電子デバイスⅡ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子デバイスⅡ
科目番号 116859 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書:古川静二郎 他 共著「電子デバイス工学【第2版】」森北出版/参考図書:桜庭一郎 著「電子デバイスの基礎」森北出版,深海登世司 監修「半導体工学」東京電機大学出版局,東芝セミコンダクター社 編「図解半導体ガイド」誠文堂新光社,Walter R.Beam, “ ELECTRONICS OF SOLIDS “, McGraw-Hill Book Company, 1965.,D.V.Morgan and K. Board, ”An Introduction to Semiconductor Microtechnology ”, John Wiley and Sons Ltd, 1990.
担当教員 山田 昭弥

到達目標

1.金属-半導体接触により起こる各種現象について理解し,その内容を概略図を用いて説明できる.
2.MOS構造デバイスの基礎を理解し,MOS構造を応用した各種素子の動作原理について説明できる.
3.集積回路を構造,用途に応じて分類し,それぞれの特徴と現状について説明できる.
4.受光・発光素子の代表例を挙げ、動作原理や特徴について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属-半導体接触により起こる現象を,条件に分けてエネルギーバンド図を用いて説明できる.金属-半導体接触により起こる現象について,その概要を説明できる.金属-半導体接触により起こる現象について説明できない.
評価項目2MOS構造及びこれを応用した各種素子それぞれの動作原理について説明できる.MOS構造の基本動作と応用した各種素子について説明できる.MOS構造に関する説明ができない.
評価項目3集積回路を構造,用途に応じて分類し,それぞれの特徴と現状について説明できる.集積回路を構造,用途に応じて分類し,概説できる.集積回路に関する説明ができない.
評価項目4受光・発光素子の代表例を挙げ、動作原理や特徴について説明できる.受光・発光素子の代表例を挙げ、特徴について説明できる.受光・発光素子に関する説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学年の電子デバイスⅠに引き続き,半導体材料を中心に電子デバイスの基礎知識の習得を目標とする.
金属-半導体接触やMOS構造の動作原理を学習した後,MOSFET,各種メモリ素子等の応用事例について解説する.また,集積回路技術の概要や太陽電池,LEDをはじめとする発光・受光素子についても学習する.
授業の進め方・方法:
講義は座学中心で,適宜実物の素子や写真の紹介,自作プリントの配布を行う.授業計画に対する到達目標に示した内容に関する試験及び自学自習で努めた演習・課題レポート等で総合的に達成度を評価する.割合は,学期末試験:50%,達成度確認小テスト:30%,演習・課題レポート:20%とし,合格点は60点以上である.
注意点:
第3学年で学習した電子デバイスⅠの内容が基礎となるため,随時復習すること.授業で課される演習・課題レポートは自学自習時間等を活用し,取り組むこと(30時間の自学自習を必要とする).演習・課題等は添削し,目標が達成されていることを確認後,返却する.目標が達成されていない場合には,再提出を求めることもある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 金属ー半導体接触 エネルギーバンド図を描き,仕事関数と電子親和力の定義について説明できる.
2週 ショットキー障壁 ショットキー障壁の形成条件および過程について説明できる.
3週 ショットキーバリアダイオード ショットキーバリアダイオードの特徴について説明できる.
4週 オーム性接触 オーム性接触形成条件について説明できる.
5週 MOS構造の動作原理 MOS構造の動作原理を3つの状態に分けて説明できる.
6週 反転層の形成条件 反転層の形成条件について説明できる.
7週 MOSFETの動作原理(1) MOSFETの動作原理について,伝達特性,出力特性に分けて説明できる.
8週 MOSFETの動作原理(2) エンハンスメント形とデプレッション形の違いとその原因について説明できる.
2ndQ
9週 集積回路の基礎 集積回路の定義と分類について説明できる.
10週 アナログIC,ディジタルIC 各種ICの分類と構造,特徴について説明できる.
11週 メモリIC 各種メモリICの構造や動作原理について説明できる.
12週 受光素子,発光素子の分類 光電効果の定義と分類について理解し,受光素子,発光素子の代表例を挙げ,概説できる.
13週 太陽電池の構造と動作原理 太陽電池の基本構造と動作原理,評価方法について説明できる
14週 各種太陽電池の比較 太陽電池の種類と基本構造,特性の違いについて概説できる.
15週 発光素子と受光素子 代表的な光電・受光素子について,それらの動作原理を説明できる.
16週 学期末試験

評価割合

学期末試験小テスト演習・課題その他合計
総合評価割合5030200100
基礎的能力302010060
専門的能力201010040
分野横断的能力00000