水理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 水理学Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(都市・環境系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:神田佳一編著「PEL水理学」実教出版/参考図書:日野幹雄「明解水理学」丸善,大西外明「最新水理学Ⅰ・II」 森北出版,早川典生「水工学の基礎と応用」彰国社,荒木正夫・椿東一郎「水理学演習上巻」森北出版, Andrew L. Simon, Scott F. Korom , “Hydraulics”, Simon Pubns
担当教員 八田 茂実

到達目標

1.水の基本的な性質を説明でき,定義に基づいて水理量の次元や単位を正しく求めることができる。
2.水圧の性質について理解し、水圧の測定方法や水圧によりいろいろな面に働く合力や作用点の位置を計算できる。
3.ベルヌーイの定理を理解し応用できる。また、運動量の法則を流れに適用できる。
4.相似則・開水路の流量測定に関する問題が解ける.
5.開水路の常流・射流の判別ができ,流れの特徴を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
水の基本的な性質を説明でき,定義に基づいて水理量の次元や単位を正しく求めることができる。水の基本的な性質を説明でき,定義に基づいて水理量の次元や単位を正しく求めることができる。水の基本的な性質を知っており,定義に基づいて水理量の次元や単位を求める方法を知っている。水の基本的な性質がわからず,水理量の次元や単位を求めることができない。
水圧の性質について理解し、水圧の測定方法や水圧によりいろいろな面に働く合力や作用点の位置を計算できる。水圧の性質について理解し、水圧の測定方法や水圧によりいろいろな面に働く合力や作用点の位置を計算できる。水圧の性質を知っており、水圧の測定方法や水圧によりいろいろな面に働く合力や作用点の位置の求め方がわかる。水圧の性質を理解しておらず、水圧の測定方法や水圧によりいろいろな面に働く合力や作用点の位置の求め方がわからない。
ベルヌーイの定理を理解し応用できる。また、運動量の法則を流れに適用できる。ベルヌーイの定理を理解し応用できる。また、運動量の法則を流れに適用できる。ベルヌーイの定理や運動量保存則を知っており,基本的な問題を解くことができる。ベルヌーイの定理や運動量保存則がわからず,基本的な問題を解くことができない。
相似則・開水路の流量測定に関する問題が解ける.相似則・開水路の流量測定に関する問題が解ける.相似則・開水路の流量測定について,基本的な問題が解ける.相似則・開水路の流量測定について,基本的な計算ができない.
開水路の常流・射流の判別ができ,流れの特徴を説明できる.開水路の常流・射流の判別ができ,流れの特徴を説明できる.開水路の常流・射流の判別ができ,これらに関する基本的な問題が解ける.開水路の常流・射流の判別ができない. 常流・射流に関する基本的な問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
水理学は都市・環境系の主要な科目の一つで、基礎的な分野であると同時に、流体力学の実用面への応用に取組む学問である。河川・水資源工学、海岸・港湾工学、環境衛生工学等の水工学の基礎となっている。
授業の進め方・方法:
授業は,前回の授業内容の理解度と予習状況の確認の小テスト・教員による説明・演習で構成します.また,到達目標に対する達成度試験を複数回実施します.
成績は達成度試験(60%),平素の学習状況(課題・小テスト:40%)
注意点:
教科書、筆記用具、電卓を準備すること.
提出された課題は、目標が達成されていることを確認するものである。常に予習・復習し、課題に取組むこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 0.授業の進め方
1.水の物性(1)
①次元と単位,圧力
水理学で用いる次元や単位系について説明できる.
2週 1.水の物性(2)
②水の物理的な性質
水の基本的な性質について説明できる.
3週 2.静水力学(1)
①静水圧(静水圧の性質・水圧機)
静水圧の表現、強さ、作用する方向について説明できる.
水圧機(パスカルの原理)について説明し計算できる.
4週 2.静水力学(2)
①静水圧(静水圧を利用した測定機)
静水圧の測定方法(マノメータ)について説明し計算できる.
5週 2.静水力学(3)
①静水圧(静水圧の性質と測定に関する演習)
静水圧の性質と測定方法に関する基本的な問題が解ける.
6週 2.静水力学(4)
①静水圧(鉛直な平板に働く静水圧、演習)
