到達目標
1) 機械設計の基本を修得するため,設計の役割と必要とされる知識,機械要素の機能,荷重伝達機構,関連JIS規格について理解することができる.
2) 材料力学や機械材料学等の複数の科目の知識を用い,荷重,材料,安全率,使用条件等の制約条件下で機械要素の基本寸法,形状を合理的に考えることができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1:機械設計の役割,JIS規格寸法公差を説明できるか. | 機械設計の役割,JIS規格寸法公差を説明できる。 | 機械設計の役割,JIS規格寸法公差の基礎的な説明ができる。 | 機械設計の役割,JIS規格寸法公差を説明できない. |
評価項目2:ネジの種類,原理を説明し,ネジ山の強度,締結力の計算ができるか. | ネジの種類,原理を説明し,ネジ山の強度,締結力の計算ができる。 | ネジの種類,原理を説明し,ネジ山の強度,締結力の基礎的な計算ができる。 | ネジの種類,原理を説明し,ネジ山の強度,締結力の計算ができない。 |
評価項目3:伝達動力とトルク,トルクとせん断応力,ねじり角,荷重と曲げ応力,たわみを計算できるか. | 伝達動力とトルク,トルクとせん断応力,ねじり角,荷重と曲げ応力,たわみを計算できる。 | 伝達動力とトルク,トルクとせん断応力,ねじり角,荷重と曲げ応力,たわみの基礎的な計算ができる。 | 伝達動力とトルク,トルクとせん断応力,ねじり角,荷重と曲げ応力,たわみを計算できない。 |
評価項目4:すべり軸受けの負荷能力,油膜厚さ,軸受の摩擦力を計算できるか. | すべり軸受けの負荷能力,油膜厚さ,軸受の摩擦力を計算できる. | すべり軸受けの負荷能力,油膜厚さ,軸受の摩擦力の基礎的な計算ができる. | すべり軸受けの負荷能力,油膜厚さ,軸受の摩擦力を計算できない. |
評価項目5:歯車の種類,インボリュート歯形を説明し,歯の強度を計算できるか. | 歯車の種類,インボリュート歯形を説明し,歯の強度を計算できる。 | 歯車の種類,インボリュート歯形の基礎的な説明ができ、歯の強度の基礎的な計算ができる。 | 歯車の種類,インボリュート歯形を説明できない。歯の強度を計算できない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工業力学、材料力学、加工・材料学などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,流体・熱・機械力学等力学関連科目、電気・計測等制御関連科目、設計技術関連科目、情報技術関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
教育方法等
概要:
機械をつくるということは、機械工学に関する学問的知識を基礎として行われるが、直接的には機械を構成する要素の決定と組み合わせ、そして加工法である。これらに先駆けて行われるのが機械設計であり、これがうまくいかなければ機械にならない。本講義では、力学的観点から設計する手法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
用途に応じて多種多様の機械を対象とする機械設計が担う役割は極めて広いため,機械を構成する共通な部位,部品である機械要素について力学的観点から設計する手法を講義する.材料力学に基づく要素部材の寸法決定が主体となるが,流体力学を応用した潤滑,機構学を応用した歯車についても講義する.授業は項目毎に講義を行って基礎知識を付けた後,演習と課題により理解を深め応用力を養う.
注意点:
講義には関数電卓を持参すること.また,材料力学,加工学,流体力学,機械材料学,機構運動などの基礎知識が必要となるので,これらの科目の復習が必要である.このため,講義に加え自学自習の課題を課す.課題は添削して達成度を評価し,達成されていない場合には再提出を求める.また,課題は評価法に従って成績に反映する.
JABEE 教育到達目標評価:定期試験と達成度確認試験(D-4:60%,F-1:20 % ),課題(F-:20%)
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
1.機械設計の基礎 1-1 設計に必要な知識
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機械の定義,機械設計の役割,機械要素について説明できる.
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2週 |
1-2 寸法公差 |
JIS規格寸法公差の定義を理解できる.
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3週 |
2.ネジ及びネジ部品 2-1 ネジの種類
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ネジの種類,原理を説明できる。
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4週 |
2-2 ネジの効率 |
ネジの効率の計算ができる。
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5週 |
2-3 ネジ山の強度 |
締結力とネジ山の強度を計算できる.
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6週 |
3.軸 3-1 力の種類と変形
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軸の種類,作用力と変形を説明できる。
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7週 |
3-2 伝動軸,機械軸 |
動力とトルク,トルクと応力,トルクとねじり変形,荷重と曲げ変形,曲げ応力の関係式を理解し,軸径を計算できる.
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8週 |
3-3 車軸,クランク軸,推進軸 |
動力とトルク,トルクと応力,トルクとねじり変形,荷重と曲げ変形,曲げ応力の関係式を理解し,軸径を計算できる.
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4thQ |
9週 |
これまでのまとめと達成度確認試験 |
機械設計の基礎知識、ネジ、軸の強度計算と設計ができる。
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10週 |
4.軸受け 4-1 軸受けの種類
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軸受けの種類と原理を説明できる。
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11週 |
4-2 すべり軸受け(1) |
すべり軸受けの負荷能力,油膜厚さ,軸受の摩擦力を計算できる.
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12週 |
4-2 すべり軸受け(2) |
すべり軸受けの負荷能力,油膜厚さ,軸受の摩擦力を計算できる.
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13週 |
5.歯車 5-1 歯車の種類と理論
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歯車の歯形と種類,インボリュート歯車のかみ合い,モジュールを理解できる.
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14週 |
5-2 インボリュート歯形 |
歯の曲げ強度,面圧強度を理解でき,動力,回転速度と歯車の寸法から曲げ応力,接触圧力を計算できる.
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15週 |
5-3 歯車の強さ |
歯の曲げ強度,面圧強度を理解でき,動力,回転速度と歯車の寸法から曲げ応力,接触圧力を計算できる.
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16週 |
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評価割合
| 達成度確認試験 | 定期試験 | 課題 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 20 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 30 | 15 | 0 | 0 | 0 | 75 |
専門的能力 | 10 | 10 | 5 | 0 | 0 | 0 | 25 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |