の反応機構を記述して説明できる。
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8週 |
ラジカル重合の方法(塊状,溶液,懸濁,乳化重合) |
ラジカル重合する代表的なモノマーとこれから出来るポリマーの構造を列挙できる。開始剤の例をあげ,名称・構造,開始反応の反応機構を書き表すこと ができる。4 種の素反応を想起でき,各反応の反応機構を記述して説明できる。
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4thQ |
9週 |
ラジカル共重合とは,共重合組成曲線,Q−e スキーム,前末端モデル |
モノマー反応性比を理解し,共重合体の構造を予測できる。
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10週 |
イオン重合の特徴,アニオン重合 |
イオン重合についてラジカル重合と同様の行動を実行できる。
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11週 |
カチオン重合,リビング重合(論文使用),立体規則性重合 |
イオン重合についてラジカル重合と同様の行動を実行できる。リビング重合について説明できる。
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12週 |
遷移金属触媒重合(チグラー・ナッタ触媒,メタロセン触媒,メタセシス重合) |
遷移金属触媒重合について説明できる。
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13週 |
開環重合の特徴,重合性,開環重合の例 |
開環重合するモノマーと開始剤を列挙することができる。ポリマーの構造規制についての基礎知識を述べることができる。
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14週 |
高分子反応,特殊構造高分子 |
高分子反応について例示でき,説明できる。
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15週 |
生体高分子,高分子と環境 |
生体高分子,高分子と環境問題について例示でき,説明できる。
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16週 |
定期試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 4 | 後1,後2,後4,後5,後8 |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 4 | 後8 |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 4 | 後8 |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 4 | 後1,後8 |
重合反応について説明できる。 | 4 | 後2 |
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 4 | 後3,後6,後13 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。 | 4 | 後7,後8,後9 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。 | 4 | 後10,後11 |
評価割合
| 到達度試験 | 定期試験 | 課題・レポート | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 60 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 30 | 60 | 10 | 100 |