鉛直な平面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
7週 2.静水力学(5)
①静水圧(傾斜平板に働く静水圧、演習)
傾斜した平板に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
8週 2.静水力学(6)
①静水圧(曲面に作用する静水圧、演習)
曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
2ndQ
9週 2.静水力学(7)
①静水圧(全水圧に関する演習)
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
10週 2.静水力学(8)
②浮体の安定問題(浮力と浮心,浮体の釣り合い,浮体の安定)
浮力と浮体の安定について説明できる.
11週 2.静水力学(9)
②浮体の安定問題(演習)
浮力と浮体の安定を計算できる.
12週 2.静水力学(10)
③相対的静止(等圧面・直線運動における相対静止の問題)
相対的静止状態の水面形を求めることができる.
13週 2.静水力学(11)
③相対的静止(回転体の水面形)
相対的静止状態の水面形を求めることができる.
14週 3.流れの基礎理論(1)
①流れの水理量(流体の分類,流量と流速,流れの分類)
基本的な流体の分類や流量や流速を説明することができる.
15週 3.流れの基礎理論(2)
①流れの水理量(流線と流跡線・流菅,演習)
流線と流跡線を説明でき,基本的な問題を解くことができる.
16週 達成度試験
後期
3rdQ
1週 3.流れの基礎理論(3)
②流れの連続式とその応用(連続の式,演習)
連続の式を説明でき,基本的な問題を解くことができる.
2週 3.流れの基礎理論(4)
流れの水理量と連続の式に関する演習
連続の式を説明でき,基本的な問題を解くことができる.
3週 3.流れの基礎理論(5)
③運動方程式とその応用(ベルヌーイの定理とその適用)
水理学におけるエネルギー保存則を説明することができる.
4週 3.流れの基礎理論(6)
③運動方程式とその応用(ベルヌーイの定理に関する演習)
ベルヌーイの定理を利用して基本的な問題を解くことができる.
5週 3.流れの基礎理論(7)
③運動方程式とその応用(ベルヌーイの定理に関する演習)
ベルヌーイの定理を利用して基本的な問題を解くことができる.
6週 3.流れの基礎理論(8)
③運動量保存則とその応用(運動量と運動量保存則)
水理学における運動量保存則を説明することができる.
7週 3.流れの基礎理論(9)
③運動量保存則とその応用(運動量保存則の応用)
運動量保存則を利用して基本的な問題を解くことができる.
8週 3.流れの基礎理論(10)
③運動量保存則とその応用(運動量保存則の応用,演習)
運動量保存則を利用して基本的な問題を解くことができる.
4thQ
9週 4.流れの計測と相似則(1)
①流量の測定(堰の流出公式)
刃型ぜきのせきの流出公式を理解し,計算ができる.
10週 4.流れの計測と相似則(2)
②相似則(レイノルズの相似則・フルードの相似則)
相似則を理解し,基本的な問題が解ける.
11週 4.流れの計測と相似則(3)
③次元解析
次元解析の方法を理解し,基本的な問題を解くことができる.
12週 5.開水路の流れ(1)
比エネルギーと限界水深
比エネルギーと限界水深について説明できる.
13週 5.開水路の流れ(2)
常流と射流
常流と射流について説明できる.
14週 5.開水路の流れ(3)
比力と跳水
跳水現象について説明できる.
15週 5.開水路の流れ(4)
演習
常流と射流に関する基本的な問題を解くことができる
16週 後期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。4前3,前6,前7
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。4前6,前7
浮力と浮体の安定を計算できる。4前10,前11
連続の式を説明できる。4後1,後2
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4後3,後4,後9
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4後6,後7,後8
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。4
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。4後15
各種の管路の流れが計算できる。4後13,後14

評価割合

試験・達成度試験小テスト課題合計
総合評価割合602515100
基礎的能力40201070
専門的能力205530
分野横断的能力0000